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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

脚本家・監督になりたい かた要チェック/
函館港イルミナシオン映画祭第23回シナリオ大賞で準グランプリ受賞
村口知巳さん

脚本コンクールで賞をとりたいかたは、受賞作の内容だけでなく、受賞者のコメントもチェック!
どんな人が賞をとるのか。どんな風に書いているのか。そういったところも注目して、次回応募する際の参考にしてください。

今回ご紹介するのは、函館の街から映画およびその人材の発掘・発信を目的とした「函館港イルミナシオン映画祭第23回シナリオ大賞」において、『さやかに、声は、きらめきて』という作品で準グランプリを受賞された元研修科 村口知巳さん。

村口さんは、2013年(第17回)と2017年(第21回)にも同映画祭のシナリオ大賞で審査員奨励賞を受賞されていますので、今回で3度目の受賞となります。
【※審査員奨励賞受賞作品名:『マリーパソコン相談所』(第17回)/『雪のした』(第21回)】

今回の受賞作『さやかに、声は、きらめきて』のあらすじはこちら

ある日、市内の不特定多数の人間に、死んだ人間から電話が掛かってくる奇妙な現象が起きる。ラジオパーソナリティの矢崎真一は、それを自身の番組で取り上げるも、死者が蘇る事はあり得ないと真っ向から否定する。そんな中、矢崎の元にも三年前に死んだ妻から電話が掛かってくる。何かカラクリがある筈だと、妻の妹のカスミと事件を調べだす矢崎は、20年前、国が実施した住民の声をサンプリングし、AIに活用する、あるIT事業の存在を知る――。

受賞作のシナリオは、村口さんのロングインタビューとともに『月刊シナリオ教室2020年4月号』(3月末発行予定)に掲載予定ですので、どうぞお楽しみに。それに先駆けて、こちらのブログ用にいただいたコメントをご紹介。

「AIのあり方を描くことは人間の死生観を語ることにも繋がるのではないか」

――これまで2度審査員奨励賞を受賞されていますが、その時と今回、何か“違い”はありましたか?

〇村口さん:一番の違いは、今回は審査員奨励賞ではなく準グランプリだったので、素直に前回よりも評価をいただいたことに対しての喜びはありました。と、同時にグランプリを獲れなかった悔しさもあり、甘酸っぱい気持ちになりました(笑)。

――受賞作『さやかに、声は、きらめきて』について。こちらの作品をなぜ書こうと思ったのですか?

〇村口さん:前回の『雪のした』よりも、もう少しエンターテインメント性の強いものを作ろうとは漠然と考えていました。

その中で今流行りのテーマとも言える、AIものを選んだのですが、人間の個性が過去の記憶の集合で形成されるとしたら、AIも過去のデータの蓄積の中で進化していくものなので、AIのあり方を描くという事は人間の死生観を語ることにも繋がるのではないかというアイデアが湧き、この物語を作ろうと考えました。

はじまりは、死者からの電話が掛かってくるという、観る人に興味を持ってもらえそうなエピソードからはじまり、最終的には、人間の存在ってなんだろうというような疑問をもってもらえればと思って書いていきました。

――この作品に限らずシナリオをご執筆される際、いつも意識していることはありますか?

〇村口さん:リズムですね。どんなに素晴らしいテーマを持っていても、リズムの悪いシナリオは、やはり観る人を退屈させてしまうと思いますので、シナリオの持つリズム、それは、構成の仕方だったり、セリフのテンポだったり、様々なものがありますが、自分が読んでいて心地よいと思える感覚を体で感じながら、何度も何度もしつこいくらい修正を繰り返して、一番、自分が心地よいリズムが見つかるまで書くことをいつも心がけています。

――シナリオ・センターで学んだことでいま役に立っていることがありましたら教えてください。

〇村口さん:基礎的なものは、シナリオ・センターで学んだものがいまでも役に立っています。それは、自転車に乗れる感覚に似ていて、まずは何も意識せず自転車に乗れることを教えていただいたのがシナリオ・センターで、自転車に乗り、世界を見回しながら、自分の描きたいものを見つける事が、自分でしかやれないと事だと思っています。

――シナリオ・センターには、コンクールでの受賞を目指している生徒さんが沢山いらっしゃいます。その方々に向けてメッセージをお願いいたします。

〇村口さん:とにかく、いろんな事に耳を澄ますことでしょうか。たくさんのシナリオを読んだり映画を観たりするのは、他の方もしていると思いますので、シナリオ以外の世界、音楽やアート、スポーツ、料理など、世の中にはいろんな感動を与えてもらえる一流のものが存在しているので、それらを経験することが、実は他のライバルとの差をつける一番の方法なのかなと個人的には思っています。

*     *     *     *     *
※なお、村口さんはこの函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞の他にも受賞歴があります。
2017年に、伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞短編の部において『あるいは、とても小さな戦争の音』という作品でグランプリを受賞。同作を初監督し、ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2019のジャパン部門にノミネート。
現在もシナリオコンペへの応募を継続しながら、映画監督としての作品も制作されている村口さん。
村口さんのように「脚本コンクールで賞をとりたい!」「脚本家・映画監督になりたい!」というかたは、こちらの記事も併せてご覧ください↓
※「伊参スタジオ 映画祭シナリオ大賞 と函館港イルミナシオン映画祭で受賞して/村口知巳さん」の記事はこちらから。
 
※「どんなコンクールがあるんだろう?」というかたはこちらの記事「主なシナリオ公募コンクール・脚本賞一覧」をご覧ください。

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