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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

オリジナルもだけど脚色もね

映画「望郷」

読みものを見せものに変える・・・脚色

シナリオ・センター代表の小林です。朝から「あさイチ」でイノッチと有働さんが『「ひよっこ」も今週で終わっちゃうんだよね』と寂しそうにコメントしていたので、一緒に寂しくなりました。
連ドラって、1回であれっ?と思うものもあれば、途中で見なくなるものもあれば、終わらないでと思うものもあるし、ロスになるものもあるし。
常にロスになってくれるくらいのドラマを描きたいですね。 

シナリオライターは、基本オリジナルを書くものですが、原作ものが多い昨今、脚色の技術もしっかりと持っていないといけないです。
もちろん、オリジナルを描けてこその脚色だと思ってはいますが。
シナリオ作家養成講座では脚色もお教えしています。

あまりに原作ものが多いせいでしょうか、原作ものも脚色という表記ではなく脚本という言い方をされることが増えました。オリジナル脚本と言ったり・・・。
脚本は、オリジナルのシナリオのこと。原作ものをシナリオ化するのは脚色とすみわけがあったのですが、今はごちゃごちゃです。
とはいえ、表記はごちゃごちゃになっても、やることは違います。
原作ものを映像化するときは、
①原作との表現の違い
②時間の問題
③表現形式の違い
を考えて作らなくてはいけません。

そして、一番大きな問題は、切り口です。
原作通りそのまま脚色するのか、原作のどこかを脚色するのか、設定とかキャラクターだけ使うのか、より大きくふくらますのか・・・切り口は色々です。
もちろん、原作者の方のお気持ちもありますから、そこも大事です。
小説家の浅田次郎さんは、「映像化されるときは、娘を嫁に出すと考えている。嫁いだ家でどう染まろうが仕方がないと思っている。あんまりだと離婚させますが(笑)」と講演でお話されていました。

エイベックス・デジタルの辻村プロデューサーと出身ライター杉原憲明さんの脚色術

「イヤミス」の女王湊かなえさんの原作は、たくさん映像化されています。
内容の面白さはもちろんですが、湊さん自身シナリオも描かれていらしたので、映像的になりやすい、キャラクターが素晴らしいからだと思います。

湊かなえさんの原作が映画化されました。
「望郷」9/16、先週から公開されています。
今週の金曜日29日に、「望郷」のプロデューサーと脚本家をお招きしてのミソ帳倶楽部があります。
プロを目指す方なら、脚色術を知るためにもぜひ聞いてほしい内容です。

実はおふたりともセンター出身。エイベックス・デジタルの辻村プロデューサーと「ママゴト」などのシナリオライター杉原憲明さんにお話を伺います。 

原作をどう料理するかはシナリオライターの腕に、どの切り口で売るかはプロデューサーの腕にかかってきます。 
この「望郷」は6編の連作短編集ですが、その中の「夢の国」「光の航路」を映像化しています。
この二つのお話をどのような形で結びつけたのか、また主役二人のお話をどのような形で見せたのか、原作の料理の仕方をお聴きしたいと思います。
杉原さんがNHKで描かれていた「ママゴト」も原作ものでしたが、人物のつくりが素晴らしく、私自身は原作以上に感動しました。
小説(or漫画)と映像は、前述したように大きな違いがあるので、そんな先輩ライター杉原さんのお話は
そのコツを知ることは、シナリオライターを目指す者にとって大きな勉強になります。
エイベックスの辻村プロデューサーには、杉原さんとの本打ちのお話もしていただきますが、注目の映像配信サービスから映画製作までおやりになっているプロデューサーとして話もお伺いします。

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