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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

春は桜~

記憶にございません(プログラムから抜粋)

四季 

シナリオ・センター代表の小林です。今日はちょっと寒いです。秋を感じさせないままに、ひとっ飛びに冬に行こうとしているようです。
日本の四季のうち、秋の紅葉は一番見応えがあります。なのに、まだ色づいていないうちに冬?さみし~い。
里の秋を満喫したいと思っていった五箇山ですら、3割ぐらいの紅葉でしたから。神宮外苑のイチョウ並木は、まだまだですね。
四季といえば、春は桜。ここにきて大ニュースになっているのが「桜を見る会」
桜をめでること自体は何の問題もありませんが、国会議員が自分の後援会の人々を招いてはまずいです。
自分のお金で招けば公職選挙法違反だし、税金で招けば公金横領じゃないのでしょうか。どっちにしても、まずい。会社の接待だって、今は厳しいですよ。
是非とも、閣僚の皆さんにお願いしたいことがあります。
嘘八百の言い逃れはもういいので、計上した予算は、台風などの災害で年越しもままならない方たちにまわしてはいかがでしょう。内閣の決議で簡単に決められるのでしょ?このくらい。
「来年度の桜の会は、災害で困っている方が日本中にいらっしゃるので中止し、この計上された予算を災害に合った方に使っていただくことにしました」と宣言されるとまたまた支持率が上がりますよ。
住むところもなく困っている方が日本中にいらっしゃるのに、少なくとも日本のトップたちが浮かれて花見でもないと思うし、ご招待客の皆様もきっと喜んで納得されるでしょうから。

記憶にございません

「○○といえばゲーム」ではありませんが、総理大臣といえば・・・三谷幸喜さんの映画「記憶にございません」はよくできていました。
三谷さんは名作として残る映画にしたいと思って作られていらして、時事ネタいれたり現代の政治風刺をしたりしてはいません。
プログラムでも「これは政界ものではないと説明しました。時事ネタを入れたり、現代の政治を風刺するようなコメディにする気は最初からなかった。
時事ネタを入れると今だけのものになってしまう。映画はずっと残るものなので、いつの時代の人が見ても面白いと思うものではないと意味がないと思ったんです。」とおっしゃっていました。
この政治家の普遍ほど怖いものはないですね。むしろそこが喜劇というか悲劇というか・・・。(笑)
描かれていた政治家たちは、みんなみんな本当にいそうな人たちというか、今の政治家にあてはめられちゃう。
史上最悪と言われる総理大臣が石を投げられ、記憶喪失になって・・・っというよくある、あるある設定ですが、そこは三谷さん。なによりも会話劇が素晴らしく、変化のさせ方がうまい。
昨日見た「マチネの終わりに」が無言で心のうちを出す描き方としたら、こちらは正反対で、べらべらしゃべり倒す、見せまくるという描き方。
石を投げられて、ちょっといい人に変化しっちゃた総理大臣が、小学生の時の担任社会科の柳先生にお願いして、小学校の社会から勉強し直すシーンがあります。
内閣となんぞや、権力を集中させないために三権分立があり、立法(国会)・司法(裁判所)・行政(内閣)と分れているという話や、憲法は、国の政治のあり方をしめし、国家権力を厳しく制限し、国民だけが変えられる国の「最高法規」で、憲法の3原則は「平和主義」「基本的人権の尊重」「国民主権」なのだと柳先生が教えてくれます。
柳先生がこの要請を受けるときに、これだけは守ってくれないとやらないという条件がひとつ、「授業中に窓の外を見ない」
この一言で、中井貴一さん扮する総理大臣のキャラクターがはっきりとでてきます。子供の頃から人の話を聞かないやつだった、授業を聞いていないから、根本的に何も知らない大人になったのだと。
キャラを活かすってこういうことだなということを、総理大臣だけでなくさまざまな登場人物で見せてくれます。
キャラクターがうまくできないという方は、本当にお勉強になります。めちゃ面白い。必見です。笑ってみてはいけません。(笑)
ロングランのようですが、そろそろ終わってしまうかもなので、ご覧になっていない方は急ぎましょう。
閑話休題、「マチネの終わりに」で大人の恋愛をみせてくれた石田ゆりこさんがこちらでは、夫婦仲の冷えた好き勝手にやっている総理大臣夫人として活躍。どちらもツボにはまっていてうまいなと思いました。

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