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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

虚実

映画「総理の夫」プログラム(東映・日活)

現実世界

シナリオ・センター代表の小林です。東京の感染者数は、今日は1000人台を久々に割りましたが、コロナ療養者は、毎月増えて全国で20万人以上です。しかもそのうち13万人以上が自宅療養者、治療も受けられないって、一体なに時代なんでしょうか。
東京・埼玉・千葉・神奈川は「緊急事態宣言」を延長するようで、観光地からは9月の連休前にして、苦しい声が相次いでいるとのことです。
飲食店も観光地もどこもかしこもほとんどのところが悲鳴を上げていますが、いつもそうですが、大きな災害や戦争のときに、必ず儲ける人はいるものです。
一律6万円上げるからそれで暮らせという驚くべきことを言うおじさんの会社Pはコロナ、オリンピック特需です。
でもね、そういう人は誰かを助けようとか、還元しようとかはしない。
貧乏人に褒められても、喜ばれても意味がないと思っているしね。
なぜか助け合おうとするのは、言い方は悪いけれど貧乏人同士、金持ちはほとんど入ってこない。
もう、誰がなってもどうでもいいような総裁選に(本当はよくはないのですが)血道をあげている輩は、ゼッタイ信用できません。
そこじゃないでしょ、血道上げる場所は。

さてさて、すっかり蚊帳の外になった菅総理、これであなたはおしまいではありませんよ。
何度も言いますが、今ですよ、今。ここは国民のために、助成金、給付金をバンバン出しましょう。
ケチ臭いこと言わずに、バーンとね。
飲食店も観光地もシングルマザーも子どもも、み~んな助けちゃいましょう。

総理の夫

そうそう、こちらも辞任はしますが、明日があります。ちゃんと福祉に予算を使います。自分が通した道を、繋いでくれる仲間がいます。

映画「総理の夫」の試写を拝見しました。
出身ライターの松田沙也さん杉原憲明さんの共同脚本です。

日本初の女性総理になった凛子と財閥の御曹司で鳥類研究者の夫日和。
ファーストレディならぬファーストジェントルマンなった夫と女性総理の妻のお話しです。
原田マハさんの原作はだいぶ前に読んで、面白いな、映像化すればいいのにと思っていたので、楽しみに拝見しました。
政治の世界など何も知らない夫が急にファーストジェントルマンに仕立てられていく姿や、女性総理だからこそのあるあるをコミカルに、でも、現実にきっとあるあるの態で描いて、めちゃくちゃ感情移入してしまいました。
松田さん杉原さんの脚本は、世の中の、今の政治を彷彿させ、いちいち納得させられます。

さっきの助け合いの話しですが、「総理の夫」でも、貧しい鳥類研究所に多額の寄付してくれるお金持ちがいます。
「多額の寄付をありがとうございます」と鳥類研究所の所長。
「いいえ、ただの節税ですから」と日和の母親の財閥夫人。
細かいところに、金持ち感が出ている。
理由はともあれ寄付してくれればありがたいという所長もいい感じ。(笑)
職を失ったシングルマザーを助けて内閣官房広報に、スキャンダルを仕組んだ夫の同僚女性には問いただすのではなく、彼女の暮らしをみつめてくれ、常に助けるではなく教えて、手伝ってと味方につける細かい対応、それでいながら対決する大物政治家にはしたたかな権謀術をみせる凛子の魅力。
のほほんとしていた夫が政治の世界に翻弄されながら、凛子を愛し、リスペクトしているからこその変化に、思わず拍手です。
私は細かいところばかりを言っていますが(笑)、もちろん、みせどころは、めちゃくちゃジーンと来ちゃいますよ。
それは見てのお楽しみ!
ああ、女性総理が生まれるなら、こういう人になってほしいです。
貧乏人をさもしい人って言わない人にね。

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