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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

出身ライター武井彩さん/ホームドラマとミステリードラマを書いて

2015年、フジテレビの情報番組『ノンストップ』のインタビューで、脚本家の橋田壽賀子さんが「何でもないホームドラマが生きられない時代になったって思うんですよね」とコメントされ、当時色々なネットニュースで取り上げられました。

研修科ゼミの29本目の課題は「ホームドラマ」です。
皆さんなら、ホームドラマをどんな風に書きますか?

出身ライターの武井彩さんは、ミステリーの要素もある、家族みんなで観れるホームドラマの脚本を担当しています。それが、現在放送中の『捜査会議はリビングで!』(NHK BSプレミアム/毎週日曜・22時~/全8話)。

公式サイトにある【ご感想掲示板】には、
「何も特別なことが起こっていないように見える日常の中に、楽しい要素がたくさんちりばめられているのを見せてくれているようで、大好きな雰囲気です♪」
「小1の子どもが大好きで、録画したのを毎日観ています」
――といった書き込みがあり、新たなホームドラマとして話題になっています。

また、武井さんは『捜査会議はリビングで!』とはガラリとタイプが違うミステリードラマ『イアリー 見えない顔』(WOWOW/毎週土曜日・22時~/全6話)の脚本も担当されています。

そこで今回、この2つのドラマについて武井さんにコメントをいただきました!

ホームドラマとミステリードラマ。それぞれ、どんなふうに脚本を作っていったのか、作る上で共通点はあるのか。武井さんのコメントの中には、脚本を作る上でのヒントがいっぱい詰まっていますよ。どうぞご覧ください。

『捜査会議はリビングで!』について

捜査会議は必ずリビングで行われる!
奥さんは刑事で、旦那様はミステリー作家という一見ありがちなミステリードラマをご想像されたかと思いますが、この作品はあくまでホームドラマです。

なので、捜査会議は必ずリビングで行われます。ありがちな設定をこんな切り口で見せるのか、と楽しみながら見ていただければと思います。

どんな人か一目で分かるようにキャラクターを
脚本を書く上で「ココは外せなかった!」というところは、『イアリー 見えない顔』にも共通しているのですが、キャラクターの作り方です。

『捜査会議はリビングで!』で言えば、主人公達が住む街の住人全て、どんな人か一目で分かるようにキャラクターを丁寧に作りました。

当然第1話では、視聴者の皆さんにそれぞれがどんな人物か紹介していくわけですが、それをいかに簡潔にやるか。

それが、勝負でした。なので1話のトップシーンは、何度も精査しながら書いたので思い出深いです。

最近なかなかない、家族で観れるホームドラマ
プロデューサーから最初にもらったお題は「クレヨンしんちゃん」みたいな世界観を作ってください、でした。

当初は戸惑い、そして苦労もしましたが、その甲斐があって同枠のドラマの中ではお子さんの視聴率が高いと評価を頂いています。

やはり、ドラマ作りにはプロデューサーの明確なビジョンと的確な指示が欠かせないなと改めて思っています。

『イアリー 見えない顔』について

回を重ねるごとに“点”が繋がる構成に
私たちが日頃感じる得体の知れない恐怖をふんだんに盛り込みました。
1話はほぼ点描で見せている様々な不気味さが、回を重ねるうちにどんどんと繋がっていきます。ある意味脚本家の腕の見せ所でもあり、醍醐味でもあったと思っています。

全キャラクターの行動線と心情をつなげる
「ココは外せなかった!」というところは『イアリー見えない顔』の脚本を書く上でも、キャラクターの作り方です。

物語上どんどんと不気味なエピソードが巻き起こるのですが、ただ薄気味悪いだけでなく全キャラクターの行動線と心情をつなげるため、人物の背景も丁寧に考え、作り上げました。原作から膨らませた設定が、たくさんあります。

本打ちでアイデアのヒントが
物語のテーマが「人間の欲望」ということもあって、本打ちではよく自分の趣味や嗜好などの話をしてアイデアのヒントを出し合いました。

あと、『捜査会議はリビングで!』も『イアリー見えない顔』も、本打ちではずっと笑っていましたね。笑いが絶えない場所からは面白いものが生み出されると思います。

※You Tube
WOWOWofficial
「連続ドラマW イアリー 見えない顔」コメント付きこれからの展開【WOWOW】

“後輩”のみなさんへ:遅咲きがいいんです。

いつ自分は、ドラマのエンドロールに名前が載るのだろう、と

いや、そんな日は来ないんじゃないだろうか、と悶々とした日々を送っている方も多数いらっしゃると思います。

私もそうでした。

それでも、夢は捨てきれず、自分の脚本が映像になったらどれだけ素晴らしいのだろうかということだけを考えてただひたすら、その時その時出来ることを積み重ねていました。

今、皆さんにお伝えできることは、自分の作品が映像化されることの素晴らしさは想像通りでした。

いや、それ以上だったかも知れない。

早咲きは、パッと咲いてすぐに散ります。遅咲きがいいんです。頑張ってください。

 

※『捜査会議はリビングで!』(NHK BSプレミアム)公式サイトはこちらからご覧ください。

※連続ドラマW『イアリー 見えない顔』(WOWOW)公式サイトはこちらからご覧ください。 

※そのほか脚本家・小説家・映画監督の出身生コメントはこちらから。
シナリオ・センター出身の脚本家・小説家・映画監督の方々のコメント記事一覧『脚本家・小説家コメント記事一覧/脚本や小説を書くとは』をぜひご覧ください。

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