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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

小説・脚本で自分の得意ジャンルを見つけるには/出身ライター美輪和音さんの1日

出身ライター 美輪和音さん。最新刊『ウェンディのあやまち』(光文社)発売!

シナリオ・センターで自分の強みを発見!「あなたの持ち味は“毒”よ」

シナリオ・センターでは、受講前の不安を解消できる「シナリオ相談室」(無料)を毎月実施しています。
ここでは、受講についての疑問や不安を個別でお応えさせていただいているのですが、最近こんな質問を受けました。

【「小説や脚本を書きたい!」という気持ちはあるんですが、「こういうのが書きたい!」というのがボンヤリしていて…。自分の得意ジャンルみたいなものって見つかるんでしょうか…】

自分の得意ジャンルを見つけるって、なかなか難しいですよね。

でも、出身ライターの美輪和音さんは、こう仰っています。

【ゼミにいたとき、担当の後藤千津子先生から「あなたの持ち味は“毒”よ」と(笑)。
いま思えば、この言葉は私にとって、自分の進むべき道を示してくれた宝物ですね】

美輪さんは、テレビドラマの他、ホラー映画『着信アリ』シリーズの脚本を担当(※大良美波子名義)。
2010年には、『強欲な羊』で第7回ミステリーズ!新人賞を受賞。これを機に小説家としてデビューし、『8番目のマリア』(KADOKAWA)、『ゴーストフォビア』(東京創元社)、『捕食』(東京創元社)など、ミステリー小説を上梓。4月には最新刊『ウェンディのあやまち』(光文社)が発売されました。

今でこそ、美輪さんと言えばホラーやミステリーのイメージが定着していますが、自分の得意ジャンルを見つけるキッカケになったのは、シナリオ・センターのゼミだったんですね!

美輪さんによると、この他にもシナリオ・センターで得たことが沢山あったとか。
その詳しいお話と、最新刊『ウェンディのあやまち』執筆エピソードは、『月刊シナリオ教室』(7月号予定/6月末発行)に掲載しますので、楽しみにしていてくださいね。

このブログでは、最新刊『ウェンディのあやまち』執筆中の1日と、シナリオ・センター“後輩”にむけたメッセージをご紹介いたします。

最新刊『ウェンディのあやまち』(光文社)執筆中の1日

〇美輪さん:初めにお断りしておきたいのですが…、あくまでもこのタイムスケジュールは、特にかなり追い詰められたときの、です。ちょっとお見せするのが恥ずかしいのですが…。

11時ごろには、愛するカフェへ。
奥まっているところがあって、そこを勝手に指定席にしているんですけど(笑)、窓越しに楠の大木が見えるんです。カフェの向かいにあるマンションの敷地内に立っているんですが、その樹を見ていると、行き詰っていてもなんとか書けます!樹との対話というんでしょうか。もう、この大木は師匠ですね。

カフェでは、PCは持ち込まずノートに手書き。大箱を書いて構成を確認したり、「こんなとき、この登場人物はどう動く?」「この子がこう動いたら、この人はここでどうする?」「このシーンには何が必要?」「ここにどんなエピソードがあったらもっと面白くまわる?」みたいなことをずっと考えています。

ここで整理したものをPCに打ち込むのは帰ってから。
作業時間が22:00~6:00となっていて、ビックリされたのではないでしょうか…。「明るくなる前には寝なきゃ!」と分かっているのですが、夜型なんです…。

追い込まれているのに、「あれってどうだったっけ?」と気になると、参考文献・映像を読んだり観たりしちゃいます。無駄なことかもしれませんが、でも、このインプットは欠かせないんです。

辛いこともネタになると思えばありがたい

〇美輪さん:『月刊シナリオ教室』では毎年、春と秋に「20枚シナリオ習作集」を掲載しています。東京校の本科・研修科、大阪校の研修科ゼミで提出された課題の20枚シナリオの中から選ばれたものが紹介されます。

私も載ったことがあって、嬉しかったのを覚えていますが、たしか人間を食べる話でしたね。やっぱり、後藤先生が仰ったように、私の持ち味は“毒”ですね(笑)。

最初は「そんな毒のある話、書いてるかな?」とびっくりしました。自分のことって意外と分からないものですからね。こうやって自分の持ち味を見極め、その武器を磨くというのはすごく大切。

だから、皆さんもシナリオセンターで学んでいる間に、「これならば人に負けない!」というものを見つけて、磨きをかける努力ができたら、それは仕事をしていく上で強力な武器になり、大きな支えになると思います。1人では見極めが難しくても、先生や仲間がいれば、私のように指摘してもらうこともできるのではないでしょうか。

それに、ゼミにはいろいろなかたがいますからね、面白いですよ!登場人物のキャラクターを考えるときの参考になります。私の場合、後藤先生が一番強烈なキャラクターでしたが(笑)。

例えば、「ちょっと苦手だな…」と思う人ほどキャラクターは面白い。怒りの沸点が意外なところにあったり、「なんでこんな思考するんだろう」という新鮮な驚きがあったり。もしその人と打ち解けられたら、すごい収穫ですよ!「そこがツボだったか!」って。

こんなふうに人間関係を楽しむことも大切。「どんな体験でもネタになる!」と思えれば、日常生活でイヤなことがあっても「おいしい、もうけ!」と切り替えられるようになります。

私も、ちょっと苦手な人にキツイことを言われたとき、「うわぁ、メンタルやられる~」と思いながらも、「ちょっとおいしい!」と面白がってる自分がいて(笑)。辛いけど、ネタになるからありがたい。

そう考えると、脚本家や小説家はいい職業だと思います!


“だれでも最初は基礎講座から”
~講座コースについて~

シナリオ・センターの基礎講座では、魅力的なドラマを作るための技術を学べます。

映像シナリオの技術は、テレビドラマや映画だけでなく小説など、人間を描くすべての「創作」に応用することができます。

まずはこちらの基礎講座で、書くための“土台”を作りましょう。

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『ウェンディのあやまち』 美輪和音 光文社

――恋愛体質のキャバクラ嬢は客として出会った男に、のめり込んでいく。
一方、結婚を迫られていた女の元に、女優としてドラマに出るチャンスが。
さらに、ラブホテルの清掃員の元に謎めいた男が現れ……。
この3人の女を繋ぐ、幼児置き去り餓死事件の真実とは?――

伏線、小道具、胸が詰まるラストシーン。読者を驚かせる仕掛けが満載。
小説やシナリオを書く際のヒントにもなります!

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