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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

想像・創造

秋空

秋深き

シナリオ・センター代表の小林です。「秋深き隣は何をする人ぞ」芭蕉の句ですけれど、旅の宿で病に臥せっている時、体の自由がきかない寂しさを詠んだ句といわれています。
今だと、マンションやアパ-トで隣の人を知らなくて、何している人なのかなと思って詠んだ句に感じられたり、わけのわからない隣国のことを詠んだようにも思えます。(笑)

今日は、横田めぐみさんが、北朝鮮に拉致されて44年目です。
13歳の娘さんを想い続けて、44年も会えない。生きていることを信じながら、どうしているのかも見えない、わからない、その苦しみ、寂しさは想像もできません。
「13年しか育ててあげられなかった」とおっしゃるお母様の無念が心に沁みます。
お隣の国なのに、なんということなのかと思います。
政治的には様々な思惑があるのでしょうけれど、拉致された一人ではなく、横田めぐみちゃんという、横田早紀江さんという人の人生を想えば、決してなおざりにしてはいけないことです。
拉致家族の方々の想い、苦しみは計り知れないのです。
毎回毎回口先だけで「助ける」というお上は、拉致家族の方々の傷口に毎回毎回塩をこすり続けていることに気付いてほしいです。むなしい言葉がどんなに人を傷つけるのかを。実現しない限り、ゼッタイ癒せはしないのですから。
まずは、ただやみくもに隣国を憎むのではなく、理解しようと努めることがとっかかりになるのではないかと思うのですが・・・。
「彼一語我一語秋深みかも」高濱虚子

秋の夜長

シナリオの一番の面白さは、アクション・リアクションを考えられる、作ることができるということでしょうか。
すべての登場人物の動きもセリフもすべてを司る、神のような視点がシナリオライターの視点です。
俯瞰で見るということです。
「神の目」をもっているんですよ、シナリオライターは。やったぁ!!(笑)

それには、登場人物すべての人のキャラクターを作り、把握して、AとBだったら何を話す、どう行動する、そこにCが入ったら・・・とかしていくとストーリーが動いていくのです。
どうしても物語づくりというと、ストーリーありきに思われるのですが、根本のストーリーは3行ストーリーでいいのです。ジェームス三木さんや内館牧子さんは一言で言えなくちゃダメとおっしゃるほどです。
で、内館さんは「シナリオ・センターではキャラクターをきっちり書きなさいといつも言われていた。
キャラクターが明確に決まるとこれは嘘みたいに動きます。
例えば寅さんです。あれだけのキャラクターが決まっていると、寅さんの行動やせりふが自然に出てくるものだと思います。
寅さん自身が動き出すんです。
私は、1時間でも、2時間ドラマでも、作詞するときでも、キャラクターを作ることに一番時間をかけます。」といつも講義でお話ししてくださいます。
実際にドラマを動かしていくのは、登場人物のキャラクターなのですね。
それぞれの登場人物の背景・事情がしっかりできていることが大事なのです。
主人公と誰かのぶつかり合いが、葛藤・対立・相克を生み出し、ストーリーは面白くなっていくのです。
キャラクターならではのセリフ、行動、リアクションがシーンを面白くします。
という意味では、虚子の「彼一語我一語秋深みかも」にいっちゃうと面白くならないかもですね、わかり合えない方がドラマは活性化する、魅力的になるのですから。

秋の夜長、「秋深し、望みはコンクール入選」の気持ちでコンクールに勝負をかけてみてはいかがでしょう。へたくそな句はお許しあれ。(笑)

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