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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

視点

家康さまの薬師(潮文庫刊)

シナリオ・センター代表の小林です。寒いせいか首・肩こりがひどいです。ついつい縮まって、猫背の姿に唖然とします。
ま、歳なんだから当り前かとも思いつつ、90歳のフィットネスインストラクターの方とかきくち体操の菊地先生とかすごい方もいらっしゃるし、歳に甘えてはいけないと自分を鼓舞しながら、乗り切らねばと思っています。
それにしても日本中寒い。
「最強の寒波」という言葉を、今日知りました。東京も雪が降るかもとのことですが、大雪になるところも多くありそうで心配です。
自然の力には抗しがたいことはよくわかるのですが、それでも、もう少し何とかならないのか、今までの経験はどのくらい活かされているのかと思います。

コロナにしても5種にするとか言っていますが、ホント大丈夫なの?と思わずにはいられません。
今迄の、3年もの経験は活かしているの?と聞きたくなっちゃいます。
経済も大切ですが、人の命はもっと大切ですから、きちんと医療体制を作って、安心して治療ができるようにしてからにして欲しいと思います。
高齢者が亡くなる率が高いと聞くと、やはり成田さんがおっしゃった「高齢集団自殺」説もお上は推進している?のかなぁとか思っちゃったりして。
でも、なんちゃら副総裁とかなんとか議長はしていないところみると、それはまだ閣議決定ではないのかと。よかった。(笑)
寒いのは身体だけでなく、心もどんどん寒くなる社会になりつつある昨今、ホントの春が心から待たれる気分です。
明日、天気になーれ!

家康さまの薬師

出身作家の鷹井伶さんの新作が出ました。
「家康さまの薬師」(潮文庫刊)
今、NHK大河ドラマは「どうする家康」を放映しています。ちょうど今放映のところは、この「家康さまの薬師」と同じく家康になる前のところから始まっています。
ちょうど始まりがこの大河と同じような時期だったので、なんとなく比べてしまったのですが、歴史の行間って、ホントに面白い。
なるほど、こう来たかと思うほど、鷹井さんの小説と大河ドラマでは、同じ家康が描かれているのに違うのですね。
視点が違うとこうも描き方が違うのかと、ワクワクしてしまいました。
古沢良太さんの描く家康は、なさけなさが魅力の、それゆえにのしていくのだと感じさせる作りですが、鷹井さんの家康とはちょっと違います。
瑠璃から見た家康は、優しさゆえに心労が絶えない、戦いのない世の中を創りたいと願っている懐の深い男です。
鷹井さんの小説の主人公は、家康に仕えた女性の薬師瑠璃の活躍ぶりですから、瑠璃から見た家康が描かれています。
ですから、おのずと変わってきます。

瑠璃は、幼い頃母と二人で旅しているところ野盗に襲われ、のちの家康の家来服部半蔵に助けられます。
父は薬師だったらしく「紫雪」という薬包を持って、それだけが父親とのつながり、そのため育ててくれた村で薬師の師匠に出会った瑠璃は、薬学にのめり込んでいきます。
そして、半蔵を通じ元信(のちの家康)と出会い、良い師匠、家康の祖母や母などのちからで、薬師として女性として成長していく姿が描かれています。

鷹井さんは、時代小説をたくさんお描きですが、最近はとくに女性を主人公に書いていらっしゃいます。
それがどの女性もまた見事に魅力的なんです。
鷹井さんの「お江戸やすらぎ飯」の主人公佐保は大好きです。
この「家康さまの薬師」の瑠璃もそうですが、女性の腕の見せどころがなんとも気持ちがいいんですね。
江戸時代、女性が活躍できることなんてありえないと思うのに、なるほどと思わせてしまうのは、歴史を上手に使いながらも、ご自分の漢方養生指導士、漢茶マスターの資格を活かして、本物の力を主人公に持たせているからなのだと思います。
時代小説は、歴史上の人物を使う時は、真実と虚実をどうない交ぜにするか、まさに近松の「虚実皮膜論」です。
鷹井さんの腕の見せどころ、読んでください。さすがです。

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