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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

裁判はドラマだ!

シナリオ・センター代表の小林です。3年前の朝、11日の夜をともに明かし、それぞれの家路に向かった生徒さんを見送り、玄関を開けた途端、ハルに飛びつかれ安堵したあの瞬間がよみがえります。
センターの生徒さんも、私も無事に帰れたけれど・・・元の場所に戻れたことのありがたみを常に心にとどめておかねばと思います。
二度と帰れなかった方々への思いを忘れずに。
 

 裁判がドラマだ!

月刊シナリオ教室で連載している「司法の国のアリス~脚本家志望者の霞が関探検記」が、本になりました。
この連載を読んでいた出版社さんが、これは面白いと一冊の本にまとめたいとお申し出くださったのです。
本のタイトルは萩原恵礼著「裁判はドラマだ!~シナリオを書きたいあなたのための笑いと感動の裁判傍聴ガイド」(言視舎刊)
裁判所の傍聴の魅力を語るだけでなく、シナリオライターとして、シナリオ作りに活用するためのノウハウも丁寧に解説しています。

著者の萩原さんも皆さんと同じ脚本家のひよっこさん。
実は、卵からひよっこに孵ったのは、裁判傍聴マニアになったおかげなんです。
萩原さんは、2008年、たまたま翌年5月から施行される「裁判員裁判」を題材にドラマを企画していたディレクターと知り合い、傍聴マニアの腕を買われて「魔女裁判」(CX)アシスタントプロデューサーとしてドラマ作りにかかわりました。
その後人気ドラマ「リーガルハイ」では、「裁判指導」という肩書が付くほどに。そして、ラブストーリーの脚本も書かせていただけるようになりました。
まさに傍聴マニアという萩原さんの「強み」があったからこそ、脚本家の卵が孵化したわけです。
萩原さんの「強み」は「裁判」。あなたの「強み」はなんですか?

 

本書で萩原さんは、「たとえ、フィクションの世界で現実離れしたことを描くとしても、実際はどうなのか、きちんと調べることは絶対に無駄じゃないんだ、と。その後の自分が創作活動を行ううえでいつも肝に銘じています」

今は便利なことに、ネットで簡単に調べることができます。
でも、脚本家としては、ネット検索だけで書いてはいけません。
ちゃんと自分の足で、頭で、見聞きすること、安易な検索だけでリサーチしたなどと口が裂けても言ってはなりませんし、してはいけません。

裁判傍聴は、人間ドラマの宝庫です。上手に使えば、あなたの引き出しがいっぱいになります。
「裁判では、人様のプライバシーがバンバン明かされます。(略)私は始めのうちは後ろめたい気持ちを持っていました。(略)でも、今は違います。私は裁判傍聴で人間ドラマを学び、作品に昇華することが目的(建前上は)。裁判ですごい人間ドラマを目撃した時『すごいな!』と感心するだけではなく、いつか創作の糧にできるはずです。」(本書から)

そして、傍聴するときは、「『人間ドラマを勉強させてもらっている』という謙虚な気持ちで、傍聴に臨むのがいいんじゃないかなと個人的には思っています。」
学ぶということは、謙虚に教えを乞うことですよね。

 この「裁判はドラマだ!」には、裁判傍証のノウハウや活用法もたっぷり書かれていますが、なによりも萩原さんの体験を通して、脚本家を目指している人への指南書でもあります。
一歩前に進むために、お読みください。

過去記事一覧

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