menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

かわる

映画「われ弱ければ~矢嶋楫子伝~」

恵方巻

シナリオ・センター代表の小林です。節分です。
シナリオ・センターは、毎年恵方巻をスタッフ全員で食べます。今年は北北西に向かって無言で祈りを込めて食べました。
今回は、海鮮巻、キンパ巻、ヒレカツ巻、と3種を用意してくれました。
韓国に恵方巻があるのかは知りませんが、(笑)ヒレカツ巻は、言わずと知れた表参道のまい泉です。
なんといっても美味しいものは笑顔を作るし、仲良くなれる。
世界中でみんな仲良く恵方巻を食べたらいいのにね。
夕方には、もちろん豆まき。
コロナ退散を願って、人の気配のない寂しい教室にも豆まきを。
鬼は外、福は内!誰もがいい春が迎えられますように。

東京感染者今日の2万人超え。
毎回言いますが、宣言はどうでもいいから、病床の確保、困窮者への支援などきちっと形であらわしてください。
これ以上医療従事者やぎりぎりで働いている非正規労働者を疲弊させないでください。
しっかりと国民をみつめてください。
みんなが笑顔でいられるようにするのが、お上のお仕事です。自分が笑顔でいることではありません。
お上は身を粉にして働いても足りません。それが上に立つ者の気概だし、お仕事なのです。
明日は、立春。暦の上では春です。
どうか、みんなが明るい春になれるよう、心を砕いてください。
お上の心意気をみせてみろよ!!(もってないか・・・トホホ)

われ弱ければ~矢嶋楫子~

ずーっと怒っている方がいます。
御年90歳になられた現役映画監督、山田火砂子監督です。
怒り故に生まれたのが、映画「われ弱ければ 矢嶋楫子伝」
シナリオ・センター坂田講師も監督とともに脚本を担当しています。
2月11日主人公の生まれ故郷熊本から始まります。
2月12日から東京K‘scinema、横浜シネマリン、関西は18日からテアトル梅田、京都シネマと次々全国上映されます。

矢嶋楫子は、明治時代に女子教育を推し進め、禁酒・廃娼・一夫一婦制・婦人参政権に尽力し、女性解放運動の先駆けになった人です。
江戸時代後期から大正時代まで、一途に女性の地位向上を目指した生涯を送った方で、女子高御三家のひとつ女子学院(東京・千代田区)の創立者です。
彼女は、極端な男尊女卑の熊本で生まれ、産声をあげた瞬間から卑下され、家族への乱暴を重ねる夫に、女性から正々堂々と離縁を申し出た初の女性でもあります。
矢嶋楫子が女性の解放運動を推進していた時代は、出身ライターの柚木麻子さんの小説「らんたん」でも描かれていますが、多くの女性たちが頑張って女性の地位向上に力を尽くした時代でした。
多分一番よく知られているのは、平塚らいてふさんでしょうが、矢嶋楫子さんは89歳の高齢でワシントン平和会議に出席して、「世界平和」を訴え、日本よりも海外で知られています。

矢嶋楫子役の女優常盤貴子さんは「映画で楫子が米寿の祝いの席で披露される長いスピーチは、山田監督の心に秘めた怒りが込められています。
明治時代から楫子が主張してきた女性の人権は、令和の今に至ってもまだ十分に認められずにいる。
日本の社会の奥底には、男尊女卑の感覚が根強く残っている。
楫子の主張と監督の怒り、そこに私が加わって、三重の層になればいい。そう思いながら演じました」と。

そうなのです。令和の時代になっても、明治時代の女性たちと変わらない、男社会の中で足掻いている女性たちがどんなに多いことでしょう。
先日亡くなられた石原慎太郎さんは「閉経した女性が生きているのは無駄」なんて平気で言っていたくらいですから。
男社会はいまだに変わりません。
育メン、育パパなんて言葉ができることすらおかしいのです。
子どもは二人のもので、お産と授乳は女性しかできないけれど、それ以外はすべて男性も女性と同じようにできるのですから、なにもわざわざこんな言葉を作る意味はないのです。
黙って夫婦二人で半々で家事育児をやればいいことですから。
やってあげると思う男性が存在する限り、女性解放は終わらないということです。
この映画をご覧になった皆さんは、どのように思われるでしょう。
矢嶋楫子のように、声をあげ続ける山田監督の想いを受け取ってください。

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ