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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

ミソ帳を増やそう

ゲンロンカフェにて

何でも見てやろう聞いてやろう

シナリオ・センター代表の小林です。今日の東京は、にわか雨の予報はでていたのですが、にわか雨?と思うほど雷は落ちるは、滝のような豪雨になるは、びっくりの小一時間を過ごしました。自然は本当にすごい。自然に対する畏敬は深まるばかりです。

私の行動が不可解だとたまに友人からいわれたりするのですが、ワハハ本舗から歌舞伎、文楽も、マシャも若大将のライブも大好きだし、社会問題にも興味はあるし、落語もよくいくし、講演も美術鑑賞もなんでも、興味が惹かれたものを見聞きしたいと思うのは分裂しているのでしょうか。(笑)

昨日は、ゲンロンカフェにでかけました。ここは、文藝から哲学・科学・社会学・政治・エンタ等などあらゆるジャンルの言論好きの人がお話をする場所で、小説家で思想家の東浩紀さんが主宰しています。
面白そうなゲストだなあと思うとたまに聴きに行くのですけれど、今回は浅田彰さんと田中康夫さんの憂国呆談ということで聴講に行きました。
東浩紀さん、浅田彰さん、田中康夫さんのお三方がそれぞれ違う意見で侃々諤々、面白おかしく話されるので、3時間ちょっとがあっという間でした。

色々な人がなにをどう考えているかを知ることは、自分の考えや想いを整理するためにも大事なことですが、シナリオを描く上でも、とても必要なことです。
先輩の岡田惠和さんが、「対立を描くには、作者はセコンドになる。どちらの側にも立ってはいけない。正義は50%50%」おっしゃっているように、対立・葛藤を描くシナリオは、どちらの意見もわかっていることが必要なのですね。
そういう意味では、仲良しクラブではないゲンロンカフェは、様々な方の違う考えや想いを手っ取り早く(笑)聴けるので、私にとってなかなかのミソ帳ネタカフェなのです。

思考のハイジャック

映画作家の想田和弘さんが、「ニュースをどんどん忘れる私たち 乗っ取られる注意力」という話を朝日新聞(5/17夕刊掲載)に書かれていました。
昨今のニュースの循環サイクルはあまりにも短く、忘却のスピードは加速するばかりなのだそうで、マイクロソフト社の研究によれば、人間の集中力の持続時間が2000年は12秒あったのが、2013年には8秒に落ち、金魚の集中力が9秒だそうで、金魚以下になってしまったとか。(涙)
研究では「1つのことに集中する能力」が消耗しているのは、スマホやソーシャルメディアが原因と結論づけていて、「スクリーンを複数同時に見る習慣のある人は、新しいものへの渇望が高まっているので、注意力がそらされやすい。つまり私たち(ブランド)としては彼らの注意をハイジャックしやすい」とのたまわっているそうです。恐ろしい!!
想田さんは「人類はより早くを求めて技術革新を進めてきた。しかし私たちが最も警戒しなくてはいけないのは、もはや物事が進むスピードの「遅さ」ではなく「速さ」などだと思う。」と結んでいましたが、文明の進化というのは両刃の剣なのですね。

浅田彰さんも北朝鮮のミサイルなんて脅威でもないのに、驚異のようにニュースにして、森友はじめ色々な都合の悪いものから国民の目を逸らしているということをおっしゃっていましたが、事実かどうかはともかく、確かに次から次へと人の目、人の意識が逸らされていることは事実ですね。

ジェームス三木さんは、作家は「常に疑う」ことが大事だと常日頃おっしゃっています。
自分の目で耳でしっかりと見聞きし、自分の考えを作っていくために、常に乗っ取られないように意識していかなければ、作家としても人としても危ない時代なのだろうと思います。

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