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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

大前講師に聞く!【講師突撃インタビュー!作家集団・大前講師編・前篇】

シナリオ・センターの新井です。
昨年から不定期にUPしている
突撃インタビュー。第7回目は、シナリオ・センターで作家集団を担当されている大前講師です。作家集団は、シナリオ・センターの全教習課程が修了した方が、デビューまで腕を磨くクラスです。ライターズバンクに登録する資格もあります。
シナリオ・センターで勉強し続けると、作家集団でどんなことが学べるのか、興味ある方は是非、ご覧ください。前篇です。

 

普段から、「みんな恥ずかしがらずに、もっと色んな自分を出して良いんですよ」と言ってますが、なかなか難しいようです。
私は自分のクラスでおバカな話を沢山するんです。夫のことなど丸裸ですからね(笑)。

 

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新井

大前さんは一番上のクラスの作家集団を担当しています。
ここまで進級すると課題もないので、好きなものを書けますよね。
作家集団からようやくスタートラインとも言えると思うんです。

でも、進級したところで燃え尽きてる人もいるのかなって思うんですが・・・、実際のところどんな感じなんでしょう?

大前

 

燃え尽きているっていうか…課題がない分、いろいろ考えすぎて書けなくなる人もいますよね。

 

新井

 

「何でも自由に書いていいよ」となると戸惑う気持ちも分かります。ゼロからの創作って大変ですからね。

 

大前

そこで20枚シナリオの課題をちゃんと書いてきたかどうかが、ある程度わかりますよ。
ただ本数をこなしてきただけなのか、一番学ぶべきディティール部分をしっかり会得したかどうかということが。

新井

へぇ、それは例えばどんなところでわかりますか?

大前

 

作品の中に『ドラマがあるか』、ということです。それが基本の一番大事なことだと思うのです。
ちゃんと書いてきた人は『ドラマとストーリーの区別』がついていますから。

 

新井 

ストーリーに縛られると「ああなって、こうなって」という自分の筋書きに合わせることが目的になって、一番大事な『ドラマ』の部分が弱まりますよね。

大前

 

そうなんです。作家集団はクラスによって内容は違いますが、私のクラスではプロットを書いてもらいます。
ゼミの中でそれを読んでもらうんですが、設定の説明ばかりでいっこうにドラマが始まらない人は、途中で読むのを止めてもらうこともあります。

皆さん、「この後が面白いんです」と言うんですけどね。

 

新井

えっ、最後まで読ませてもらえないんですか。

大前

 

そうです。
単なるお話を何本書いても、そこにドラマが無ければ、それは描写でしかなく作品にはならない。
作家集団までいらしたのだから、まず最初にきちんとドラマというものを分かっていただくためです。

 

新井

厳しいですけど…確かになぁ。

でも、テレビドラマなんて、最初が面白くないとチャンネル変えられちゃう、シビアなところもありますからねぇ…。
ドラマにするために、クラスでどんなアドバイスをしているんでしょう?

大前

 

「誰とぶつかるのか」、「誰が何に困って悩むのか」、「誰がどう変わって問題が解決するのか」としつこく尋ねます。
シナリオは「対立」、「葛藤」、「変化」ですから。

 

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新井

なるほどなぁ。でも、それは基礎科でも習う基本的な事ですね。 

大前

 

基本が大事なことは作家集団でも変わりません。「何か目新しいこと」や「斬新なこと」に挑戦することも大事ですが、「本当の話です」とか「自分が経験したことです」とか、そのまま描いても面白くならないんです。

 

新井

作家集団はシナリオをある程度書いて、ちょうど基本的なことが疎かになる頃なのかも。
だからこそ、もう一度基本を引き締めるのも必要なんですね。

でも、自分の経験した話なんて『ドラマ』になりそうじゃないですか?

大前

 

自分の話を書くのは難しいんですよ。客観的になりにくいし、無意識に良い自分を書きたくなりますから。
そうなると共感してもらえないものになってしまう。だから、今年の※サマーセミナーは別の視点を加えるということで、とても良かったです。

※サマーセミナー:毎年、夏にシナリオ・センターで開催するセミナー。

 

新井

 

おかげさまでご好評をいただきました。
今年は相手の意見を取り入れるというテーマがありましたから。
シナリオはもちろん、それだけじゃなくて容姿から取り入れてもらいました。

ちょび髭やカツラ、サングラスなどを配布して生徒さんに少し変身していただいて(笑)。

 

大前

 

講師も事務局もでしたね(笑)。

 

新井

 

そうですね(笑)。
どうせなら、みんなで楽しめたらと思いまして。

 

大前

 

「絶対に他の人の意見を取り入れて課題を書くこと」が決まっているところが良かったです。
他の人の視点が入ると独りよがりの作品にならないし、広がりが全然違いますから。

 

新井

やっぱりそうですよね。
サマーセミナーでは毎年、生徒さんが「自分の殻を破るキッカケになる」
イベントを目指しているんです。今回のコスプレもきっかけの一つです。

大前

 

普段から、「みんな恥ずかしがらずに、もっと色んな自分を出して良いんですよ」と言ってますが、なかなか難しいようです。
私は自分のクラスでおバカな話を沢山するんです。夫のことなど丸裸ですからね(笑)。

 

新井

 講師自ら、殻を打ち破ると(笑)

大前

 

はい(笑)。結構、恥ずかしかったりします。
でも、講師の私が率先してそんな話をすることで、少しでも生徒さんが自分を見つめて、自分自身さえも隠しているような気持ち、感情に気づいて欲しいので。

作者が自らをさらけて初めて、視聴者を感動させることができるのだと思うのです。

 

 

後編はモチベーションについて、書くことの大切さについてなど、さらに深堀していきます。
結局は、書き続けないところに、上達はないのだと思います。
殻を破って書き続ける秘訣の後編も、お楽しみに!
 

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