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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

何でも見てやろう聞いてやろう、雑学もアイデアに通じる

日本文様(ビジュアルだいわ文庫)

シナリオは・・・

シナリオ・センター代表の小林です。7月だというのにやけに涼しい東京です。
朝、出身ライターの嶋田うれ葉さんが、NHKプレミアムドラマの「べビーシッター・ギン」のポスターをもってきてくださいました。
嬉しくって、お忙しいのを承知しながらついついおしゃべりをしてしまいました。
嶋田さんは、この後も10月期の連ドラ、続いて映画とお仕事は目白押し。2歳のお嬢さんのお母さんとして育児もちゃんとされながら、びっくりするほどの落ち着いた佇まいに、いつも感心してしまいます。
私なら、忙しい!忙しい!と騒ぎまくってしまうのに。
お話の中で、最近はコンプライアンスが厳しく、言ってはいけない言葉などが増えていたり、子どもを叩くのはお話でもダメになったりとかで、ト書もセリフにも神経をつかわなくてはいけなくなっているとお聞きしました。
時代なのでしょうか。ここまでと思うようなことも多々あります。
日本語というのは奥が深くて、同じような意味合いの言葉がたくさんあるのですが、ニュアンスが微妙に違ったりします。
確かに絶対に言ってはいけない言葉とかはあるとは思うのですが、あまりに神経質になると、表現に規制ばかりかかり文学的なものなどは成り立たなくなりそうです。
言葉は文化ですから、微妙なニュアンスも大切に考えていかなくてはいけないですね。 

作家集団担当の平岩講師から、昨日この日記に書かせていただいた映画「デン助~」の映画を観ていらしたとのことで、
「いやぁ、初めて見ましたが驚きました。まさに「シナリオの基礎技術」を見ているようで。随所に新井式シナリオのテクニックが盛り込まれており、「あ!、主人公は暖簾をパッとかき分けて出てくる、だ!」とか「あ!、シャレードだ!」「お、セリフは嘘つきだ!」などと、映画を見ながらにして、ノートを広げてシナリオの勉強をしているようでした。
共に1時間ほどの映画でしたが、脚本に隙がなく、全てがきちっとはめ込まれておりエンドの5秒前まで、手を抜くことなく作り込まれている大傑作でした。(今見ると大宮デン助の演技が過剰で、鼻につくところもありますが)
13日までの上映ですが、ぜひセンターの生徒さんには、この機会を逃さず是非見ていただきたいと思います。」
というメールをいただきました。
本当にわかりやすいシナリオですので、お勧めです。

文様からドラマのネタが

出身ライターの藤依里子さんが「日本の文様」(ビジュアルたいわ文庫刊行)謄本を出されました。>>https://amzn.to/2JNIA6Q
藤さんは、シナリオ、小説を書かれる傍ら文様研究家でもあり「開運和のお守り文様365日」(PHP研究所)「恋する和文様」(きこ書房)「開運!日本の伝統文様」(日本実業出版社)など数多くご本を出されています。
「文様」っていうのは、簡単に言うとデザインのパターンなので、日本だけでなく世界中にあります。
でも、日本の伝統文様はデザインだけではなく、そこに色々な意味合いを持っています。言葉と同じように文様も様々なことを語っているのです。
文様の始まりは原始時代だそうです。文様らしいものが描かれ始めたのは縄文時代からだそうで、そういえば土器などに幾何学的な文様が遺されています。
こうした文様の歴史から、その文様の意味や家紋との違いなどを説明しているので、文様写真の美しさに惹かれながら、様々な文様の意味合いを知ることができます。
文様は小道具として使うとドラマに深みをつけられそうです。
意味合いだけでなく、キャラクターの構築やミステリーのカギとかに幅広く使えます。
最近は着物ブームになって、浅草や京都などでは、着物を着て観光できるように、着物を着せてくれるところが大繁盛しており、若い男女が着物を着て歩いている姿をたくさん見かけます。
これから花火の季節は浴衣を着られる方も増えてくるでしょう。
そんなときにも、着物の文様の意味を知っていると選び方も着方も変わってくるように思います。
着物の絵柄には願いが込められているのです。
例えば、桐文は太閤文とも呼ばれ、秀吉が好んだところからついたとか。本来桐は南に植えるところから「南」の語呂合わせで「難を切る」に通じ、災難厄除けに。さらに成長の早い桐は女の子が生まれたら桐を植え、その木で嫁入りに道具に桐の箪笥を持たせる風習があったところから子育て・良縁の願いが託されているそうです。
着物ひとつ選ぶにもこうしたことを知っていると、模様も選びやすいですし、着る意味にも関わってくることでしょう。
シナリオや小説を書く上にも、知っておきたい教養です。

私は、創立50周年記念パーティには、秋ということもありますが、桔梗文の着物を着ようと思っています。
桔梗文は字の形から更に吉に通じるといわれていると母から聞いていましたので。
ご本を読ませていただいたところ、桔梗文は、それと同時に花の形が五芒星に似ているところから陰陽師の安倍晴明に関係するといわれ、京都の晴明神社の神文は「晴明桔梗文」が使われて、災難厄除け、魔よけにも役立つのだとのこと。お客様にも災難厄除けになればいいなあとより楽しみが増しました。
知識を得ると面白いことがいっぱいあるので、藤さんが文様の研究家になられた気持ちがわかるような気がしました。
「日本の文様」、お役立てください。

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