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シナリオライター超入門講座3「不都合な第三者~物語をボリュームアップする脇役の魅力~

11月…2019年も大詰めとなってまいりましたが、
創作の秋を楽しんでいらっしゃいますか?
どうも、シナリオ・センターの冨金原です。
さて、今回は夏に新宿区立下落合図書館で開催した「シナリオライター超入門講座」第三弾の活動報告です。

イベント当日、いつも通りシナリオセンター(表参道)から
下落合図書館のある高田馬場へ向かう新井とわたくし、冨金原。

車掌のアナウンスの声「早稲田、早稲田です」
冨金原「新井さん、着きましたよ」
新井「あ、はいはい」
電車を降りる二人。
新井「……金ちゃん。最寄り駅、高田馬場じゃなかったっけ?」
冨金原「……はい」

今回のイベント第三弾は題して!

「不都合な第三者~物語をボリュームアップする脇役の魅力~」

です。
主人公を困らせる脇役に着目した当講座。
それに合わせて、わたくしも率先して不都合な存在に、というわけです。
……はい、失礼しました。単純なミスです。以後気を付けます…。
ああ、変な汗が止まらない。そんな中、始まったイベントは果たしてどうなる!?

不都合な第三者がドラマを面白くしてる?

2回目のイベントは「2枚目(イケメン)の描き方」。(←以前の記事はコチラから)
そして、今回の3回目のイベントは「不都合な第三者」。
そう、ダジャレです。
下落合図書館の中西さんの命名、ダジャレを織り交ぜた企画も定番化しつつあります。
いつもありがとうございます。

…さて、今回もまずはサクッとシナリオの書き方を紹介して本題に入ります。

新井「そもそも面白いドラマってなんでしょう?」
例えば、好きな人に告白したら即OK。
デートも順調でプロポーズも成功。
友達や両家族への紹介も好印象で、結婚式も大成功。
このようなドラマ面白いでしょうか?」

参加者「……」

そう、面白くないですよね。
理由はズバリ、「主人公が困っていないから」です。
(コントなど実験的で特殊な創作だとアリかもしれませんが…。)

上記の例で、主人公を困らせてみたらどうでしょうか。
親友と同じ人を好きになったり、結婚を家族に反対されたり、
主人公にとって不都合な人を登場させるだけで、少しは先が気になりませんか。

テレビドラマや映画のほとんどが主人公にとって不都合な人物が出てきています。
改めて注意してみると、さまざまな方法で彼彼女らが主人公を困らせていることがわかります。
その障害をどうやって乗り越えるのか? そこが気になって、「続きが見たくなる」わけです。
視聴者は主人公の目的を邪魔して、困っている姿をみて「頑張って!」 「自分だったら…」なんて
感情移入するんですね。
だから「主人公を困らせれば、困らせるほど面白くなる」んです。

日常生活においては、できるだけ避けたい不都合な第三者も
ドラマにおいては面白くする大事な存在になります。

シナリオの技術で日常生活も面白くなる?

不都合な第三者が主人公の動機・目的の障害となることにより、
主人公はなにかしら動き出さざるを得なくなります。
脇役の主人公を困らせる「アクション」から、主人公の「リアクション」を引き出しているわけです。
この登場人物たちの「アクション」と「リアクション」の繰り返しによって、ドラマは構成されています。

例えば、ドラえもん。
主人公はのび太とドラえもん、脇役はジャイアン、スネ夫、しずかちゃんです。
同じアクションをぶつけても、「のび太だったらこうするな」「ジャイアンはこうだろう」なんて、
キャラクターによってリアクションが違いますが、みんな魅力的で面白いですよね。

主役、脇役が魅力的になれば、きっと面白いドラマになりますよ。

新井「つまり、下落合図書館のイベントを成功させたい新井に対し、
一駅前の早稲田駅で降ろさせる金ちゃんは不都合な第三者。
このアクションに対し、『大丈夫だよ。トラブルに備えて、早めに出てよかったね』と言う
私のリアクションで、
新井の寛大なキャラクターを引き出しているわけです」

参加者「(笑)」

冨金原「……」


さておき、今回お伝えしたドラマを面白くする技術。
日常生活の様々シーンで応用が効くのではないでしょうか。
わざわざ言うのもなんですが、世の中自分にとって都合のいい人、出来事ばかりではありません。
学校や会社でも、人間関係など “もやもや” したり、“イライラ” することもあるかと思います。
そんなとき、「どんなところが不都合なんだろう?」 と相手の背景、事情を考えてみましょう。
俯瞰してみると、案外「あの人も色々大変だな。じゃあ、僕はこうやって接しよう」 なんて、
アクションもポジティブなものに変わってくるかもしれません。

自分の人生の主役は自分です。
そして脇役が魅力的じゃないと面白くならないのは、ドラマも人生も同じはず。
「脇役を魅力的に描く」 シナリオの技術が日常生活をちょっぴり魅力的になるヒントになるかもしれませんよ。

ご参加いただいた方からのご感想

今回のご参加された方々のご感想いただきました。※一部抜粋しております。

・くだけた感じで気軽に聞きながら勉強にもなった
・大変役に立つお話だった
・シナリオの話を聞いたのは初めてだったので(良かった)
・これからドラマをみる視点が変わりそう
・講師の説明がわかりやすかった
・初めてでストーリーを考えるだけで楽しかった
・どう書けば面白いのかよく分かった
・先生のお話が面白かった

今回もご参加いただいた皆様、また企画いただいた沼田館長、中西さんをはじめスタッフの皆様ありとうございました。わたくしも今回の「間違えて駅を降りる」失態から、どう「リアクション」 「アクション」していくか。
不都合な第三者も大事ですが、やっぱりそのキャラクターから脱却したいな、と心の底から感じた冨金原でした。

さて、第四弾はどんなダジャレ、…いや、イベントになるのでしょう。
お楽しみにしてください。それではまたお会いいたしましょう!

 

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