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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

キラキラ

枕草子平安女子のキラキラノート(角川つばさ文庫刊)

世に出る

シナリオ・センター代表の小林です。昨日はシナリオS1グランプリの締め切り日でした。夜8時半締め切り。ギリギリ駆けつけて提出された方も多く、ご苦労様でした。
あ、今日届いた方もいらっしゃるのですね・・・残念!
提出された順番から、応募要項を順守しているかをチェックしていきます。驚いたことに、案外できていない方が多いのです。
一番悲しいのは、枚数。足りない、多いともに一番困ります。こんなことで一次を落とされてしまうのはあまりにも惜しいですからね。
提出される前に、もう一度応募要項をよく読んで、チェックしてから応募するようにしましょう。小さなことが命取りになります。
それにしても今回は2時間ものの応募が例年より多く、びっくり。2時間ものを書くのは、腕力、胆力がいるのですが、映画志向の方が増えていらっしゃるのでしょうか。
さあ、これからは審査員の勝負になります。しっかりと読ませていただきますね。

新井一の映画を横浜シネマリンで観てきました。
私が見た「落語野郎 大泥棒」は、ニュープリントだったので、とってもきれいでした。
14:00の上映なのですが、横浜シネマリンさんが驚くほどの集客で、ロビーに柏原寛司さんにいただいた「落語野郎」のポスターをお貸しして展示していただいたのですが、みなさんが面白そうに見てくださっていて、とても嬉しかったです。
内容は、当時の売れっ子落語家と漫才師たちオールスター出演で、落語噺のオンパレードに漫才師の流行語にもなったギャグ満載という感じの徹底した娯楽大作でした。(笑)
落語はシナリオの勉強としてとても有効です。キャラクターはもちろんのこと、構成、発想を学べます。
コメディを目指される方は、必須ですね。泣きのツボは一緒だけれど、笑いのツボはみんな違うといわれます。
落語は、そんなみんなが違う笑いのツボをしっかり押さえて、ドタバタではない笑いの本質をついているものが多いです。
楽しみながら、笑いながら学べる最適なテキストでもあります。

枕草子 平安女子のキラキラノート

多くのアニメやドラマ、児童書を手掛けている出身ライターの福田裕子さんが、古典に挑戦です。
「枕草子 平安女子のキラキラノート」(角川つばさ文庫刊)
なんとなんとあの「枕草子」をキラキラ女子向けのライトノベルにされたのです。「枕草子」はご存じ清少納言が書いたあれです、あれ。
「恋バナ、おしゃれ、イケメン、千年前も今も女子が考えていることって同じかも」って帯に書かれていて、国文科卒の私としては、「え~っ!」と一瞬思ったのですが、読んでいて「確かに!」と納得。
清少納言と紫式部はライバルのように言われています。本当に接点があったかは疑問らしいですけれど、お互いにちょっと触れているらしいです。
私は、「源氏物語」はあまり好きではありません。時代として仕方がないけれど、男目線なのですもの。いくら権力持ちの金持ちのイケメンだからって、次から次へとの女性遍歴、女泣かせって、今だったら、不倫報道で袋叩きにされちゃいますよ。(笑) 
その点、清少納言は女性らしいところもありますが、ちょっと斜めのニヒルに宮中を見回す視点。そういうところが好きです。
この視点をうまく使った福田さんの視点、さすがです。
女子の気持ちって昔も今も、かわいいものやきれいなものが大好きだし、もちろん男子の話は欠かせない。ちょっと意地悪くって、ちょっとわがままで、愛らしい。
読んでいけばいくほど、「なるほど、なるほど」と思いました。
こういう形で「春はあけぼの~」がわかると、古典もとっつきやすくなるし、楽しくなると思います。
古典をここまで楽しく読ませるのは、なかなか難しいのですが、合間に入るうさぎ草子という解説の使い方、どの段のお話をいれたかという構成が優れていて、福田さんの筆力を感じます。この本に触発されて、本物に興味を抱く女子が続出しそうです。
高橋源一郎さんが訳された「方丈記」を思い出しました。

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