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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

小説を書きたいけど書けない ときは――/脚本家・小説家 大山淳子さん

「小説を書きたい。だけどなかなか書けない…」「何ヶ月も書いてない…」というかた、自分が書きやすい方法を探す時期なのかもしれません。

ではどうしたらいいのか。そのヒントが今回ご紹介するシナリオ・センター出身脚本家・小説家 大山淳子さんのコメントにあります。小説家志望者で現在お悩み中のかたは特に必読です。

大山さんは、『三日月夜話』で城戸賞を、『通夜女(つやめ)』で函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞グランプリを、小説『猫弁〜死体の身代金〜』でTBS・講談社ドラマ原作大賞を受賞。そのほかラジオコンクールでふたつの賞を受賞。

ラジオドラマ『雨やどり』(ラジオ日本) 『届けてレッドマン』(NHK FMシアター)他や、テレビドラマ『カゲロウの羽』(NHK)『猫弁〜死体の身代金〜』『猫弁と透明人間』(TBS) などの脚本を手掛けるだけでなく、小説家としても大活躍中。

主な小説としては、『猫弁』シリーズ 『分解日記』シリーズ 『雪猫』『イーヨくんの結婚生活』(講談社)、『あずかりやさん』シリーズ 『赤い靴』(ポプラ社)、『原之内菊子の憂鬱なインタビュー』(小学館)、『牛姫の嫁入り』(角川書店)、『通夜女』(徳間書店)、『猫は抱くもの』(キノブックス)等々。

その中の『あずかりやさん』が、昨年2019年にシナリオ・センター出身の新井まさみさん(通信作家集団)脚色によってラジオドラマ化され、NHK FMの青春アドベンチャーで放送されました。それを記念して、『月刊シナリオ教室』(2020年3月号/2月末発行) では大山さんと新井さんの“原作者と脚本家 対談”の模様を掲載。

この取材でご来社いただいた際に、ブログ用にもコメントをいただきました。

こちらのブログでは、大山さんに小説家としてのアレコレをお聞きしましたので、ご紹介いたします。

「もし、“書きたいけど、なかなか書けない。何ヶ月も書いてない”というかたがいたら――」

――2013年に出版され、人気シリーズとなった『あずかりやさん』シリーズ。昨年2019年、新井まさみさん(通信作家集団)脚色でラジオドラマとして放送されました。お聴きになって、いかがでしたか?

〇大山さん:脚色担当の新井まさみさんが原作を深く読み解き、思い切った構成にチャレンジしてくださったので、ひじょうに味わい深いドラマになりました。

作品を人の手に委ねる時、不安はつきものですが、今回は準備稿がすばらしかったので、期待しかありませんでした。

自分の手でドラマ化をという夢を持ち続けてきましたが、お任せすることにより、斬新な試みや技術を学ぶこともできるのだと気付きました。

――『あずかりやさん』だけでなく、『猫弁』もシリーズ化されています。1度で終わらず、読者が「続きを読みたい!」と思う作品を沢山生み出されている大山さん。ご執筆の際、作品に関わらずいつも心掛けていることはありますか?

〇大山さん:今までにない、あたらしい物語を作りたいと、常に思っています。誰かの作品に似たものではなく、自分の過去作にもとらわれず、「こんなの読んだことない!」と思ってもらえるような、驚きと発見のある作品を作りたいです。

――大山さんが2008年に、函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞でグランプリを受賞された作品が小説『通夜女』となって、昨年2019年に徳間書店より出版されました。改めまして『通夜女』について、作品に込めた想いや「ここはぜひ注目してほしい」というところがございましたら教えてください。

〇大山さん:わたしの作品にはよくヒーローが登場します。こうありたいという理想を投影する作品が多いのですが、『通夜女』では「普通」を意識しました。

主人公は「趣味は通夜通い」という突飛さはあるものの、極悪人ではなく、ヒーローでもなく、弱さをもったごく普通の人間です。現代社会では普通の人々がSNSで暴言を吐いたりします。

たとえ正論でも、無記名で人を叩くのは正義とは言えません。自覚のない不謹慎が社会に蔓延しています。生きにくさからそうなってしまう人間の弱さに寄り添う気持ちで書きました。

エンタメ作品ですので、まずは楽しく読んでいただきたいのですが、主人公の不謹慎さは、世情を反映させています。

――シナリオ・センターには小説家志望の生徒さんが沢山いらっしゃいます。中には、何度も小説コンクールに挑戦されているかたも少なくありません。そんな“後輩”に向けて、何か一言メッセージやアドバイスをお願いいたします。

〇大山さん:もし、「書きたいけど、なかなか書けない。何ヶ月も書いてない」というかたがいたら、作家にむいてないのではなくて、やりかたが合ってないのではないかと思います。

「キャラクターを固めてから書く」とか「構成を考えてから」「ラストを決めてから」などなど、よりよい作品を書くためのノウハウは世に溢れていて、それを参考にするのはよいのですが、その方法で書けなかったら、自分が書きやすい方法を探してみたらいかがでしょう。「なんとなく書き始める」のでもいいし、「書きたいシーンだけ書いてみる」でもいいし、「人物表を作るのが好き」な人は、そればっかりやってみるとか。

楽しくないと、続きません。続かないと、その先に進めません。肩の力を抜いて、書くことを楽しむ。それが夢に近づく最良の道だと思います。

※今回ご来社いただいた新井まさみさんの記事「映像脚本だけでなく ラジオドラマ も書きたいというかた必読/脚本家 新井まさみさん」も併せてご覧ください。

※前回、大山さんにご来社いただいた際の記事「見捨てず、愛して、書き直して、育てる/小説家・脚本家としての信条」も併せてご覧ください。

※シナリオ・センター出身の脚本家・小説家・映画監督の方々のコメントを掲載『脚本家・小説家コメント記事一覧/脚本や小説を書くとは』はこちらからご覧ください。 

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