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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

面白いってどんなこと?

シナリオ・センター代表の小林です。今日も嘘のような真っ青な秋空。まだ、水も引かないところがあるというのに、ちょっと離れてしまうと想像すらしなくなる・・・忘れるから生きていられるのだという説もあるけれど、都合の悪いことばかりを忘れるのは、人としてどうなのでしょう。
茨城では、不明15名の方のうち14名の方から連絡が取れたとか・・・よかった。残りの1名の方、ご無事で。 

 小林一三

そろそろ秋の番組になりますが、7月期のドラマは、すごく低迷だったそうです。10%を超えたドラマは本当にいくつか・・・視聴率至上主義ではないのですけれど、見てくれる人が少ないのは何より悲しい。
ドラマが低迷なのは、何が原因なのでしょうか。
みんな一生懸命作っているのに・・・。そう、一生懸命作っているのに、ドラマが面白くない。
とすれば、どこかで視聴者の想い(みたいもの)と作り手の想いがかけ違っているのでしょうか。
 

一生懸命に作っていらっしゃる作り手側にもっと一生懸命にといっても酷なことです。
でも、どうにかできるのは作り手側でしかなく、視聴者ではないので、やはりここは作り手としてどうすればいいのかを考えないといけないです。 

出身ライターの方々から、シナリオが一転二転するというお話をよくお聴きします。
ストーリーは、新井一は23通りしかないと言っています。ですから、こういうお話でいこうと思ったら、一転二転する意味も必要もないのです。
お話しを聴かせていただくと、しっかりと一貫して創られているドラマは、やはり視聴率もいいみたいです。
このテーマでいこうと思ったら、ブレないことだと思います。
 

私は、ストーリー重視の創り方が、ドラマをつまらなくさせているような気がします。大事なのは、なんといってもキャラクター。
しっかりと脇の脇まで作りこんでいけば、そこに事件・事情・事実をいれるだけで、波紋が生まれて人間ドラマができるというシナリオ作りは、至極簡単な仕組みなのですが(笑)。
なぜか、役者さんに合わせても、本当のドラマのキャラクターは作りこまれていないのです。役者さんに、このキャラクターを演じたいと思わせるほどのものを作ることです。
 

ストーリーばかりを考えようとするので、シーン、シーンが面白くない。
シーンが面白くなければ、誰も見る気持ちにはなりません。
シーンひとつひとつがドラマなので、ストーリーはドラマではない・・・勘違いしないようにしたいものです。

漫画原作者の大石賢一さんは、マンガのシナリオは、ストーリーを作るのではない、キャラクターを作るのだと明言していらっしゃいます。
 

私の7月期一番のお気に入りは、西荻弓枝さん脚本の「民王」。
池井戸さんの原作も面白いのですが、それを越えています。それぞれのキャラが、原作以上にめちゃめちゃ立っているからなのだと私は思います。

ドラマは、まず「シナリオありき」です。

シナリオがどれだけよくできるのかは脚本家の力ですが、そのシナリオをちゃんと読めて、どれだけ魅力を引き出すのかはプロデューサーでありディレクターであり、役者さんであり、関わる全ての方々です。
向かう方向がひとつになればいいものができるのだと思います。 

みたいドラマを!10月期、楽しみにしています。

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