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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

自分の「根っこ」を創りましょう。

シナリオ・センター代表の小林です。土橋章宏さん脚本の「超高速!参勤交代」が日本アカデミー賞優秀脚本賞に次ぎ、ブルーリボン作品賞を受賞しました。おめでとうございます。
何が嬉しいって、デビュー作です。長年頑張ってこられた土橋さんの力が一気に開花したわけで・・・本当に嬉しいです。
29日の「シナリオと小説どれも美味しいよくばり講座」で、今の心境もお話していただこうと思っています。 

 

「シナリオと小説とどれも美味しいよくばり講座」って、すごい講座を企画したのですが、これはなにかというと、あなたの『根っこ』の創り方、簡単にいうと目標の立て方と視点を学んでいただきたいなあと思ったのです。
ミソ帳倶楽部ではないですが、2足のわらじを履くには一つのことに向うよりもより太い『根っこ』が必要なのだと思うのです。
私の○○をシナリオでも小説でも見てもらいたい!この○○。
なかなか世に出られない方をなにげに分析してみると、ご自分の『根っこ』がないように思えます。
「なんでもできます」は『根っこ』ではありません。これは売りにならないのです。
「なんでもできます」は「なんにもできない」と聞こえちゃうんですね、プロデューサーの方々には。
「シナリオ」も「小説」もできますと、どう違うの?と思われるかもしれませんが、違うんですよ。
ゲストのお三方は、「シナリオ」と「小説」を書かれていますが、それぞれまったく違います。
そのお三方の『根っこ』を探ることは、あなたの『根っこ』を見つけることです。
 

ようこそカズ先生

このお仲間の一人、シナリオも小説も手掛けていらっしゃる出身ライターの佐藤万里さんの本が出ました。
「ようこそカズ先生」(TOブックス刊)文庫書下ろしです。
歌って踊る感動のお仕事小説!と銘打っていますが、ミュージカル小説ではありません。()
「地域活性化のためにミュージカルを成功させれば正社員として採用する」といわれた元ミュージカル俳優、といっても大手ミュージカル劇団を役がつかないために辞めた男。
出来過ぎる兄への劣等感と挫折感をもちながら、故郷でもない、全く知らない島根の大田市で、市民ミュージカルの脚本演出制作にかかわりながら、成長していくお話です。

この小説は、地域起しですが、主人公の故郷ではないというのがまずミソです。
知らない土地、島根も鳥取も見分けがつかない主人公が、島根でも松江、出雲ではなく、世界遺産石見銀山の読み方も知らないまま、ほとんど知られていない大田(おおだ)市で、何もできない小学生から何も知らない70過ぎのお年寄りまで幅広い層の市民を使って、世界遺産石見銀山のミュージカルを作っていく・・・。
自分の挫折と出演する人たちとの挫折と向き合いながら、それぞれの力を知って、成長していきます。
佐藤万里さんは、ミュージカル脚本、ミュージカルの作詞も手掛けています。なので、この小説の臨場感は半端ないです。
ラスト、さすがの私がウルウル・・・鬼の目にも涙(?)しちゃいました。

ご自分の大事にしている『根っこ』は大きいな武器になります。
美味しい仕事をするためには、まずは、あなたの『根っこ』を作って下さい。

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