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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

登る地面がなくなったら空目指したる!~「ええから加減」から

シナリオ・センター代表の小林です。昨日はお休みをいただきました。
で、なにをしていたかというと、久しぶりに商業演劇をたっぷり楽しんできました。 

 20131118a

野田MAPや三谷幸喜さんは、ほぼ欠かさず観劇させていただいているのですが、商業演劇には、ちょっと足が遠のいていました。
それなのに、珍しくも「ゼッタイ、観たい!」と思ったお芝居がありました。
シアタークリエで上演されている「ええから加減」。
藤山直美さんと高畑淳子さん主演の漫才師のお話で、その素晴らしい演技で、2013年菊田一夫演劇大賞をおふたりで受賞されました。

 舞台は、のっけから藤山直美&高畑淳子の漫才から始まります。
めちゃくちゃ面白いんです。予想はしていたのです。だから、観たかったんですけれど・・・予想をはるかに超えちゃいました。
まあ、二人の間合いのすごいこと。設定が25年コンビを組んでいる仲があまりよくない漫才師なのですが、ホンモノの漫才師より漫才がうまい、面白い。
「あんたら、勉強にみにいったほうがええとちゃう。」なんて、漫才師の皆さんに言いたくなるほど。
直美さんのアップテンポと高畑さんの受けが相俟って、絶妙。
芝居の中に「絶妙の間はその日の客が教えてくれる」というセリフがあるのですが、まさにその通りにやっているんです。
お父様負けない時事ネタも入れていた直美さん、アドリブ、最高!

お話自体は、単純なのですが、それぞれのキャラクターがしっかりと立っているので、どの役者さんも光るんですね。
あのパワーが感じられない(ごめんなさい!)「カラテカ」の矢部太郎さんですら、ピッカピッカでした。(笑)
最後にお二人の漫才で舞台ははねるのですが、昨年の漫才と違ったものをやっているとか、いやはやお二人のパワーと才能には、笑って、泣かされました。
この漫才、「マスダオカダ」の増田英彦さんが作られて、指導もされたそうですが、師匠を超えちゃっていました。(ごめんなさい!笑) 
「泣かせて、笑わせて、ジーンと胸に残る」その昔の直美さんの父上藤山寛美さん率いる松竹新喜劇を髣髴させるお芝居でした。

 増田さんの漫才台本は、濱子(藤山直美さん)と宇多恵(高畑淳子さん)という漫才師お二人のキャラクターをとてもうまく活かして書かれていました。
毒舌が過ぎて、テレビに出られない濱子(直美さん)と気配りの宇多恵(高畑さん)というキャラクターをしっかりと描けている漫才を作らないとこのお芝居は成立しません。
漫才がお芝居の肝なんです。
増田さんの漫才に感心しました。ちゃんとお芝居とふたりの生き方をリンクさせながら、大いに笑わせるうまいつくりでした。 
もし、チケットがまだあるようでしたら、是非観ていただきたいお芝居です。
「つかみ」とはこういうもんだと・・・しっかりとみせてくれる脚本と役者さんです。

「芸人に一番必要なのは才能でも運でもない。ただひたすら上を向く気持ち」という濱子さんのセリフ。
シナリオライターを目指すあなたに贈ります。

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