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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

先人の遺産

野口久光ポスター

時の流れ

シナリオ・センター代表の小林です。出身ライターであり、ラジオドラマの講師でもあった森治美さんの今日は命日。3周忌にあたります。
ご本人の希望で、御葬式も偲ぶ会もやらずにひっそりと消えていった彼女。
友人として彼女の著作権を預かり、その著作物を見ながら改めて森治美の大きさを感じています。特に戯曲、ラジオドラマでは大きな功績を残しました。
出会いは、彼女がシナリオ作家養成講座の受講生の時でした。同期には、現在日本シナリオ作家協会理事長、脚本家の加藤正人さんもいらっしゃいました。
もの書きなのに、なぜかそろばんができる、計算が早い彼女は当時開催したイベント「シナリオフェア」の会計を手伝ってくれました。金勘定に疎い私をサポートしてくれて、その時からながーい付き合いが始まりました。40年近くになるでしょうか。
シナリオ・センターに電話してくるときは「背の高―い森です」ととてつもなく大きな声で。ちびデブの私とモデルでもあったスマートな背の高―い森治美と凸凹コンビでよくおしゃべりしたものです。

森治美との最後の別れを思い出しながら、月日の流れの速さに戸惑っています。
来年は、シナリオ・センターは創立50周年、半世紀になります。
その間、創立者の新井一だけでなく、シナリオ・センターのために尽力してくださったたくさんの方々が鬼籍に入られました。
50年という年月は、大きな変化をもたらします。
過去、歴史も大事ですが、もの作りはその基本を大切にしながらも、前へ前へと進まなくてはならないものだと思います。
私たちは、先人が拓いてくれた道を、さらに先へと耕していかねばと思いました。

名作から学ぶ

先人の歩みは、これから新たな道を拓こうとする者にとっては大事なものです。
「映画とジャズを愛した男 野口久光シネマ・グラフィックス」29日から331日まで横須賀美術館で開催されます。
野口久光さんは、ヨーロッパ映画の日本版ポスターを1,000枚以上手掛けられ、タイトル文字に作品世界を合わせて描く「描き文字」はグラフィックデザイン界に、映画界に大きな影響を与えてきました。
そのポスターをみるだけで、映画の世界が彷彿する素晴らしいものなのです。
野口久光が手掛けたポスターの名画シネマ上映会が、2/13「未完成交響楽」(1933/ドイツ・オーストラリア88分)3/17「アンナ・カレニーナ」(1948年イギリス114分)、横須賀市立中央図書館で。
3/10大林宣彦監督が「禁じられた遊び」「第三の男」など往年の名画について、貴重な予告編映像とともに語るドキュメンタリー「思い出は映画とともに」(2014年日本48分)が横須賀美術館ワークショップ室で上映されます。
まったく昔の映画をご覧になったことのない方もタイトルはご存じだろうものばかりです。
そこから昔の名画と親しむことで、ご自分の作品の糧になることでしょう。まずは、きっかけづくりに。
また、野口久光さんはジャズ評論家としても活躍していました。横須賀美術館で、2/19はジャズ界の重鎮渡辺貞夫と菅原正二のスペシャル対談、3/30にはシーサイドジャズコンサートも行われます。 

「脚本で観る日本映画史~名作からカルトまで」日本シナリオ作家協会が毎月映画上映とゲストトークを行っています。
2/16
「ズーム・イン暴行団地」(脚本桂千穂)3/16「雪の断章 情熱」(脚本田中洋陽造)4/20「女体」(脚本・監督恩地日出夫)5/11「明治侠客伝 三代目襲名」(脚本村尾昭・鈴木則文)
アテネ・フランセ文化センター。問い合わせは03-3584-1901 

シナリオ・センターでも、3/1「ミソ帳倶楽部」で林海象監督が「日本映画史」のお話をしてくださいます。乞うご期待!
名作は、新しい創作者たちを刺激してやみません。よいものは時代を超えて感動を与えます。
鋭い感覚と驚くべき映像の技術、シナリオの卓越した表現を学びましょう。

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