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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

過去・現在・未来

森田芳光全映画(リトルモア刊)

未來

シナリオ・センター代表の小林です。昨日の地震はびっくりしました。東日本大震災以来の震度5強という揺れに、ついに「首都直下型地震」が来たのかと思いました。
皆さんは大丈夫でしたか。無事にお帰りになられたのでしょうか。お家でものが落ちたり、壊れたりはしませんでしたか。お怪我はしませんでしたか。
表参道は冠水したというニュースもありました。
私は、鍼治療から自宅へ帰ったばかりで、もし鍼治療中だったら、裸の身体に鍼を突き刺したまま、オロオロバタバタしたんだろうなぁ(笑)と思うとぞっとしました。
お怪我なさった方もいらっしゃるようで、まだまだ油断はできないそうですので、くれぐれも皆さん気をつけて下さい。
とはいえ、台風も大変ですが、前もって備えるとか避難するとかまだできますが、地震だけはその時ですから、油断するなと言われても難しいですよね。
コロナもそうですが、地震も台風もあらゆることに気を張っていなくてはならない嫌な時代です。

ノーベル物理学賞をアメリカのプリンストン大学上級研究員の真鍋淑郎さんが受賞されて、日本は大喜びです。
でも、真鍋さんは日本人でいらっしゃるけれど、アメリカ国籍。
日本で研究しにくいからアメリカで研究され、たぶんだからこそ受賞される研究がおできになられたのだと思います。
真鍋さんは「米国での暮らしは素晴らしいと感じます。おそらく、私のような研究者は好きなことがなんでもできる。
使いたいコンピューター、欲しいものはすべて得られました。
私は調和の中で暮らすことはできないものですから、それが私が日本に帰らない理由です」
日本の研究環境について
「最近の日本の研究は、以前に比べて好奇心を持って研究することが少なくなっているように思います。
日本では、科学者が政策を決める人に助言する方法、つまり、両者の間のチャンネルが互いに通じ合っていないと思います。
米国はもっとうまくいっていると思う」
真鍋さんのお話しを聴いて、日本人として恥ずかしいと思いました。
学術会議の件といい、京大の山中教授に言うこと聞かないと研究費やらないぞと脅した官僚といい、ろくでもないのが日本のお上。
大学の研究予算を削り、即戦力の育成ばかりに力を入れたり、何を考えているのでしょう。
だから、コロナのワクチンや治療薬にしても日本は後れをとっているのです。
研究というのは、すぐに結果が出るものではなく長い時間、無駄なことと思われることを繰り返していくものなのに、目先の利益ばかり追うことを求める。
「研究者は好きなことができる」環境を作らないと、アメリカや中国に研究者は出て行かれてしまう。研究者としては当たり前のことです。
自分たちには好き勝手に税金を使うくせに、大事な未来には使わない。
本当に情けない国です。アメリカ国籍の真鍋さんを讃えるだけでなく、恥ずかしいと思ってほしいです。

森田芳光監督

森田芳光監督生誕70年、没後10年なのだそうです。
記念して9月から「森田芳光 70祭(ななじゅっさい)」と題して縁の映画館で森田作品を上映しています。
10月は新文芸坐であの「家族ゲーム」「ときめきに死す」「黒い家」「間宮兄弟」。
飯田橋ギンレイホールでは11/3「キッチン」「(ハル)」「僕達急行 A列車で行こう」を上映、篠原哲夫監督と三沢和子さんのトークショーも予定されています。
その後広島、大阪へも。

まるで森田辞典のような「森田芳光全映画」(LittleMore刊)。
こちらも出版されました。
メチャ分厚い。4センチはある。(笑)もちろん厚いだけでなく中身が濃いです。
宇多丸(ライムスター)×三沢和子による全作解説トークショウ、監督、脚本家、俳優など超豪華参加者による寄稿+インタビュー、天国から届く森田語録、スチール100枚超と盛りだくさんの内容で、読み応え半端ないです。
出身ライター柏田道夫脚本の「武士の家計簿」はもちろん入っていますが、森田監督の商業デビューを飾った自主製作の「の・ようなもの」から松田優作の「家族ゲーム」など数々の名作27作が網羅されています。
森田ファン必読。

で、それに合わせて「生誕70周年記念 森田芳光全監督作品コンプリート(の・ようなもの)Blu-ray BOX」12月20日発売、現在予約受付中です。
メイキングも森田芳光本人とモリタを語る証言(仮)などもあり、また森田芳光秘蔵資料集ブックレットも封入されるとか。

もう亡くなってから10年も経つのかと改めて思います。
でも、映画はいいですね。ちゃんと形として遺っていく。森田監督の足跡は決して消えることがない。
私たちが目指しているシナリオというのは、その場で消えるものではなく、遺っていくものです。
生半可な気持ちで書けないですね。
しっかり映像の技術を習得して、形としてだけでなく、観た人の心の残るものを創っていきましょう。

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