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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

視点と発想

大森邦彦さんの図録から フィレンツェのオリーブ畑

一方通行

シナリオ・センター代表の小林です。2月シナリオ8週間講座の開講です。コロナウイルス、インフルエンザ、寒気をついてたくさんの方がおいでくださいました。ありがとうございます!
満員の皆さんの前でお話をすると私はワクワクします。一人でも多くの方にシナリオ描きてもらいたい、そうしたら絶対世の中はよくなるぞ!!と思っているからです。
皆さん、ウイルスに負けずに、シナリオで伝える技術を身につけてくださいね。8回休まずに頑張りましょう!

昨日は、北方領土の日だったので、ロシア大使館のある麻布付近は右翼の街宣車で交通渋滞になっていました。
8月15日の終戦記念日は、第二次世界大戦の終戦という意味ではこの名称でもよいかと思いますが、日本は敗戦したことを忘れていけないと思います。
無謀な戦争が多くの人々を殺し、傷つけたこと、時を経ても傷はいえないことを。特に日本を動かしているお上は忘れてはいけません。反省のないところから進歩は生まれないですから。
前に潜水艦に乗らせてただきました。横須賀の米軍基地に入るときに、パスポートを提示させられ、ここはカリフォルニア州だといわれ、衝撃でした。日本にはたくさんの米国領があるのです。日本の潜水艦は、横須賀市カリフォルニア州に(?)間借りしているのだそうです。
そういうことを知ると、昔日本に昔統治されていた韓国、中国、台湾などなどの人々の気持ちも想像できるのではないでしょうか。
こういうことを書くとご批判をいただくこともあるかと思いますが、人はみんな違うので、色々な考えや想いを持っているのですから、すべての物事を一方向でみるのではなく、そういう見方もあるのかと思っていただければと思います。すべての物事に正解はないのですから。
例えば、歴史は、勝ち組から見たものがほとんどですが、負け組から見たらどうなのか、第三者から見たらどうなのか、常に同じ方向ではなく、さまざまな視点から見つめていくことが創作者としても、人としても大事なことです。
自分の視点を(作家の目)を持つことは創作の肝ですが、「人はみな違う」ということを常に申し上げているのは、このことを常に頭の片隅に置いておくことで視点が広がるからです。
シナリオ・センターは、どの講座も宿題が出て、シナリオを添削させていただくのですが、決して作者の想いや考えを否定することはありません。
人はみな違うのですから、その考えや想いをどのように表現すればより多くの人に伝わるかという方法(技術)をわかりやすくお教えするだけです。
否定からはなにも生まれません。「あれもこれもあり」であることが、創作の肝だと思っています。

右脳的切り口

発想というのは、どこから生まれてくるのでしょうか。
新井一は、よく右脳を使えと言っていました。
左脳は論理、右脳は感覚を司るといわれています。
人間の脳の動きというのは左脳でまず考えるらしいです。
ストーリーを順を追って考え、例えばどんな理由で別れさせようかと考えます。
新井は、「ストーリーを先に考えてはだめ、ストーリー展開は左脳です。そうするとどうしても理屈っぽくなるのです。
シーンを決めるコツというのは、雰囲気を考えることなんです。雰囲気は右脳的発想。具象的に持っていこうとするのが右脳の考え方なんです。」と言っています。

先日、友人のご兄弟の絵画の図録を拝見しました。アマの画家さんなのですが、毎年2,3度フィレンツェに行って風景画をお描きになっていらして、イタリアで立派な図録を作られたのです。
ご自分の作品はお手元に置いておきたい方で、個展を開いても売りませんし、欲しいと乞われても断られるという方でご自分の作品に深いこだわりを持たれていらっしゃいます。
彼の創作の仕方が、ちょっと変わっているそうです。
普通は、絵が完成したらそれに合わせて額縁をつけられると思うのですが、彼は額縁に合わせて絵を描くという方法を作り出しました。
通常の額縁ではなく鏡の縁だったり、彼がいいなあと持ったものを額縁にして、額縁の形、色、質感をみて、そこから描くものを発想するというのです。
ここにお見せしているのは鏡の縁に合わせて、フィレンツェの高台に上ってオリーブ畑の風景を描いたものです。
何を言いたいかというと、発想って、どこを切り取るかだと思うのです。色々な切り口を探すべきだと思うのです。
額縁にあう絵を描く彼の場合、ただフィレンツェの高台に座って絵を描くのとは全く違った感覚で風景を受け止めている気がします。
切り口が違うことで描く絵は変わってくる、創作の姿勢はすべて同じではないかと思います。
同じものを見ても、どこからみるか、どうみるかは、それぞれ人によって違います。
正面からいつも見ている人は、たまに下からとか横からとか見てみたらいかがでしょう。
それぞれの切り口で、魅力的な作品を作り出していきましょう。

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