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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

変わらぬに日本人思考

柚木麻子と読む林芙美子(中公文庫刊)

未来を

シナリオ・センター代表の小林です。明日は台風13号が関東甲信越に直撃という予報。
最近は、線状降水帯という厄介な降り方で、局地的にすごい災害が起きることも増え、今まで以上に警戒が必要になっています。
皆様もくれぐれも警戒し安全対策を怠りなくお願いいたします。
シナリオ・センターは、オンラインと対面のハイブリッドですから、通学がご無理でも、オンラインでのご参加も可能です。ご無理なさらない方法で出席してください。
場合によっては、講師もそうさせていただくかもしれませんので、悪しからずご了承くださいませ。

それにしても、昨今の自然災害はとてつもなく大きくなりやすく、素人目で見てもやばい感じ。
そんな日本中の危うさをできるだけ把握して、対策を練るのが日本のお上のお仕事だと思うのですが、機能されない、いやしないのが不思議です。
武器ばかり買わずに、災害対策に税金を使って欲しいです。

つくづく思ってしまうのですが、この国のお上たちは抜本的に物事を考える力を持っていないのではないでしょうか。
フランスに少子化対策のお勉強にいらした方々は、きっと学んでいらしたと思うのですが、日本とフランスの大きな違いは、日本人の思考。
特にお上たちは男女問わず頭が固い、家族制度、社会通念にとらわれすぎています。
日本の少子化対策は、「いかに国民に子どもを産ませるか」を考え、産む女性に焦点を当てて働きかける政策です。
フランスは少子化対策ではなく、家族政策として「いかに国民が安心して子どもを産み、育てられる社会にするか」「子どもが安心安全に育まれる環境は、社会が作る」を考えています。
対象は女性だけではなく、子の父親や父母の働く職場、社会全体に及びます。
この徹底的な違いをフランス研修で学んでいらした議員の皆さん、大きく声をあげてみてください。
防衛費に7兆円も使うなら、そこから1兆円でも2兆円でも回せば、破滅ではなく未来への大きな投資になると思いますが。

柚木麻子と読む林芙美子

出身ライター柚木麻子さんが、NHK「100分de名著」で4回にわたって「放浪記」を題材に林芙美子を鋭い切り口で語っていたのを拝見して、感激。すっかり忘れちゃっている「放浪記」を、今一度読んでみたくなり書店にいきました。
林芙美子生誕120年の今年ですから、「放浪記」だけでなく林芙美子の本がずら―っと並んでいました。
その中で、きらりと光ってみえました。
「柚木麻子と読む林芙美子」(中公文庫刊)

筋金入りの「おフミさん」ファンなのだそうです、柚木さん。林芙美子の短編小説、エッセイ12編を選んでいます。
しかも、編者として林芙美子があまり気にいってなさそうな作品をチョイスしたのだそうです。柚木さんらしい。(笑)
テレビでお聞きした林芙美子論とともに柚木さんの視点、さすがです。
「放浪記」をはじめ日記文学といわれる林芙美子の小説は、貧乏にも男にも負けていないにもかかわらず可哀想な女性、薄幸なイメージで見られています。
ところが柚木さん、『この「ふてぶてしさ」に何度も元気づけられました』と帯に書いていらっしゃるように、林芙美子は、その頃も今も「新しい戦う女性」だったようです。
あの有名な「花の命は短くて 苦しきことのみ多かりき」でも、一般的には「苦しきことのみ多かりき」に焦点が当てられていますが、柚木さんは違います。
林芙美子は、自分を「花」といえる幸せな女性だというのです。なるほど。
柚木さんの「おフミさん」は、他の方の「おフミさん」とはちょっと違った、どこか柚木麻子に似た「おフミさん」のように思えます。

柚木さんの選んだ「柚木麻子と読む林芙美子」12編は、「自分で稼ぎ、自分の足で歩く女たちの魅力溢れる短編集」です。
柚木さんのセレクト、林芙美子は喜んでいるに違いありません。

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