民主主義
シナリオ・センター会長の小林です。カッと陽が強く夏の日差しになったかと思うとどんより曇り空になったりと、表参道の空模様はめまぐるしいです。九州、中国、近畿地方は梅雨明けだそうです。どうか猛暑になりませんように。
今の世の中が恐ろしくて恐ろしくてしかたがありません。
なんでこんな世の中になってしまったのでしょうか。
日本には「貧すれば鈍す」という諺があります。貧乏になると生活苦に煩わされ、ものごとの判断が鈍ったり、卑しい考えに流されやすくなったりするという意味の諺ですね。
確かにありうると思う諺ですが、昨今は「貧すれば」ではなく「富すれば鈍す」のように思えます。
富を持っている人たちが、これでもかとより大きな富を得ようと「判断が鈍り」、「卑しい考え」でことを進めているように思えて仕方がありません。
日本のみならず世界中がまともとは思えません。どっかの大統領がサッカーの審判にまで口を出すという前代未聞のことをしますしね。
力を持つということをはき違えているのでないでしょうか。
日本は、数を頼ってのゴリ押し法案が多すぎて、腹立たしさを越えて恐怖を感じます。
どんな法案を出してもいいのですが、きちんと審議をして国民の納得いくようにしてほしい、自分の損得で審議を止めない、国会をきちんと機能させる、人もなげなやり方をしない、全国で起きているデモの意味をきちんととらえて国民の声を無視しない、そんな国であって欲しいです。
犯罪前夜
いやあ、警察小説の名手吉川英梨さんの新刊「犯罪前夜」(小学館)、すごいです。もう拍手喝采!
出身作家吉川英梨さんは、警察、水上警察、海上保安庁などを舞台にしての小説が多く、その組織に対する知識は素晴らしくいつも臨場感溢れる小説を書かれて、私はもちろんのこと読者を魅了し続けています。
この「犯罪前夜」は、2008年のデビューから数えて、50作目なのだそうです。
18年で50作、多作ですね。その力量に驚きます。
今回は、大阪府警本部捜査一課の敏腕刑事が真相を追う警察小説であり、海上保安庁特殊警備隊の隊長の活躍を描いたアクション・サスペンスであり、現代社会にはびこる犯罪を濃密に描く社会派ミステリー・・・吉川さんの得意技をゼーンブ入れての社会派エンタテイメントになっています。
大阪市内で起きた闇バイトの犯行とみられる強盗殺人事件が、衝撃的なシージャック事件にと発展する。制圧のために向かった海上保安庁特殊警備隊(SST)の岸本らに思いもよらない事態が待ち受けていた。
ここまでの話しだといったい何が起こって、事件の解明はと思うのですが、その解明の仕方が今までにない驚きの手段で迫っていきます。
この小説の他とは違う面白さは、加害者遺族と接することで事件の真相が暴かれ、また人間関係が浮き彫りにされるという二重三重にも面白くできている上、真相を追う大阪府警の刑事、海上保安庁SSCの熱い心情が描かれていることによって、サスペンスでもミステリーでも警察小説でもない極上のエンタテイメント小説になっています。
内容は教えたくないので、「?」と思う方もあるかもしれませんが、冒頭の「序」を読んだだけで、もう、魅せられること間違いなしです。
騙されたと思って、本屋さんで手に取って、「序」だけこそっと読んでみてください。
そこでページをめくる手が、文章を追う目がとまるはずはなく、レジへと急いでしまうと思います。(笑)
それにしても吉川さんの小説、どんどん面白くなっています。
それは、映像が浮かぶ見事なアクション描写、深い人間関係を創る登場人物たちのキャラクターが良いからにほかなりません。













