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シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

伝える難しさ

長崎平和公園

23回忌

シナリオ・センター代表の小林です。新井一の23回忌もどしゃぶりの雨の中無事済ませ、墓前では、過去を踏まえながら、新しい確実な一歩を踏み出せるようにお願いをしてきました。
新井のすべてを賭けてきたシナリオ教育が、多くの人々へ届くように、すべての日本人にシナリオを描いてもらえるようにと。
他人を想う心=想像力をすべての人に持ってもらえるように、その方法を伝えていくことが私たちの仕事だと思っています。
ドラマを作ることでメッセージを送る、シナリオを描いてもらうことで人の気持ちを想像する・・・シナリオでできることを広めていきたいと思っています。

ローマ教皇

この連休は、まったく無宗教の私ですが、なぜかずーっとローマ教皇ニュースを追っていました。
広島、長崎と地球上で唯一の被爆国でありながら、今だに被爆者、そのご家族の方々が苦しみの渦中にいるにもかかわらず、あまりにも情けない日本の核廃絶への対応に、ローマ教皇頼みではありませんが、少しでも日本の政治家へ「核廃絶」を説いていただけないかと期待しているからです。
もちろんローマ教皇は神ではありませんけれど、でも、でも、何をやっても平気、何を言っても国民の声をまともに聞かない人たちが、ちょっとでも悔い改めてくれないかと。(笑)

驚いたことに、ローマ教皇の平和メッセージは、思いのほか厳しく、地球上のすべての人に強く迫っていました。
「核兵器は世界や国家の安全を脅かすことから、私たちを守ってくれるものではない」と政治指導者に向け、核廃絶を訴え、「最新鋭で強力な武器を作りながら、なぜ平和について話せるのだろうか。差別と憎悪の演説で自らを正当化しながら、どうして平和を語れるのであろうか。」と。
戦争のために原子力を使用することを「人類とその尊厳に反し、我々の未来のあらゆる可能性にも反する犯罪だ」とまでおっしゃっています。
教皇は三つの行動を呼びかけます。
「これからの世代に『二度と繰り返しません』といい続けるために記憶すること。
自分だけの利益を後回しにして、平和に向かってともに歩むこと。
そして、原爆と核実験、紛争の犠牲者の名のもとに『戦争や兵器はもういらない』と叫び平和を守ること。」
今日も、東日本大震災の被災者、福島原発の被災者の方々を前に「原発はいらない」とお話をされていました。
宗教を超えて、「平和」のメッセージは、人として当たり前のことおっしゃっているだけです。
この言葉が誰かさんの心にしっかりと届くといいなあ・・・と心から思います。

言葉は単に発していればいいものではありません。
伝えたい相手に、どうしたらきちんと伝わるかです。
「そんなつもりで言ったのではなかった」「そんな風に思われるなんて」ということは日常の中でいくらでも起こり得ます。多分、どなたも経験があることだと思います。
「伝える」ということは本当に難しい。私も「伝える技術」を学んだはずなのですが、すべての人に伝わることはありません。誤解されることも多々あります。
それは「人はみな違う」のですから、当たり前のことなのですが、だからこそ、ちゃんと伝えようとしないといけないのです。
「どうせわかってくれない」と思ったところで、止まってしまいます。
みーんな違う人たちがお互いを分かり合おうとするためにも、伝えたいという気持ちとともに、シナリオの技術を使って、少しでも多くの人に伝えていきたいものです。

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