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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

ママはもういないんだ(朝日新聞出版)

心中

シナリオ・センター会長の小林です。今日の表参道は、どんよりしている上に肌寒いです。コロコロ変わる温度差に身体が悲鳴を上げています。くれぐれも皆様、お身体をお愛い下さい。インフルエンザも流行っています。
あちらこちらで災害が起きている今日この頃、今や何が起きてもおかしくない状態です。それなのに、お上は危機管理をどう考えているのか甚だ疑問。
誰が変わっても大したことのない内閣人事に精出すよりは、被災地のことに精を出して欲しいです。他人の気持ちがわからないお上ですが、せめて優先順位くらい考えて欲しいです。
災害対策、いつやるの?今でしょ!

これまで「心中」と呼んできた事案を、今後は「保護者の自殺を伴うこどもの虐待死」と呼ぶ――。というニュースに、驚きました。
よくよく聞いたら、「心中」そのものではなく、親子心中に対してなのですね。
相愛の男女が合意して自殺する意味の「心中」という言葉に対し、「親子心中」という表現は、「子殺しの現実を覆い隠している」などと識者らが批判していたそうです。
親が子どもを殺害して自らも自殺を図ることを、昨年までは「心中による虐待死」と呼んでいたのですが、親の側も事情を抱えて死亡する場合が多いことなどから「児童虐待だとの認識が社会に薄く、親の愛情ゆえの行為だと美化されるケースもある」と専門家らが問題視していて、子殺しの現実を「心中」という言葉が隠すとして「保護者の自殺を伴うこどもの虐待死」とするのだそうです。
「こどもは保護者の所有物ではない」という認識を社会に持ってもらいたいとのこと、大事ですね。
言い方だけでなく、子どもを一人の人間として尊重することは必要なことだと思います。
今のお上の方針だと、戦前回帰の家族制度がよみがえりそうですから、子どもの権利をきちんとはっきりさせることは今こそ必要かと思います。

ママはもういないんだ

親子の温かい愛情が溢れていて、涙と共に心がほっこりします。
あの「桜のような僕の恋人」「この恋は世界で一番美しい雨」などラブストーリーのベストセラー作家、出身の宇山圭佑さんが家族の愛を描きました。
新作は「もうママはいないんだ」(朝日新聞出版)

かって「地球守護神・アースガーデイァンズ」のひとり「空の守護神スカイガーディアンズ」だった朝野蒼太は、今は売れない役者でバイトをしながら妻の真白と5歳の息子空と暮らしていた。
どんな時でも味方で励まし続けてくれていた妻の真白がガンで亡くなり、息子空にいえないまま途方に暮れながら、愛する妻の喪失に立ち直れないでいた。
そんな蒼太のもとに亡くなった妻から一通の手紙と手書きの地図が届く。妻に託された場所を目指して息子と二人、おんぼろのフォルクスワーゲンに乗って旅にでる・・・妻からの未来に繋がる手紙と地図、そこでの出会いが…。

妻との別れから新たな出会いと息子の成長を通して描かれる家族の絆の物語は、宇山さんの新たな境地を開きました。
相変わらず、設定がうまいだけでなく、指輪、白い絵の具、うなぎ、ハンバーグ、ビリケンさん等々の小道具の使い方がうまく、登場人物のキャラクターもしっかりとセリフが胸に突き刺さります。
家族の物語なのですけれど、真白との過去を回想として入れ込むことで究極のラブストーリーをも感じさせられて胸キュンとなります。
その上、強い友情物語でもあり、父と息子の成長物語でもあり、いやいやこんなに詰め込んじゃって、どこまで泣かせるのというくらい素敵な物語を作ってくれました。
宇山さんの小説は、常に人の心の深いところをやさしく描いています。きっと、宇山さんは人間がとっても好きなんだと思います。

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