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【47行の物語 ご当地情報】白米に小岩井農場の瓶入りバターを~岩手県編~

『47行の物語~47都道府県シナリオコンクール~』の3月は、東北 × ごはん です。

でも、それぞれの地域について出身ではないと知らないこと、たくさんありますよね。
そこで、岩手県庁の方に、岩手県の「ごはん」にまつわるお話を聞いてみました。
岩手県の“らずもねぇ~(=とても)”おいしいものなど、いろいろ教えて下さったの は…

岩手県商工労働観光部のみなさまです!

三代にわたる神奈川県民の齋藤がリポートいたしますが、その前に…

まずは「岩手県」について教えて頂きました!

岩手県は四国四県を合わせたほどの面積を有する県であり、また北上市あたりを境に、北は「南部藩」、南は「伊達藩」領というように成り立ちが分かれています。

さらには、水田地帯の内陸地方と海産物が豊富な沿岸地方に分かれているため、食体験は地元が異なると様々です。

齋藤:なるほど!地元のかたじゃないと、なかなか分からない情報ですよね。ありがとうございます!


それでは、いってみましょう!

最初の質問は…


Q 「あの県のあのごはんには、負ない!」というものはありますか?

・それはズバリ、「お米」。岩手のお米はふっくら甘くて美味しいです!

・主力品種は「ひとめぼれ」「あきたこまち」ですが、残念ながらこれは他県の品種。 しかし、今年と来年にかけて本県オリジナル品種である「銀河のしずく」と「金色の風」が販売されます。本県出身の宮沢賢治を彷彿させる名前です。

・子供の頃(40年近く前ですが)は、白米に小岩井農場の瓶入りバターを乗せて食べました。今考えると恐ろしいカロリーですが、糖分と油分は美味しさの基本です。

齋藤:白米に小岩井農場の瓶入りバター! 台湾にも「ラードご飯」というのがありますが、「小岩井農場の瓶入りバターをのせる」というのがまたいいですね~。カロリーのことは忘れちゃいましょ~!


Q 他県から友人が来たら、これを食べさせる!食べさせたい!というものはありますか?

・ずばり、三陸の魚介類です。浜で食べると全く違います。

・戻りカツオに、鮭、サンマ、サバ、タラ、ヒラメ、カレイ、ウニにホタテ、アワビと豊かな漁場で取れる様々な魚介類が自慢ですが、冬にとれる毛ガニは絶品。茹でたてを新聞紙に包んでもらって、まるまる一匹をおやつ(?)に食べるというのもご当地なら
ではの思い出でしょうか。

・盛岡限定で学生時代の思い出の味となると、「福田パン」を挙げるかたも多いはず。目の前で好みの具材を選び、ふっかふかのコッペパンに挟んでいただくと美味しさ格別です。

齋藤:毛ガニまるまる一匹がおやつだなんて…。うらやましすぎる!!!

Q 運動会、遠足、誕生日などの記念日の定番ごはんといえば?

・県南地方だと「もち御膳」になります。少量のもちをアンコやずんだ、ゴマ、納豆など様々な味付けでいただく贅沢なもの。水
田などで取れる小さなエビを炒って味付けしたものを餅にまぶしていただく「えびもち」は風味の良い一品です。

・秋の味覚を楽しむものとしては、「芋の子汁」でしょうか。東北各地にありますが、鶏肉と里芋で醤油ベースというのが定番。結婚式や年祝の膳にもつきます。

・盛岡の年祝には様々な小道具が付きますが、そのうちの「亀の子だわし」で男性は上半身裸になり、ごしごしと厄を落とします。文字通り、こすり落とすため体が真っ赤になりますが、最後に、芋の子汁と蕎麦をいただいて無病息災を願います。

齋藤:亀の子だわしで厄落とし。本来女性はやらないけれど、もし女性がやったら… 、なんて考えると、面白いシーンが描けそうな予感!

Q 親戚が集まったりすると、よく食卓に並ぶものといえば?

・定番中の定番は「煮しめ」。牛蒡、大根、人参、椎茸、焼き豆腐やその土地の山菜などがふんだんに入った郷土食で

す。子供の頃は「なーんだ」と思いましたが、今では郷土の味そのものです。

・子供たちも集まるとなれば、手作りおやつも振舞われます。「がんづき」「豆しとぎ (すっとぎ)」、変わったところでは西和賀地域の「ビスケットのてんぷら」でしょうか。 洋菓子のビスケットを甘く味付けした衣に包んで揚げたお菓子ですが、もっちりサクサクの食感も嬉しいおやつです。

齋藤:ビスケットの天ぷらは、食糧が不足していた時代に、希少なビスケットに米粉の衣でボリュームをくわえて食べたのがはじまりと言われています。↓
■西和賀町  https://www.town.nishiwaga.lg.jp/index.cfm/13,12365,120,html


Q ごはんに対する県独特、もしくは地域独特のこだわりはありますか?

・盛岡三大麺の一つである「じゃじゃ麺」は一見するとゆでうどん。パンチの利いた黒肉味噌とさっぱりキュウリが上に乗り、それらを一気に混ぜ合わせ、各々調味料を選んで食べる人が味を決めるという麺料理です。

・ラー油、生ニンニク、お酢、塩・コショウなど、好みの味を探して食し、最後に残った麺と具に生卵を入れてお湯を注いだ「ちーたんたん」(鶏のスープ)で締めるというものです。ラー油ぶっかけ派、ニンニク山盛り派、お酢たっぷり派などそれぞれのこだわりは、じゃじゃ麺へのうんちくも相まって話が尽きません。

・もう一つの麺料理であり、代表的なおもてなし料理で杯数を競う「わんこそば」を沢山食べるコツは、満腹中枢を刺激しないよう、なるべく噛まないということらしいですが、胃に悪そうです…。

齋藤:じゃじゃ麺の由来、ご存知ですか?また、じゃじゃ麺ファンの最後の楽しみは「ちーたんたん」らしいですよ!↓
■岩手県生めん協同組合 https://i-namamen.com/jajamen.html


Q 他県にもあるけど、うちの県は食べ方とか素材が違う!というのはありますか?


・盛岡三大麺の最後は「盛岡冷麺」。一般的には黒っぽいそば冷麺ですが、盛岡冷麺は小麦粉と片栗粉を混ぜた半透明の麺で、噛みきれないほどの弾力性が魅力の1つ(?)です。
初めて食べた時は、どうしても噛みきれずに一旦「戻した」記憶もあります。透明なスープ、キムチ漬けとともにのっかっている、本当に必要なのか分からない季節の果物(スイカ、リンゴ、ナシなど)がアクセントのさっぱり味の麺です。そのまま食べるもよし、辛めが好きな方は、別についている辛みを足してどうぞ。

齋藤:盛岡冷麺は、盛岡の麺職人・青木輝人さんが昭和29年に「食道園」を開店した際に、朝鮮半島に伝わる咸興冷麺と平壌冷麺を融合させて創作したのが始まりといわれています。そんな歴史がある盛岡冷麺を題材に取り上げるのもステキなのでは?

Q ○○が定番と言われているが、実は○○がおススメ!というのはありますか?

・牛肉(生産量全国5位)は、高級品種は「いわて前沢牛」を筆頭に、その他に「いわて牛」として地域ごとの銘柄牛が8 銘柄あります。さしが少なくヘルシーな赤身肉が楽しめる「いわて短角和牛」もお勧め。

・豚肉(全国7位)も鶏肉(全国3 位)と全国有数の産地となっております。鳥肉の一つとして、全国的にも珍しい「ほろほろ鳥」があり、噛みごたえもしっかり、かつ高タンパク、低脂肪で食鳥の女王ともいわれています。

齋藤:牛肉もよし、豚肉もよし、鶏肉もよし、なんですね!!

 

Q 他県で食べたときに、やっぱうちの県で食べた方がおいしい!と思ったものは?

・リンゴとワカメです。リンゴは生産量日本第4位、ワカメは堂々の第1位です。

・リンゴは全国的には青森県、首都圏では長野県産が有名ですが、江刺りんごに代表される岩手の蜜入りリンゴは、溢れる甘い果汁とサクッとした歯ごたえがたまらない一品です。産直売場では袋に入って信じられないほど安い値段で売られています。

・ワカメは2月から3月にかけての早採りワカメがお勧め。肉厚な三陸産ワカメを柔らかく新鮮なままいただけるのは産地ならではの贅沢。熱々の鍋の中で鮮やかな緑色に変わるしゃぶしゃぶは爽やかな磯の風味も去ることながら、その歯ごたえだけでも主役級の存在感があります。

齋藤:りんごについての自分の知識が低いことに気づかされました…。「りんご」と一口にいっても種類がほんとに沢山あるんですね~。江刺りんご!覚えました!!

 

Q 小さいころによく食べていた思い出の味は?

・三陸沿岸地域の出身なので、「いくら」(「はらっこ」とも言いました)は祖父母の家の朝食にどんぶりに入ってスプーンがついて出てきました。納豆と同じ感じです。いくらは甘塩を家で作ります。朝起きた順にどんぶり飯にいくらをよそって食べてました。最近は鮭が不漁なのでままなりません。

・塩の利いたカリカリの荒巻しゃけ(鮭)は格別でした。塩をして寒ざらしにした鮭をぶつ切りにして焼くのですが、皮までカリカリに焼けて、噛むとじわっとした旨味と脂身が口の中に広がります。鮭は皮まで美味しいんです。

齋藤:いくらが納豆と同じ感じ。でも最近は鮭が不漁…。少し切ないですが、ドラマを感じませんか? “ごはん”に最近の世相を反映させたシーンというのもなかなか味があるのではないでしょうか。


Q 他県にもあるけど、名称呼び方が違うものは?


・一般には、「スイトン」かもしれませんが、「ひっつみ汁」(県央・県北)、「はっ と汁」(県南)という、小麦粉を水で練って団子状にしたものを汁でいただくものです。味はだしのきいた醤油ベースのものですが、野菜・肉・魚介類など具だくさんにして美味しくいただきます。

・まめぶ汁はNHK朝ドラマ「あまちゃん」で有名になりました。

・県北地域では「そばかっけ」というものがあります。そばをこねて薄く延ばし三角形にしたものを豆腐やネギなどの具の入った汁に入れ煮上げ、ニンニクみそをつけて食べます。更に北上すると同じ南部藩であった青森県八戸名物の「せんべい汁」になります。

齋藤:「かっけ」は岩手県北の二戸・九戸地域において南部藩の時代から伝承されてきた郷土食。「かっけ」という言葉は、蕎麦打ちの際にでる「かけら」に由来するとか、他にもいろいろな説があるみたいですよ↓
■岩手県生めん協同組合  https://i-namamen.com/jajamen.html


Q お正月はどんなお雑煮を食べますか?

・スタンダードな岩手のお雑煮は醤油ベース、鶏肉で、大根・人参・ごぼう・凍み豆腐(高野豆腐)にセリが入った汁に餅を入れます。沿岸地域ではいくらを入れる場合があり、いくらが煮上がって白くなったもの(目玉みたいになります)をお椀の最後に見ながら 、汁を頂きます。

・お雑煮に「くるみだれ」がつく場合もあります。クルミは脂肪が多く甘いので東北ではごちそうです。クルミをすったものをお雑煮汁でのばすか、ほうじ茶でのばした「くるみだれ」に雑煮のもちを付けて食べます。

齋藤:目玉みたいなお雑煮。面白いですね!岩手県でしか描けないお正月のシーンになりますね。


最後に、岩手県から愛をこめて、メッセージを頂いております!

「岩手県は、海あり山あり。食財の宝庫です。東日本大震災津波もあり、沿岸地域は様々な苦労がありましたが、徐々に回復に向かっています。沢山の方々をお迎えできるよう、美味しいものをご用意して皆さんをお待ちしています。

 

■いわて公式 食の総合ポータルサイト 
いわて食財倶楽部 https://www.iwate-syokuzaiclub.com/

■You Tube 岩手県公式動画チャンネルもぜひご覧ください!

例えば…
いわて復興人2016 新生やまだ商店街・山田かき小屋

 



2011年3月11日に発生した東日本大震災。6年経った今も、あの時のことは忘れられません。そんな思いも込めて、3月の地域は東北。皆さん、それぞれの思いを込めて、ぜひご提出くださいね。

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■『47行の物語~47都道府県シナリオコンクール』の応募要項は、こちらから
 3月は ごはん × 東北 です。締切は3月25日(土)19時30分必着。

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