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作家になるための読書方法Ⅱ 速読より精読を

「シナリオのテクニック・手法を身につけると小説だって書ける!」というおいしい話を、脚本家・作家であるシナリオ・センター講師柏田道夫の『シナリオ技術(スキル)で小説を書こう!』(「月刊シナリオ教室」)から紹介。
今回は、小説家になりたい方にオススメする小説の読み方について。また、シナリオを書いている人が小説に移行しようとしたとき、一番クリアしなくてはいけないことについても触れます!

小説には様々な“ノイズ”がある

作家になるためには「読書」をしなくてはいけない。

本の読み方にはいろいろあって、時間や体力があるならば「乱読」の一時期を持つのは有効です。

けれども多忙な現代人は無理でしょうし、乱読どころか、昨今の傾向としてまるっきり、あるいはせいぜい年に数冊くらいしか小説(本)を読まないくせに、「作家になりたい」とのたまう人が増えています。

量をこなすために、要点やプロットだけを把握する「速読」がありますが、この方法は、全面否定する芥川賞作家の平野啓一郎さんの意見に私も賛同します。古典とかを読むのが面倒なので、ストーリーやテーマ、作品の評価を知りたいならば、あらすじ本とかを読めばいい。知識、情報は得られます。

平野さんは『本の読み方 スロー・リーディングの実践』(PHP新書)の中で、“「量」の読書から「質」の読書”が大切で、“一冊の本を、価値あるものにするかどうかは、読み方次第である。”として、平野さん流の「スロー・リーディング」を推奨しています。

特に、小説は速読できないし、その理由は“小説には、様々なノイズがあるから”だと述べています。ノイズというのは、物語を展開させるための細かい描写や設定、混入物ということです。

ただストーリーを追うだけならば、それらはなくてもいいわけですが、小説を小説たらしめているのは、こうしたノイズ、すなわちディテールだから、それこそをじっくりと読まないと小説を味わったことにならない、と。

この本は一般読者向けに書かれていますが、作家志望者こそ実践すべき読書法かと思います。興味のある方は読んでみて下さい。

精読で小説に欠かせない描写を学ぶ

シナリオを書いている人が小説に移行しようとして、一番のネック、クリアしなくてはいけないのは、ト書文体や企画書のプロット調から、いかに小説の文章、すなわち“描写”ができるか? だとこれまでも述べてきました。

企画書のプロットはシナリオとする前の段階ですから、エピソードであったりストーリー展開が分かればいいので、凝った細かい描写などは邪魔になったりします。企画書は客観的に眺めて、検討をするために書かれるからです。

ですが、小説がそのように書かれていたのでは、読み手はその世界に入っていけませんし、小説を読む喜びは得られないでしょう。実用書とかなら、速読でも目的は達せられるかもしれませんが。

あるフィクションの世界を築いて、そこに読者を誘う小説は、ストーリーとは一見無縁のように思えるエピソードであったり、細部を積み重ねることでリアリティを生みますし、ストーリーを運ぶ欠かせない描写となるわけです。

ですので、小説家がどう描写をしているか、描かれたノイズが、その世界なり場面、人物をどう形成しているか、などなど。じっくりと読み、学びとるには、平野さん流の「スロー・リーディング」すなわち、「熟読」「精読」をすべきなのです。

この本では夏目漱石『こころ』、森鴎外『高瀬舟』、カフカ『橋』、三島由紀夫『金閣寺』、金原ひとみ『蛇にピアス』といった、いわゆる古典や純文学作品がテクストにされていて、どう書かれているかを平野さんが解説しています。

こうしたラインナップを見ると、「私が目指すのは純文学じゃなくて、エンタメ小説なので」と思う人がいるかもしれません。確かにジャンルによっては、ストーリーのおもしろさがメインになっていて、細かい描写は必要ないという小説もあるでしょう。

そうだとしても、書き手はやはり表現の方法を身につけるためにも、プロ作家の小説を「精読」すべきです。

出典:柏田道夫 著『シナリオ技術(スキル)で小説を書こう!』(月刊シナリオ教室2016年5月号)より

・柏田講師オススメの精読の仕方はこちらのブログ「作家になるための読書方法」をご覧ください。

・要ブックマーク!これまでの“おさらい”はこちらのまとめ記事で。
「柏田道夫 シナリオ技法で小説を書こう スキル一覧」

・シナリオ・センターの書籍についてはこちらをご覧ください。

「創作のスイッチをつねに、オンにしてください」

脚本家志望の方にも、小説家志望の方にも、シナリオの技術は役に立ちます。『人間を描く』ためのスキルを身につけに来てください。“最初の一歩”として、各講座に向けた体験ワークショップもオススメです。

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