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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

こわ~いのはなぜ?

捕食(創元推理文庫刊)

想像

シナリオ・センター代表の小林です。今やっと、日曜日の説明会にいらしてくださった方々のご質問のお答えを出し終わりました。
私は、説明会のご質問に一人一人お答えするのが大好きです。正直、首と肩はめちゃめちゃ凝るのですが。(笑)
質問用紙と説明会で描いていただいたちょっとしたシナリオを拝見しながら、どんな方だろうかと想像しながらお返事をするのが楽しいのです。
想像するって、自分の想いが広がるからワクワクしちゃうんでしょうね。
とくに、キャラクターは、誰もがみんな違うのですから、そのキャラクターを想像していく作業は、楽しくないわけがありません。
創作している時と全く同じ気分です。
新たな出会いは、新たな自分も作ってくれる気もします。 

捕食

出身ライターの美輪和音さんがおいでくださいました。
新たに文庫になった著書をプレゼントしてくださったのです。
「捕食」(創元推理文庫刊)
単行本では、「ハナカマキリの祈り」というタイトルでした。
美輪さんはホラーサスペンスの妙手。
映画でも「着信アリ」という怖―い映画を描かれていますし、小説もホラーサスペンス。
実を言うと、ホラーはまったくダメな私です。弱虫なので「こわいこわい」は大の苦手。「着信アリ」の時は携帯が使えなくなりました。(笑)
なんでこんな怖い本を描けるのだろうと信じられません。
それでも頑張って読みましたけれども、やっぱり・・・怖い。(泣)
ですが、これはホラーという分類ではなくサスペンスです。
帯を拝見したら「抜群のページターナーが贈る、戦慄のサスペンス」と紹介されていました。
まさに1ページ読むたびに戦慄が走ります。だから、次々と急いでページをめくりたくなります。確かに抜群のページターナーです。もうやめて!(ため息)

サスペンスなのでお話は読んでいただかないと意味がないのですが、ちょっとだけ申し上げると、トラウマを抱える不破真尋のそばに寄り添ってくれたキャリアウーマンで魅力的な矢向いづみ。
真尋はいづみを全面的に信頼し、新たな人間関係に希望を持つのだが、実は・・・。
この展開が怖い、怖い、どんどん追いこまれます。
怖いシーンを描くのが本当にうまいのです。
シナリオと小説と両方描かれる方の特徴だと思うのですが、小説の文章から、映像が立ち上ってくるのです。 目の前に映像が浮かぶんですよ、怖いシーンが。

実は、これが脚本家の持つ力だと思うのです。
シナリオ・センターには、たくさんの小説家の方がいらっしゃいます。赤川次郎さん、乃南アサさん、鈴木光司さん、柚木麻子さん、原田ひ香さん、大山淳子さん、土橋章宏さん等など枚挙に暇ないほどいらっしゃいます。
どなたの作品も、映像がすぐに立ちあがってきます。

編集者の方が、シナリオ・センターに小説のご依頼もしてくださいます。
 それはなぜかと言うと、脚本家が書くと、文章からもシーンが見える様に書かれていて、どなたにも読みやすいので、読者層が広がるのだそうです。
うれしいお話です。とはいえ、純文学ではなくエンタテイメントに限りますが。
シナリオを描くにあたっても、小説を書くにあたっても、シーンをどれだけ魅力的に描くかということが大事なのですね。

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