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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

シナリオのできること

あの日(2016年ニュースから)

自分ごと

シナリオ・センター代表の小林です。今日は3月11日、東日本大震災が起きた日です。
あれから11年経ったのですね。多くの方が家族友人を失い、家を失い、大事な日常をすべて失いました。
大きく成長したお子さんや復興のために力を尽くされている被災者の方々のお元気な報道を見ているとほっとすると同時に、時を経ても、決して塞がることのない心の傷を負いながらも頑張っていらっしゃる姿に胸が痛みます。
10年過ぎた今、被災者の支援は薄くなっています。
避難先の家賃や補助とか、住めなくなった家、使えない会社の土地の問題とか税金とか、国や自治体の対応も変わって、つらく不愉快な思いをされている方が増えてきているようです。
本当に心休まる日は二度の来ないのだとは思いますが、だからこそ少しでも余計なことに煩わされずに過ごしてほしいです。
国は、人に寄り添ってほしい・・・誰もがいつでも同じ立場になる可能性はあるのですから。

お上の皆さんに、人と寄り添う考え方を教えしましょう。
何をしてほしいか、どうなったらいいのかを考える時は、自分ごととしてとらえるのです。
自分だったら、10万じゃ全く足りなくて100万の給付は必要だな、冷たいおにぎりよりあったかいご飯が食べたいな、体育館の冷たい床の雑魚寝よりホテルのあったかベッドで家族と過ごせる方がいいなとか考えられるのではありませんか。
他人の痛みはわからなくても、自分の痛みは大袈裟に痛がることができるのですから、まず自分ごととして考える。そうすれば、もう少しましな優しい対応ができるのではないかと。
どうぞ、自分の痛みも人の痛みも同じだとわかるお上であって欲しいです。

シナリオ

11年前の今日、シナリオ・センターで、生徒さん、スタッフと一晩明かしました。
夜遅くにシナリオ・センターが開いていることを知って、会社から帰宅困難になられた生徒さんや元生徒さんもおいでになり・・・。
余震に震えながら、心細いけれど、お互いを支え合って一晩過ごせたことは、シナリオ・センターの在り方を考えさせてくれたように思います。

シナリオの技術を通して色々学ぶことができるということ、それはやさしい人間関係を構築する術になること。
だから、いつもそれを実践している場所でありたいと。

キャラクターを考えるとき、人はみな違うこと、違っていいこと。
色々な想い、考えがあり、育ち方生き方があることを知ります。
人は多面性、二面性が魅力であることを知ります。
ドラマの葛藤、対立を考えるとき、ものごとには、正解がないこと。
対立関係は、どちらも正義で、どちらの言い分も一理あることを知ります。
ドラマのセリフを考えるとき、相手は自分とは同じではないので、説明では納得してもらえない、伝わりにくいことを知ります。
ストーリーを考えるとき、人間はいろいろなカセを背負っていることを知ります。
シナリオは、人間関係をきちんと考えさせてくれるのです。

自分事として、他人事して、どう客観的に、俯瞰的に見て、描くことができるか。
人間関係においても社会においても大事なことを考える術になります。
他人の痛みのわかる人こそ、シナリオライターや小説家に向いているように思います。

過去記事一覧

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