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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

感性を育てる

戦争の記憶と記録を語り継ぐ映画祭2021

里山

シナリオ・センター代表の小林です。今日も雨。警戒レベル地域が増えています。
それぞれの地域で気をつけないといけませんが、コロナ禍では避難もままならないのが不安ですね。

NHKエンタープライズ小野泰洋プロデューサーから、「子供を育む里山のチカラ」というドキュメンタリーを拝見しながらお話をお聞きする機会を得ました。
自然に接した子供たちがいかに体力、知力、精神力をつけるか、学校に里山を作って、教育に活かしてきた横浜の下永谷小学校のお話しで、とても興味深く拝聴しました。
私は、この季節だったせいか、子供たちへの影響もさることながら、自然との向き合い方の中で「棚田が地滑りを防ぐ」ということ、野焼きなどもすべて土地を活かし、暮らしを守るための知恵だったということを知り、今起きている災害は、人間が開発といういかにも未来にいいような形で、自ら起こしたことのツケなのだと、原発も含め改めて感じました。先人たちの知恵というものをちゃんとわかっていなくてはいけないのですね。

子どもたちにとって、何故自然体験がいいのか、身体で感じることがどれだけ学びによいのかというお話しには説得力がありました。
お米を育てるのですが、先輩から種もみを引き継いで、まずそこから始まり、稲が伸びるまで田んぼづくりをします。
子供たち各自の稲の生長が違って、うまくできた友達に聞いたりしながら育てていきます。
田んぼづくりの泥の中にいる虫やミジンコ、多種のトンボのヤゴ、蛍、蛙とともに成長し続ける子どもたち、田んぼに入るのも汚い、気持ち悪いと嫌がっていた子どもたちがどんどん変わっていきます。
自然界と感覚で寄り添えるようになります。
小野プロデューサーは、里山経験の子供たちは、おしなべて優しい、思いやりのある子に育っているといいます。
ともに、自然の営みを知るからのようです。
頭でっかちという言葉がありますが、まさに言葉に尽くすのではなく、感覚でとらえることが大切なのでしょうね。
子どもたちに、「ああしろ!こうしろ!」というのではなく、自分の思うままにシナリオを書かせる「キッズシナリオ 考える部屋」も同じだなと思いました。

戦争の記憶と記録を語り継ぐ映画祭2021

東京、今日のコロナ感染者660名、増え続けているのに、オリンピックはコロナとは別物のようです。
オリンピック関係者は観客と別枠だし、選手はコロナ陽性も濃厚接触者もスルーだし、その上、交通規制に、郵便遅配も仕方ないそうで、オリンピックって何様?といいたくなるほどです。
これって、本当にかの戦争に進んだ日本軍、日本政府の様相になってきました。
私たちがオリンピックではなく、もう一度戦争というものをしっかりと見直さないと、この国は滅びてしまう気がします。

8月5日から8日、東京・千代田区の内幸町ホールで、「戦争の記憶と記録を語り継ぐ映画祭2021」が行われます。
初日5日は、映画「ひろしま」「ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに」「第五福竜丸」を上映、「原爆の子」出版70年記念として作家の長田新さんの息子横浜市立大学名誉教授の永田五郎さんの講演、第五福竜丸元乗組員大石又七さんを偲んで学芸員市田真理さんの追悼講演があります。
8月6日、映画「ひめゆりの塔」「TOMORROW明日」上映、「ひめゆりの塔」主演の香川京子さんのゲスト講演、「テレビ朝日テレメンタリー 史実を刻む 語り継ぐ戦争と性暴力」上映後はテレビ朝日の松原文枝ディレクターと高校生とのトークセッション
8月7日、映画「海辺の映画館~キネマの玉手箱」朗読劇「ヒロシマ」(特別出演常盤貴子さん、恋塚俊介さん)、追悼大林宣彦監督のトークショウ
8月8日、出身監督の五藤監督の脚本、監督作品「おかあさんの被爆ピアノ」の上映と主演の武藤十夢さんのトーク、映画「杉原千畝を繋いだ命の物語」上映と「命のビザ発給81年杉原千畝を語る」と題して杉原千畝さんの下で働いた日ロ文化センター共同代表の川村秀さんの講演
4日間めいっぱいの内容です。ご覧になりたいものをチョイスして、是非ご覧ください。
詳細・申し込みは、「昭和文化アーカイブス」で検索して下さい。イープラスでも予約できます。

都合の良いように過去を葬るのではなく、きちんと記憶し、記録に残さねばなりません。
過去もデータも気にせずに、思い通りにしたいだけで、なんの根拠も説明もなく「安心・安全」を唱えていることは、戦争を広げたあの道と同じです。
感染者が、亡くなる人が多数でても、戦死者、餓死者の屍を数字としてしかとらえずに踏みつけていったあの人たちと。
どんな時でも様々な角度で真実を見極める目を育てていくことは、人としても創作者としても大事なことだと思います。
私たちは、常に「社会を見る目」「物事を見る目」「人を見る目」を育てていきましょう。

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