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シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

映画の醍醐味

幸せの黄色いハンカチの舞台夕張(LocationJapanから抜粋)

新井一の願い

シナリオ・センター代表の小林です。猛暑になるのでしょうか。
8月の声を聴いた途端、長い梅雨が明け、セミの声もにぎやかになってきました。
シナリオ・センターは、静かです。いるのはスタッフだけで、そのスタッフも半分以下で交代しながら出社していますから、ホントに静か。
センターや教室にしみいる蝉の声・・なんちゃって気分です。(笑)

感染数も東京309人、沖縄はなんと83人にもなっちゃいました。
全国で増えてきているのですが、GOTOキャンペーンは留まることをしらない・・・このまま日本はコロナ列島に化すのでしょうか。
こんなことは想像もしたくないけれど、もしももしもなったら・・・責任を痛感したって始まりません。
ああ、なんだか開戦前の日本の気分です。
新井一が、シナリオ・センターを創設したのは、あの時「戦争反対」の声を上がられなかったこと、鬼畜米英からあっという間にギブ・ミー・チョコレートになった日本人を、自分自身も含めて憂いたからです。
反対でも賛成でもいい、人はみな違うのだから、正解はないのだから、どのように考えてもいい。
だけれど、自分の頭で考え、自分の心で想い、自分で表現してほしい。
そのために俯瞰で物を見ることできるシナリオを日本中の人に描いてもらいたかったのです。

日本中の皆さん、シナリオを描きましょう。
ドラマの面白さは対立・葛藤・相克から生まれます。
シナリオでAとBとの対立を書く時はどうしますか。
AもBも同じように正義であり、正当でなければ対立は盛り上がりませんね。
絶対にAが正しいなら葛藤も生まれないし、対立も尻つぼみ。
だから、Aが正しいことを描くのであったら、Bのことも良くわかっていないと描けないのです。
どちらの意見も考え方も知る、俯瞰でものを見るということです。
シナリオを描いて、俯瞰で物を見る、考える癖をつけてほしい、そして、自分の表現をしてほしい・・・新井一の悲願です。

夏休みを創る

楽しい夏休みを創作しましょう。

「Location Japan」というロケ地のための月刊誌があります。創刊100号なのだそうです。
特集は「ザ・日本のロケ地」。今月号は、ランキング上位の3か所を紹介しています。
広島県尾道市、あの小津監督の大名作「東京物語」、大林監督の「時をかける少女」などの舞台です。
北海道夕張市は、言わずとしれた高倉健さんの「幸福の黄色いハンカチ」
香川県庵島町「世界の中心で、愛をさけぶ」の舞台です。
そんな写真を拝見していると、あの名作の場面が思い浮かびます。
映画を思い出したときに、まず何が目に浮かぶって、そう場面、シーンです。
だから、シナリオ・センターでは口を酸っぱくして言っています。
ストーリーを描くのではなくシーンの積み重ねがストーリーになるのだと。
「幸福の黄色いハンカチ」で、黄色のハンカチが旗のように翻っているシーンが目に浮かんだ瞬間、そこに健さんの想いがどーんと流れ込んできます。
ひたすら待っていた倍賞千恵子さんの愛の深さとともに。
山田洋次監督は、人に語らせない。黄色いハンカチで見事に語るのです。
これがドラマなのですね。43年経っても色あせない名作というのはそういう風に作られているのです。

そんなことを思いながら、好きな映画をもう一度見直して、そのロケ地をネットで訪ねてみるというのも、夏休みの楽しい過ごし方になりませんか。
感染拡大を防ぐには、自分も感染しているかもしれないと考え、他人に感染させないように行動することが大事だと思います。
「私が感染しないことと同じくらいに私が感染させないことが大事」
シナリオ・センターは、ずーっとこのスタンスを崩さずにいきます。
私はどこにも行きません。

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