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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

観る・知る

日の丸 寺山修司40年目の挑発

日の丸

シナリオ・センター代表の小林です。今日はあの阪神淡路大震災が起こって28年目にあたります。
もう28年経ったのか、復興をよく果たしたなというのが一般的な気持ちだと思います。
でも、被害を受けた方々は決してそうは思ってはいらっしゃらない、いや、思えない、傷は深く、消えることはないのだと思います。
そのつらさは当事者ではないとわかりえないことですが、わかりえないことを前提に寄り添う気持ちを持って想像するべきではないかと私は思っています。
難しいことですし、それが被災者の方々の何の役に立つのかといわれれば役に立ちはしないのですが、人として大事なことではないでしょうか。
そして、本当は、それが政治家や官僚などの国を司る人こそが持つべき心、やるべき仕事ではないかと私は思うのですが。

「日の丸 寺山修司40年目の挑発」というドキュメンタリーの試写を今日拝見してきました。
この映画は2月に公開されるのですが、TBSが作ったドキュメンタリー史上最大の問題作といわれる、1967年に街頭インタビューのみで構成された「日の丸」を基に、「現在と同じ質問したら」と考えて、若干28歳のテレビディレクターが新たに映画として作ったものです。
「新しい戦前」といわれる今の時代と建国記念日が施行された1967年とを対比させることによって、今の「日本」や「日本人」の姿を浮かび上がらせようとした意欲的な作品です。

1967年に、このドキュメンタリーを手掛けたのは、あの劇作家の寺山修司。「国家」とは何かを追い続けていたのです。
「日の丸の赤は何を意味していますか」「あなたは外国人の友達はいますか」「もし戦争になったらその人と戦えますか」「国家と家族とどちらが大切ですか」等々、本質に迫る挑発的な質問を矢継ぎ早に無機質にインタビューしていくのです。
放送直後から抗議が殺到、閣議でも偏向番組、日の丸への侮辱と問題視されたいわくつきのドキュメンタリー番組。
その質問をそのまま、2022年の街頭で行っています。人々の反応はいかに?

もう少し突っ込んで欲しかったなとは思いましたが、昨今のマスコミ、ジャーナリストの情けなさに怒りを感じているひとりとして、久々に気骨ある製作人、製作陣に出会った気がしました。
マスコミにもちゃんと考えている人たちがいらっしゃるのだと、嬉しくなりました。
とはいえ、ドキュメンタリー、ドラマの方々の方が、ジャーナリストより気骨があるって、情けないことですけどね。

総見

ちょっとまた映画「ひみつのなっちゃん」の話題で恐縮ですが、なんと、なんと昨年、田中がシナリオの出前授業をした横浜国立大附属横浜小学校で、クラス鑑賞に行ってくださるのだそうです。
小学生がドラァグクイーンが主人公の映画をです。すてきなことですね。
こういう学校で私も子どもを学ばせたい、もう孫ですけど(笑)。
そして、今週か来週にズームで感想を聞かせてくださり、子どもたちは、田中に色々質問したいんだそうです。
果たしてどんな質問が来るのか、きっと田中はタジタジとなるに違いない。そんな姿を見るのも、すごい楽しみ。(笑)
おかげさまで入りもよく、評判も上々でほっとしています。
是非とも見てやってください。

また、1月28日、午後4時から5時半。ミソ帳倶楽部で、「ひみつのなっちゃん」制作裏話をしてもらいます。
プロデューサーの近藤良英さんと田中和次朗監督の対談形式で行いますので、こちらもご参加ください。
無名の1サラリーマンの田中が、どうやって脚本、監督として映画を創れたか、そのひ・み・つ(?)に迫ります。
デビューの方法を知りたい方、必見です。

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