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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

人はみな違うから色々な考えはあるけれど、人としてどうかということは同じように考えたい

様々な視点

視点1

シナリオ・センター代表の小林です。昨日一番うれしかったことは、伊藤詩織さんが勝訴したことです。伊藤詩織さんをご存じでしょうか。
5年前、元TBSの記者山口敬之氏が、伊藤詩織さんを酩酊させたうえ、ホテルに連れ込み性行為に及んだという罪で伊藤さんから訴えられました。そして、強姦で逮捕状が出たにもかかわらず、直前で逮捕状執行は見送られ、山口氏は不起訴処分なりました。
その不当を伊藤さんが自らを社会にさらして、訴えてきたものです。
ほとんど性被害の女性は、泣き寝入りです。何故なら強姦されただけでも身も心が引き裂かれるほどの屈辱であり、深い傷だというのに、警察でも裁判でもそれを白日にさらし、もう一度被害者を犯すのと同じような行為を強いるからです。
伊藤さんが公にこのことを訴えた時も、彼女へのバッシングはすさまじいものがありました。
特に男側の論理というか心理というのは、時代が変わっても変わらないものだと思いました。
女が誘うようなかっこをしていたんだろうとか、みだらなかっこをみせるからだとか、加害者以上に被害者への冷たい目はいったいどこから生まれてくるのでしょうか。
女性がどんなかっこをしていても襲っていいことにはなりません。100歩譲って動物なら仕方がないかもしれませんが、人間なら欲望のまま襲うことはありえません。「男は獣なのだ」などと開き直らないでほしいものです。
今回勝訴になったのは、刑事裁判ではなく民事裁判なので逮捕はされないのですが、「合意ない性行為」いわば強姦だと裁判所は認めました。本当によかった。
人として生きているならば、一生癒されない傷を負った女性を追い詰めるような行為はできないと思うのですが、裁判が続く限り、伊藤詩織さんのバッシングは続くといわれています。
信じがたいことですが、私は同じ女性としてだけでなく人間として、彼女を守りたい、応援していきたいと思っています。

視点2

向田邦子さんの「向田邦子の本棚」(河出書房新社刊行)が出版されました。
向田邦子さんはご存じのように、名脚本家であり直木賞作家でいらっしゃいました。
向田さんの人間の描き方は本当に素晴らしく、脚本に小説にその才能は発揮され、油の乗り切った時期に、1981年台湾の飛行機事故で亡くなられてしまいました。
暑い夏でした。そのニュースをラジオで聴き、あまりのことに唖然としたことを鮮明に覚えています。
今年生誕90年なのだそうです。
きっと生きていらっしゃったら、チャーミングなおしゃれな方だったので、草笛光子さんみたいな感じの老婦人になられていただろうなと想像したりしています。

私は、晩年の名作「あ・うん」や「阿修羅のごとく」はもちろん良いのですが、子供の頃見た「七人の孫」「だいこんの花」「時間ですよ」が好きで、特に「だいこんの花」の森繁久彌さんと竹脇無我さんの親子のやり取りが大好きです。
「冬の運動会」「家族熱」も捨てがたい。「寺内貫太郎一家」はいまいち好きになれなかったですが。
向田さんのドラマも小説も、そこに登場する人々がなんとも人間臭く魅力的なのです。
セリフ一つ、態度も行動も、本当にどこかにいそうなよく知っている人のような、で、ちょっと違う。このちょっと違う視点が何とも言えない。
そんな向田さんの創作の秘密が隠されているような本です。
向田さんが読んだ本、向田さんの対談、エッセイなど向田邦子の原点に触れることができます。
もっとシナリオがうまくなりたい、小気味いい小説が書きたいと思われる方、必読の書です。
年末年始のお休みは「向田邦子の本棚」に触発されてください。佳い年が迎えられます。

過去記事一覧

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