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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

生きる

男ともだち 監督トーク

防災

シナリオ・センター会長の小林です。この休みには、暦の上では1カ月遅れの衣更えを余儀なくされました。
冬ものは、家を小さくしてからクリーニング屋さんへ保管してもらっているので、それがドッと帰ってきて、慌てて、夏ものの残りを洗濯したり、ともかくクローゼットに収まるように、夏冬の入れ替えに1日を費やしました。つかれたぁ~。

防災庁から、国民に緊急要請がでました。
「全市民へ~ 国家的な危機レベルの災害が発生した場合、政府の対応には限界があります。 『一人ひとりが自分の命を守らなければならない』という意識のもと、家の確保、水・食料・移動式トイレの備蓄、避難ルートの確認、災害訓練への参加など、災害対策の準備をしてください。」だって。
もちろん一人一人心構えは必要だとは思います。
ただ、私は、「政府の対応には限界がある」というのではなく、「現在、どこそこにこれだけの備蓄やTKB(トイレ/キッチン/ベッド)が用意できているが・・・」という具体的な政府の対応から始まるのが筋だと思うのです。この政権を持つお上は具体的なものが一つも出てこないのです。

2011年に起きた東日本大震災から15年も経った今も、熊本地震でも能登地震でもTKBの用意はほとんどありませんでした。冷たい床に段ボール、毛布の体育館生活。パン、お握り、冷たい水。暖かいものを用意してくれたのは民間です。台湾などから送られたテントはどこに使ったのでしょうか。
「防災庁が陣頭指揮を取って都道府県にはこれだけの用意はしてあり(具体的に)、対応のための人員配置もできていますが、大きな災害が来た場合、手が回らないことがあります。なので、国民の皆さんには、個々でも準備しておいてください。お願いします」という対応をすべきではありませんか。

トイレ、キッチン、ベッドの最低限の生活を送るためのことは政府が考えるべきです。
イタリア等がやっている地震対策のようにできないはずはありません。イタリアは日本の半分の人口だけど、それでも、本気でイタリアと同じように動いたら今よりひどいことはないでしょう。

備蓄したくても毎日食べるだけで精いっぱいの家庭がどれだけ増えてきていると思っているのでしょうか。
子ども食堂、フードバンクなどが増えている現実はご存じでしょうか。
「だから1日13円(年間5千円の低所得者給付)あげるんだよ」って、どんなものが買えるのか、お上に教えてもらいたい。
あれ?年間5千円じゃない、5千万円って言ったのかなぁ、聞き間違え?え、それは、国会議員だけだって・・・?あ、そう。

男ともだち

日曜日の私は、老骨に鞭打って、珍しく朝から晩まで動いていました。といって山に登ったわけではありません。(笑)
昼は渋谷のセルリアンタワー能楽堂へ。夜は有楽町の丸の内ピカデリーへと丸一日間、まったく趣の違うものの鑑賞三昧の日でした。
昼は、セルリアンタワー能楽堂で、出身ライターの坂口理子さん脚本の新作狂言を拝見しました。素晴らしかったです。なので、坂口さんにお願いして台本を送っていただいたほどです。明日ゆっくりお話ししますね。
シナリオライターは狂言も書けるんです。

夜は、東京国際映画祭プレミアム公開+監督トーク、出身監督三島有紀子監督の「男ともだち」を拝見しました。
こちらは明後日11月6日から公開、皆さんに見ていただきたいので、私の感想を書かせていただきますね。

三島監督には、今「三島監督とシーンを豊かにする~あなたが描く“男ともだち”」と題して映画監督・三島有紀子監督特別ゼミをお願いしています。
先週、1回目のゼミで、まずは「映画とはなにか」と受講生の方全員に質問。それぞれの答えから、映像のすばらしさを引き出していき、それぞれ「男ともだち」の課題でその場で30分ほどで3枚のシナリオを書いてもらいました。シナリオのお話しは後日させていただきますが、面白い授業でした。

映画「男ともだち」を観て、三島監督の今回の授業のやり方はなるほどと思いました。
映像が素晴らしい。「映像描写」の技術が生きています。
三島監督は上映後のトークで「今回はスタッフ、キャスト全員で、できる限り物語を捨て、事象の説明をやめ、言葉にできない感情や関係を繊細にたどっていく映画を目指しました。
撮り方も含め、感情をどこまで視覚化できるかという挑戦です。
シネスコサイズという横長画面で2人の物理的・心理的距離感を捉え、音響面でも“水のロードムービー”として2人の心の機微を能動的に感じ取ってもらえるよう設計しました」と話されました。
従来のドラマとは一線を画す表現へのこだわりを話された通り、映像とはかくあるべきと思わせる感情豊かな映画でした。
一つ一つのシーンを大事に描いているので、一つも見逃せないのです。

私は、原作を読んだ時、主人公の神名は才能はあるけれど、とても勝手な女というか自分を大切にしすぎる感じが好きではありませんでした。
それは映画も一緒なのですが、実写だと血のぬくもりみたいなのが感じられて、小説とはまた異なる深いキャラクターになっていて、小説は違った、原作を越えた映像の表現に面白さを感じました。
きっと若い人と私との見方、受取り方は違うのだろうと思うのですが、男と女の間というのはSEXなしでは考えられないのか、考えるべきものなのか聞きたいです。
神名と同棲している男も不倫の男も、男として女に対して画一的な見方しかできない、だからこそ、神名といると素晴らしかったり、うらやましかったり、苦しかったり、快楽的だったりするのでしょう。
一方、男ともだちのハセオは、女として人間としての神名の心の揺らぎが好きなだけだから、友達でいられるのかもしれません。

私は、主人公神名が、自分らしいものが描けないイライラから脱して目指すものをみつけた姿をみた時、創作することができる者は本当にいいなぁ、自分で世界を見つけられる幸せな人間だとしみじみ思いました。
彼女の唯一の女ともだちは、自分を探して色々な男とSEXするのですが、子どもができたことで、子どもに対する想いのみに変ります。子どもは女の創作物ということでしょうか。

ちょっと描けなくなった方も、疲れた方も、創作できることの、創作者としての喜びをこの映画で感じて、再び創作と立ち向かう勇気をもらえたらいいなぁと思っています。

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