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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

最後の橋田評授賞式 橋田先生と(2019年)

空翔る

シナリオ・センター代表の小林です。今日の東京は雨模様です。ちょっと花冷え。
今日の東京感染者249人、大阪は東京を上回っているようですが、政府分科会の尾身会長は、東京も大阪のような状況になるとおっしゃっており、どうなるのでしょうか。
先週土曜日は、2月シナリオ8週間講座の修了だったので、久々に土曜日に出社しました。
まあ、表参道の人出の多いこと。やはり平日とはずいぶん違って、確かに大丈夫なのかなぁと思いました。
こんな状態で、またまたGOTOトラベルと言い出す困った方は、「おそれとったら、なにもできん」って、本当に怖いもの知らずというか、神経が太いというのか、私には理解の範疇を越えてしまいます。
NHKニュースで、聖火ランナーが走っている時にオリンピック反対の声をあげた人の声を消したとかいう話もあり、この国はもはや民主国家ではないのか・・・。
もう、お上の皆様のやることなすこと、「リカ~リバース~」(CX)より、変異株より、よっぽど怖いです。
怖いことばかりの世の中ですが、少しでも気持ちの良く精神状態を保つことができるのは、やっぱり創作の世界でしょ。
想像の、創造の世界で思いっきり自由に世界を駆け巡りたいです。

出身ライターの葉月けめこさんが、5月のお芝居のチラシと台本を持っておいでくださいました。
5月29・30日、北九州芸術劇場で行われ青春座のお芝居「空翔ける虎~河内一彦、日本初の訪欧大飛行へ~」を描かれました。
大正14年、日本初の訪欧大飛行をした大阪朝日新聞社のパイロットのお話しです。
劇団青春座さんは、昨年創立75周年を迎えた老舗劇団ですが、例年年2回公演をしていらしたのですが、昨年は残念ながら公演はできませんでした。
コロナ禍ではどうにもならないことですが、今回238回目の公演はどうしても行いたいと頑張っていらっしゃいます。
葉月さんもお稽古にも今は立ち会えない状況ですが、なんとかすべてを乗り越えて、5月上演したいですね。
ただただ、公演の成功をお祈りするばかりです。それしかできないのがもどかしい。
早く収束して、私も空を翔けて福岡へ、北九州芸術劇場へお伺いしたいです。。

現役のまま

橋田壽賀子さんが亡くなられました。享年95歳。現役の脚本家。
橋田先生は、2020年に脚本家としては初の文化勲章を受賞され、「大衆に受け入れられてこそ価値のある作品」をモットーに、「渡る世間は鬼ばかり」をはじめ、たくさんの作品を描かれました。
NHK朝ドラ「おしん」は当時62,9%の視聴率をとり、世界中に配信され、日本だけでなく世界中の人々に愛され、今も尚語り草の作品となりました。
私は、テレビドラマを描き始めた頃の作品、このドラマがもとで脚本家として名をはせたそうですが、東芝日曜劇場「愛と死を見つめて」(TBS)が忘れられません。
こんなに泣かせるドラマがあるのかと。

橋田先生の作品は、それぞれのキャラクターをしっかりと描きわけ、大河ドラマ「春日局」や「おんな太閤記」のような歴史ものでも、基本はすべてホームドラマだったように思います。
たぶん、大衆に受け入られるということは、どんな歴史上の人物も有名な人も身近に視聴者が思うものでなければ(共感すること)と考えていらしいたのではないかと勝手に思っています。
キャラクターの魅力が憧れ性と共通性にあるように、ドラマそのものの魅力もこの二つに集約されているのだと思います。

先日、橋田賞の発表があったばかりで、今年こそは5月10日の橋田先生のお誕生日の橋田賞授賞式に、新人賞受賞の藤田知多佳さん、山脇さやかさんとご一緒にお伺いできるといいなぁと願っていた矢先の訃報。本当にびっくりしました。
昨年はコロナのために、橋田賞授賞式は中止になり、ドラマ部門脚本賞の山本むつみさん、新人脚本賞の小泉理恵子さんとお伺いできず、残念がっていたのですが、一昨年は、まだまだお書きになるとおっしゃっていらしたお元気なお姿を拝顔していたので、そのイメージが凄く、まさかとの思いが強くピンときません。
橋田先生は、新人脚本賞が女性だと必ず強くエールを送ってくださいました。
ご自分が女性脚本家として苦労された分、これから育つ若い女性たちを心配してくださったのでしょう。
内館牧子さんもデビュー前に、橋田先生のお宅で資料整理などのお手伝いをされて、その間、シナリオの妙技をさまざま教えていただいたとおっしゃっていました。
次代の脚本家づくりへ力を尽くしてくださっていたのですね。

「日本人の心や人の触れ合いを取り上げ、放送文化に大きく貢献した番組や人物」を毎年表彰してき橋田賞、また新たな才能の発掘にも取り組んできた新人脚本賞が、続くのか終るのかははわかりませんが、橋田先生の遺志を継いで「日本人の心や人の触れ合い」を描いた作品を大事に描いていきたい、育てていきたいと思います。
長い間、お疲れさまでした。
ご冥福をお祈りいたします。合掌。

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