menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

発想ってこういうことか

シナリオ・センター代表の小林です。今朝、NHKのあさイチを見ていたら東宝プロデューサーの川村元気さんがでていらっしゃって、「さすが!」ってことを色々お話していらっしゃいました。

20161216c

川村元気さんは、東宝のプロデューサーとしてわずか26歳の時に「電車男」をヒットさせ、その後企画する映画すべてをヒットさせるという名物プロデューサーです。
シナリオ・センターでも、3年前、細田守監督とともにミソ帳倶楽部で、色々お話してくださいました。

今朝は、最初から見ていなかったのではっきりしていませんが、アニメ映画「君の名は」の大ヒットで出演されていたようです。
プロデューサーだけでなく作家でもあり、「世界中から猫が消えたら」「億男」の小説でもヒットを飛ばし、絵本も書かれています。
その企画力・行動力のすごさは並みではないとかねがね思ってはおりましたが、山田洋二監督が「名伯楽」とおっしゃっていた意味も、お話を聞いて「なるほど!」と思いました。

特に心に刺さったのは「みんなが思っている違和感を企画にしている」というお話でした。
「郵便ポストの上においてある熊のぬいぐるみ。通りかかる人は、心の中で「あれ?」と思いながら通り過ぎる。そのみんなが感じている違和感を形にしている」というのです。
みんなが心のどこかで感じていること。だけど、首をかしげているだけで、もやもやしている、形にできていないことを形にすると、「あ、私もそう思っていたのよ」「私のもやもやはこれだ」と共感を呼び、ヒットにつながるということなのですね。
今の社会は、もやもや感だらけですから、ネタはいっぱい転がっていそうです。 

昨日、私の大好きな「志の輔落語」を聴きに行ったのですが、語り口だけでそのシーンや登場人物の顔、キャラクターが見えてくるといううまさは本当に舌を巻きます。
昨日の演目は、志の輔さんの創作落語2題。ひとつは、私は3回聴いている演目だったのですが、何度聴いても面白い。
その場にいるのは志の輔さんなのに、その後ろにスクリーンがあるがごとく、実際には私の頭の中のスクリーンなのですが、鮮明にシーンが見える、登場人物のそれぞれの顔つきまで浮かぶんです。
それはなぜかと言うと、演じ分けが上手いだけではなく、登場人物のキャラがしっかりとできているから。
その上、どこにでもある、自分が遭遇してもおかしくないことを積み重ねていく、川村さんと同じように、「?」とみんなが思っていることを、「ああ、そうきたか」とちょっとだけひねった切り口で語ってくれるのです。この「ちょっとだけ」切り口が曲者ものです。

「面白いものを創る」ということの秘密をみた気がした、昨日今日です。

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ