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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

プレゼン能力

ここから始まる“新しい”テレビドラマ~企画提案カンファレンス 最優秀賞門前日和さん

さかさまに読む

シナリオ・センター代表の小林です。土曜日は、今年最後の基礎講座「シナリオ8週間講座」の開講でした。
前の晩、雨がすごかったので、土曜日も雨かと思っていたのですが、朝、汚れをすっかり大掃除したようなきれいな青空が見えたときはホッとしました。 お蔭様で、受講生の皆様も気持ちよくおいでいただけたようで、たくさんの方においでいただくことができました。
今年最後の講座、楽しく学ばれて、2019年につなげていただけたらと思います。
ホッとと言えば、ジャーナリストの安田純平さんが頑張られて生き延びられ、やっと解放されたという久しぶりにいいニュースを聞くことができて、とても嬉しかったです。
私たちが知りえない情勢を伝えてくれるジャーナリズムの大切さを改めて感じています。
ものごとは表面的なものしかみえにくいものです。
特に最近のように、知りたいことは知らされず、都合のいいことだけ伝える大本営発表のようなニュースばかりを信じてしまうのでは、本物がどこにあるのかみえてきません。
創作者であれば特に、人としてもすべてを鵜呑みにしないで、広くみて、自分で考えていかなくてはいけないことだと思います。
新井は、新聞をさかさまに読め、アベコベを考えよとよく言っていました。
疑うことが創作の始まりでもあるのです。

企画プレゼン

先日、日本映画テレビプロデューサ―協会主催「国際ドラマフェスティバルシンポジウム ここから始まる“新しい”テレビドラマ~企画提案カンファレンス」を拝見してきました。
この企画提案カンファレンスは、各局のコンクールに入選されたライターの卵たち14名が、連続ドラマの企画を提案するというものです。
3分間のプレゼンテーションをして、NHK・日本テレビ・テレビ朝日・TBS・テレビ東京・フジテレビ・WOWOWの各局プロデューサーが審査し、それを私達は視聴者として1票、審査員は1人5票の枠で投票します。
審査員には予め企画書を渡されているようですが、私たちは3分間のプレゼンと審査員が行う質問に応える内容を聴いて、どの企画がいいかを選びます。
そして、一番になると賞金20万円を獲得。もちろん、プロデューサーの方々からチャンスをいただくというわけです。

各局主催のコンクール入選者の方々ですが、入選したテレビ局だけでなく他局のプロデューサーの方とも出会えるチャンスになるので、とても素敵な試みだなと思いました。
前半・後半と分かれて14名の方がプレゼンされました。
その14人中7名がシナリオ・センター出身・在籍の方で、これもまたびっくり。嬉しいと同時にドキドキしながら拝見しました。
そして、投票の結果ダントツ票で、シナリオ・センター研修科をこの6月に修了されたばかりの門前日和さんの「服の帰る場所」が選ばれました。
おめでとうございます。
この企画が本当に動くのかは定かではありませんが、是非とも実現していただき、連ドラを拝見したいです。門前さん頑張れ!!

この企画提案を拝見しながら、
①きちんと自分が何をしたくてこの企画を立て、どう面白いのかをきちんと伝わるプレゼン能力
②細部まで練りきっている企画であること
が大事だと思いました。
ちゃんと伝わらなければというのはもちろんのこと、表に出していない部分でも、プロデューサーから質問されたら、リアクションをしっかりと返せる体制を頭の中に整理しておかなければ、企画そのものの良さが台無しになってしまいます。
もうひとつ、ただ設定の面白さだけで勝負している企画が大部分だということが気になりました。連ドラを引っ張っていくキャラクターのイメージも、本当に連ドラになるのかも伝わってきませんでした。
「こんなお話面白くないですか?」だけではなく、誰に見てもらいたいのか、何を描きたいのか、登場人物のキャラクターはどういう人なのか、作者はイメージしておかなければと思います。

プレゼンをお聞きしながら、もっとそこを押せばいいのにとか、そこは明確にいわなくちゃと心の中でおひとりおひとりを応援しつつ、もったいないと思う企画提案を多く感じました。
これからデビューする方々に、企画提案、プレゼンのやり方などお教えしておいたほうがよいだろうといういくつかが見えてきました。
デビューしていただくために、基礎力・土台作りがシナリオ・センターのお仕事です。
ですが、プラスなにをお教えしたらよいのか、お教えすることができるのか、新たな課題としてカリキュラムを考え、もっと後押しできる体制を作りたいと感じたカンファレンスでした。
企画提案者の皆さんお疲れ様でした。 一等賞ではなくてもせっかくのチャンスです。
お名刺をくださったプロデューサーの方には、サッとすぐに企画提案をしていきましょう。チャンスを逃す手はありません。

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