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マンガ『青楼オペラ』に学ぶ/魅力的なキャラクターで時代劇ラブストーリー

マンガにはシナリオ創作に役立つヒントが満載。魅力的なキャラクターとはどんなものなのか。設定だけで面白いと思わせるにはどうしたらいいのか。その答えはマンガにある!シナリオ・センターにてマンガ原作講座やSFファンタジー講座を担当する仲村みなみ講師の『マンガから盗めっ!』(「月刊シナリオ教室」)からご紹介。
今回は取り上げるのは『青楼オペラ』。現代モノでは味わえない、時代劇ならではのラブストーリー。研修科ゼミ最後の課題「時代劇」を書くときの参考にもなります。また、魅力的なキャラクターが出てくるので、同じく研修科ゼミの課題「魅力ある女」「魅力ある男」「男と女」を書くときの参考にも!

『青楼オペラ』(小学館)/桜小路かのこ

江戸時代。親を亡くした武家の娘・朱音は自らの意志で遊郭・吉原へと身を落とす。親にかけられた汚名をそそぎ、お家再興を成就するためである。恋とサスペンスの吉原物語。
※注目ポイント:キャラクター

青楼オペラ 1-10巻

熱い時代劇ラブストーリー

そういえば近頃、時代物のラブストーリーをとんと紹介しておらんわい、と気付いた私。いかんいかん。というわけでさっそく財布を握りしめ本屋に直行したのだが、なかなか「これっ」という作品が見つからぬ。

最近流行の低体温キャラではなく切れば血も涙もほとばしるような熱い心のふたりが、現代ではありえないような宿命に引き裂かれながらも互いを思い、恋に身を焼く……。そんな熱い時代劇ラブストーリーはないものか。

はあはあと鼻息も荒く店内を探し回ること数十分、やっと見つけたのが今回ご紹介するこの作品である。時代は江戸。場所は吉原の遊郭。大店の札差屋の若旦那と郭の女郎の恋のお話だ。

※You Tube
ベツコミ
桜小路かのこ『青楼オペラ』PVロングバージョン

「らしくない」遊女と、ギャップが魅力の大店の若旦那

時は江戸時代。朱音(あかね)は武家の一人娘だったが何者かに両親は惨殺。あげく汚職の疑いをかけられお家は断絶になってしまった。一度は親戚に引き取られるも、朱音は茜と名を変えて吉原の遊郭・曙楼に自らその身を沈めることを決意する。

目的はただひとつ。吉原で花魁として天下を取り、両親を殺した犯人を探しだし復讐をとげる。そして親の汚名をそそぎ、お家再興を実現するためである。

「いや、女の子ひとりでムリでしょ」とも思うけれど、この時代の女性の地位や職業選択の可能性を考えると「確かにそれ以外に道はないかもな」とも思える。

いずれにしろ華やかさの陰に嫉妬や欲望がうずまき足の引っ張り合いや陰謀が横行する世界だ。茜は愛想がなくめったに笑わないが、なぜか将来性を曙楼の主人に見いだされる。そんな茜への風当たりは当然強い。

だが茜はどんな嫌がらせをされても決して犯人を追い詰めない。恵まれた者とそうでない者の差が歴然とある世界で、自分は恵まれた場所にいる。

だから

「声高に騒いで小さな過ちを責め立てるなど 恵まれた者がしていいことではござんせん」

そうきっぱりと言い放つ。さすが元武家の箱入り娘らしい生真面目さだ。

一方、そんな茜に惚れるのが大店の札差屋「近江屋」の若旦那・惣右助だ。金にあかせて吉原中を遊び歩いている色男の遊び人。しかも皮肉屋で毒舌屋で茜にオレ様発言を繰り返す。

だけど「おまえなど嫌いだ」と言いながらも体を張って茜のピンチを救う熱い男でもある。なぜか侍への嫌悪はすさまじく「命なんか惜しくない」とばかりに侍とのトラブルを派手に引き起こすが、実は彼にも深い事情がありそうで……。

遊女らしくない茜も魅力的だが、この惚右助の言動不一致なギャップの魅力はダイナマイト級だ。絶妙に乙女心をくすぐってくれる。

ぜひご一読を。現代モノでは味わえないキュンキュンが味わえる。

※『青楼オペラ』詳細は、小学館「ベツコミ」のこちらのサイトからご覧ください。 

出典:仲村みなみ著『マンガから盗めっ!』(月刊シナリオ教室2017年6月号)より

※シナリオ・センターの書籍についてはこちらからご覧ください。 

次回は9月4日に更新予定

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