menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター
日本中にシナリオを

みんなの人生にもシナリオは活きている
日本中にシナリオを!

子どもからお年寄りまで、すべての人にシナリオの力を!
あなたの毎日に役立つシナリオの活用例がここにあります。

【47行の物語 ご当地情報】人との出会いでより美味しく~高知県編~

『47行の物語~47都道府県シナリオコンクール~』の9月は、四国 × ごはん です。
でも、それぞれの地域について出身ではないと知らないこと、たくさんありますよね。

だったら地元のかたに聞いちゃいましょう!

今回は高知です。

「高知ならではの 食へのこだわり を教えて下さったのは…

高知商業高等学校の副校長前田先生と野球部総監督正木先生と大崎先生です。

“こじゃんと美味い”ものを、いろいろ教えていただきましたよ。

実は前田先生は、高知市教育研究所にいらした際に授業などでシナリオ・センターの小林代表と新井をお招き下さいました。その時のことを思い出しながら江戸っ子・新井と、神奈川県人の広報・齋藤のツッコミとともにリポートいたします。

Q 「あの県のあのごはんには、負けない!」というものはありますか?

・高知県人の特性として「社交的で人懐っこくお世話好き」という面があります。食事をする時にも「人との出会いでより美味しく感じる」ということが少なくありません。

☆齋藤:人との出会いでより美味しく感じる。ハー!ステキ!ごはんの内容だけじゃないんですよ、皆さん。シナリオでも、“ごはん”をどう使って、そこから広がるドラマをどう書けばいいか。これを考えなきゃ、ですね。

☆新井:まさに、前田先生が連れて行って下さったお店とその時の雰囲気は、そんな感じでした。楽しかったものなぁ~。高知最高です!

Q 他県から友人が来たら、これを食べさせる!食べさせたい!というものはありますか?

・その時の旬の魚をできれば刺身かタタキで食べてもらうというのが他県からに関わらず友人などを迎える時のおもてなしです。干し魚も独特と思われます。「沖ウルメ」の干物は脂がのっていれば最高です。

・「馬刺し」は熊本が有名ですが、高知市春野町の馬刺しは有名です。熊本のものと違って脂身は全くありません。すべて赤味の刺身であっさりしていていくらでも食べられます。

数年前までは100gが100円代で買い求めやすかったのですが、熊本地震以降は春野町から熊本に馬刺しが送られるようになり、2~3倍ほどに跳ね上がりました。

・高知のもてなし方の基本は「その時に一番うまいものを出す」という、旬をとにかく大事にするところでしょうか。特に旬と鮮度を楽しむものとして、高知県須崎市周辺で古くから愛されているものとして「新子」があります。

これは、メジカの稚魚(20~25cm)を釣り上げから数時間以内に刺身にし、仏手柑の皮をすりおろしてから全体に絞ってかけた後に醤油をかけて食べます。もちもち感が素晴らしく「新子祭り」というイベントもあります。

☆齋藤:やはり新鮮な魚!ということで、こんな動画、見つけました。

■You Tube
KochiPref おはようこうち 『ズームアップ高知「黒潮町の定置網漁」』(平成29年5月28日放送)より

Q 親戚が集まったりすると、よく食卓に並ぶものといえば?

・祝い事や大勢が集まるとき、高知では「皿鉢料理」が定番です。人が集まって宴会をすることを高知では「おきゃく」と言います。

以前は子どもの名付けや節句、厄抜けなど様々な祝い事を自宅で皿鉢料理を囲み、「おきゃく」を行っていました。

田舎の方では今でもその風習が残っています。高知市内では商店街で百メートル以上の範囲にわたり路上に卓を並べて「土佐のおきゃく」というイベントも行われるようになりました。これについてはネット検索してみてください。

皿鉢料理には様々な料理が載せられますが、高知ならでは物はまず「かつお」これは刺身とタタキの両方です。刺身は皮付きと皮なしの両方が出ます。他には「しめサバとカマスの姿寿司」や「クジラとにんにく葉の煮つけ」「チャンバラ貝の煮つけ」などが出色でしょうか。

他に特徴的なものとしてニンニク葉をすりおろした酢味噌で、身が大味なブリやシイラなどの刺身を食べます。ニンニク葉の辛みと風味がよく効いていて食がどんどん進みます。

自宅で「おきゃく」をした翌日からは残り物の料理を食べながら酒を飲みます。これを「残(ざん)」と言います。魚の姿寿司などは焼いて食べます。

3日も4日も続けることもあるようです。飲酒量の多さで有名な高知ですが、酒好きが多いことは間違いありません

☆齋藤:土佐のおきゃく、の賑わいが分かるフェイスブックはこちらからご覧ください。高知県ならではのシーンが書けそうですよ!
■フェイスブック 土佐の「おきゃく」より。こちらからご覧ください。 

☆新井:おいしいお酒が呑める!これ間違いないです!高知から帰ってからしばらくは、お刺身食べる気分になりません。

Q ごはんに対する県独特、もしくは地域独特のこだわりはありますか?

・高知県室戸市は遠洋マグロ漁船の基地として有名です。

しかし最近はマグロ船の数もずいぶん減りました。盛んな頃はクロマグロの刺身なんて当たり前のようにバクバク食べていた印象があります。大トロは人気がなく、中トロか赤味の方が人気があったようです。頭の部分を焼いて食べるとこれがまた絶品です。

エピソードを一つ。

県外からの観光客が室戸市で宿泊した際、宿主がちょうど仕入れたマグロの腸を煮付けて輪切りにし生姜醤油で出しました。

これは室戸の定番料理です。その味と食感に感激した観光客から「これはどんな食材か?」とき聞かれ「マグロの腸です」とは言いにくかったので「これはこの地方独特の植物の根です」と答えました。

その後その観光客から宿宛に「あの料理の味が忘れられない。食材と調理方法を教えてほしい」という手紙が届きました。宿主は仕方なく本当のことを伝えたそうです。

ちなみにマグの腸の湯がき方は室戸独特で、ゆがく際に新聞紙を入れるのが必須です。パルプの香りがつくことで食材の風味が増します。

・高知が日本一の産地であるものとして「ミョウガ」があります。タタキに添えたり汁物に入れたり、サラダにも、夏場はそうめんにも入れます。好き嫌いがはっきりしていて、「料理にミョウガを出したら実家に帰す」という夫婦の話を聞いたことがあります。

☆齋藤:みょうが!ただみょうがを食べるシーンではなく、何かを思い出すキッカケとしてみょうがを使ったり、色々な使い方ができるのでは!お料理でのみょうがの使い方はこちらのJA土佐くろしお お野菜レシピ みょうがレシピのサイトをご覧ください。

Q 他県にもあるけど、うちの県は食べ方とか素材が違う!というのはありますか?

・県外の人はほとんど食べないけれど高知では定番食材となっているものを挙げます。

まず「イタドリ」です。これは煮つけや炒め物として春先には本当によく食べます。塩漬けにして長期保存して年間を通して「イタドリ」の特に食感を楽しみます。これ、本当に美味で、県外ではなぜ食べないのだろうと不思議でなりません。

次に「りゅうきゅう」と呼んでいる里芋の茎です。これは酢物にしたり煮つけや汁物に入れます。これもしゃきしゃき感が独特です。県民にはなくてはならない食材で、夏から秋によく食べています。

新鮮な魚の出汁の汁物に、ネギを入れる感覚で入れると汁そのものの風味も増し、最高の一椀となります。これからの時期は「ツガニ」をすりつぶして作る「ツガニ汁」に入れるとたまりません。

そして「四方竹」という季節外れに生え出てくる細いタケノコです。秋の食材として煮付けたり、炒めて鰹節をかけたり天ぷらにしていただきます。

細い竹といえば、春のタケノコの旬を少し過ぎたころに出てくる「淡竹(はちく)」はえんどう豆と一緒に煮付けるのが定番の料理です。

きゅうりの食べ方も独特のものがあります。普通のきゅうりを収穫せずに大きく育て、生では食べられない状態のものを小エビと一緒に煮付ける。これも土佐料理の代表格です。

野菜以外では魚の稚魚の食べ方も独特です。イワシの稚魚は日本全国どこでも食べますが、高知では「ドロメ」と呼んで水揚げした日のうちに生でチリ酢などで食べます。

ちょっとした苦味が酒に抜群に合います。高知県香南市の「ドロメ祭り」はドロメの時期に男は一升、女は5合の日本酒を一気に飲み干す飲みっぷりを競う祭りとして有名です。

アナゴの稚魚もよく食べます。これは「ノレソレ」と呼んでいます。食べ方はドロメと同様ですが、大分大きいのでつるっとした食感が魅力です。県外産のものが高知で売られていますので県外ではあまり食べないのかなと思います。

最後に海蛇に似た「ウツボ」です。これはタタキや空揚げにして食べるとそこらの高級魚より断然美味です。煮こごりにもします。見た目はグロテスクですが、高知ではとても愛されている定番の食材です。

☆齋藤:す、すごい! 使えるネタが沢山!
タケノコ好きの私としては淡竹が気になります。淡竹とエンドウの炊き合わせはこんな感じ。NHK高知放送局 「淡竹とエンドウの炊き合わせ – NHKオンライン」のサイトはこちらからご覧ください。

Q ○○が定番と言われているが、実は○○がおススメ!というのはありますか?

・高知のカツオのたたきは有名で、メディアにもよく登場します。一般に藁で焼くと炎が大きく高熱でこんがりと美味しく焼けます。

しかし食通は藁でなく「松葉の枯葉」で焼いたものをより好みます。香りが異なり、カツオの旨味を一層引き出します。この松葉焼のタタキを食べられるところは少ないです。

☆齋藤:藁焼きは知っていましたが、「松葉の枯葉」とは初耳!こういう情報もシナリオの中で巧く使ってみてください!

☆新井:次回行った時は、「松葉の枯葉」で焼いたかつおを食べてみたい!

Q 他県で食べたときに、やっぱうちの県で食べた方がおいしい!と思ったものは?

・高知のトマトの味は間違いなく日本一です。フルーツトマトとして結構な高値で取引されています。

☆齋藤:美味しそうなトマトの動画がありました。
■You Tube KochiPref 高知県 重点品目PR情報「トマト」より

☆新井:トマトは食べれない…おいしそうに食べている人を見るのは好きですが…

Q 小さいころによく食べていた思い出の味は?

・カツオを茹でた「生節」をごはんにかけてよく食べていた。

・「よもぎ餅」裏山でよもぎをとってきて餅に入れたものをよく食べました。

・「芋餅」はどこでもあるのかな。蒸しているときによくつまみ食いをしていました。

☆齋藤:生節、これまた初めて聞きました。スーパーでも売られているみたいですよ!舞台をスーパーにしたら、高知ならではの情景になりますね。

Q お正月はどんなお雑煮を食べますか?

・雑煮と言えば「すまし汁」が基本。餅と人参、シイタケ、ホウレンソウなどを入れてました。徳島出身の家内と結婚してからは雑煮は味噌汁に。最初は甘い味噌汁雑煮に戸惑いましたね。

☆齋藤:わぁ、ステキなエピソードですね!映像が浮かんできませんか?これですよ、映像が浮かぶ、そしてセリフがなくても伝わるシーン。映像をアタマに浮かべて書いていきましょう!

☆新井:徳島も食にこだわりありそうだし、四国内での食卓の戦い、ちょっと面白そう。

最後に、高知県から愛を込めて、メッセージを頂いています!

・高知と言えば酒、酒と言えば肴、いかに美味く肴にするか。
県外から来た人たちが一番驚くのは刺身やタタキの切り方です。すべての魚ではありませんが、カツオやウツボなどは1cm以上の厚みできることが普通です。とにかく分厚く切ります。例えば同じタタキでも厚さで味が大きく変わります。
どの魚をどの厚さで切るか、高知ならではの切り方を堪能しに来てください!

※高知県庁ホームページはこちらからご覧ください。

※高知商業高校のホームページはこちらからご覧ください。

新井:高知商業といえば・・・と言ってよいのかわからないですが、やはり同世代の藤川球児!高知に行って以来、それまで「松坂世代だよ」と言っていましたが、「藤川球児世代だよ」というようにしております。

あと、幕末好きとしては、武市半平太の旧宅を見学に行ったら、入口に「坂本」という標識があって、坂本さんって方が住んでいたという記憶が…あれはなんだったのか。

今回の「【47行の物語 ご当地情報】高知県編」、いかがでしたか?

高知県と言えば、皆さんはどんなことを真っ先にイメージしますか?
高知県といえば、そして、高知県のごはんといえば。
色々な角度からイメージしてみてくださいね!

2013年に高知に伺った際のブログにも、少しだけごはんのこと書いてありました。ご参考までに。
坂本龍馬に学べ!

美味しいものは創作意欲を創る

自分の考え、想いをしっかりと持ち、自分の言葉で伝えたい。

■You Tube
KochiPref 土佐おもてなし勤王党リポート 第1回 土佐茶より

『47行の物語~47都道府県シナリオコンクール』の応募要項

『47行の物語~47都道府県シナリオコンクール』の応募要項は、こちらから
9月は ごはん × 四国 です。締切は9月25日(月)20時30分必着。
「シナリオを書きたいけど書き方が…」という方へ
シナリオの原稿用紙への書き方はこちらから
初めてのシナリオ体験も、シナリオの書き方さえわかればすぐにチャレンジできますよ!
高知県の皆さんからのご応募もお待ちしております!!

シナリオの技術はドラマを作るためだけでなく、日常の色々な場面に置き換えることができます。シナリオ・センターでは企業研修や学校への“出前授業”なども行っています。「シナリオを使ってこんなことできない?」というお問合せはお気軽にこちらまで!

お問い合わせ

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ