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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

人間って

青春スケッチブック(里山社刊)

認識の相違

シナリオ・センター代表の小林です。今日も12月とは思えない暖かさの東京です。
朝から予算委員会をみていました。
ニュースで松野官房長官が、政治資金パーティー裏金問題の説明を「差し控える」と宣ったのが1週間で40回と言っていたので、すごいなぁ(笑)と思っていたら、今日も「差し控えて」いらっしゃいました。陽気のせいではないですよねぇ。
岸田首相は「認識」って言葉が好きなようです。
「認識していない」「認識している」って繰り返していましたが、認識の意味はわかっているのかぁと。
それにしても、失礼な人ですよね。お相手のアメリカの元下院議長は同席者も名刺交換も覚えているといっているのに、覚えていないというのは。
記録もないとか言われると、この人達は仕事をしていないのか仕事の仕方を知らないのか、どっちにしてもまともな仕事をしていないに違いないと思ってしまいます。
デジタル化、デジタル化と叫んでいるのですから、きっちりデータ保存しておきましょう。

総理大臣392万円を筆頭に、国会議員は冬のボーナスをもらうのですね、平気でこんな倒産寸前の赤字会社日本から。赤字会社の経営者はもらいません、いやもらえませんけど。
でね、与党も野党も増額した19万円は公益団体に寄付するんですって。
これからずーっとですよ?まさか当面なんてありえないですよね?
この偽善的な姿を見ていると虫唾が走ります。

人間を描く

朝日新聞に掲載している「三谷幸喜のありふれた生活」の中で、三谷さんが伊丹十三さんの言葉を書いていました。
三谷さんがずーっと心の掛け軸に飾っているとのことなので、是非とも皆さんにもお伝えしたいと思いました。
「人間を描くということを間違えて捉えている日本の脚本家が多すぎる。それは決して日常生活の何気ない一瞬を描くことではない。
極端に言えば生死の分かれ目くらいにドラマチックな非日常的瞬間があって初めて、人間はその人間らしさをさらけ出す。
脚本家が描くべきはそこなのだ。」

先日お亡くなりになった山田太一さんの「早春スケッチブック」のシナリオ集の前書きに山田太一さんがお書きになっていた一文。
監督になれなかった山田さんが「自分の内心の一番の本音は『自分には何もない』というコンプレックスなのだから、それを根拠にして生きるほかないと思いました。
その方がありもしない優越を装うより少なくとも私にとっては、情けないけど、正直に近いと。」そういう思いを保ちなりながら、描かれたのが「早春スケッチブック」なのだそうです。
「病気はなおしゃあいいのか?長生きはすりゃあするほどいいのか?そうはいかねぇ。
くだらない自分を軽蔑することもできず、魂に1ワットの光もねえ、そんな奴が長生きしたって、なんになる?」

このセリフに凝縮しているように、
岡田惠和さんは「テレビに、視聴者に『お前らそれでいいのか』と投げかけるドラマ。
でも、単なる偉いドラマでも問題作でもなくエンターテイメントとしても完成されているところが山田さんのすごいところ。連ドラであることが重要なのだと思うのです」

山田太一さんだけでなく、ご自分が好きな脚本家、小説家の作品読んでみる、読み直してみませんか。
「人間を描く」ということはどういうことか、自分は何を描きたいのか、見えてくると思います。

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