menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

人と人と

人生は『割り勘』思考でうまくいく

二極化

シナリオ・センター代表の小林です。どうもいまいち、夏の感覚が抜けなくて、ダウンを着ていいものか悩んだりするのですが、考えてみたらもう12月にならんとしているのですもの、冬のカッコでいいんですよね。
やはりなんでもそうですが、二極化は性に合いません。
春夏秋冬と四季があってこそ、夏と冬の間に、ちょっと身体を慣らし気持ちを切り替えられるインターバルが欲しいです。

世の中も二極化して極端から極端へと走っているように思えます。
右か左かなんて言う生易しいものではなく極左か極右か、ロケットを飛ばせるほどの大金持ちか食べられないほどの貧乏人か、驚くほど間が離れているようです。
私は、高度成長の時に育ち世の中は上向き、すべての人が中流という上でも下でもない同じような境遇だと思って暮らしてきたので、今の世の中にとても違和感があります。
私は、自らを貶めてまでの謙譲はいらないとは思っていますが、だからと言ってただ自分の主張を繰り返すだけではいけないと思うのです。
子どもの頃は「NOと言えない日本人」と言われました。なんでもいいよでいいとは思っていませんし、ピシッと決められることは大事です。
ですが、YESかNOかだけでものごとを考えてはいけないと思っています。
あらゆるものごとには正解はないのですから、相手を慮り、自分の考えや想いをどう伝えるかをきちんと考えられてこそ、人として、まともなことだと思うのです。
二極化傾向を何とかして、他人のことを考えられるまともなお上に育って欲しいと思うのは私だけでしょうか。

人生は『割り勘」思考でうまくいく

落語家の立川談慶師匠は、シナリオ・センター出身落語家?出身作家?どちらもでしょうね、シナリオを勉強しにきてくださっていました。
創設者の新井一が数々の落語ネタから「落語野郎シリーズ」など多くの喜劇に落語ネタを使っていたせいでしょうか、大人になってからですが、私も落語は大好きで寄席やホール落語に出かけます。
ですが・・・ごめんなさい。談慶師匠は私の推しではなくて・・・(笑)、夏には談慶師匠の独演会、聞かせていただきました。

談慶師匠は、慶應大学出のインテリ落語家といわれるだけあって、落語だけでなく、講演もされるし「教養としての落語」など多数の本を書かれていらっしゃいます。
新作は「人生は『割り勘』思考でうまくいく」(かんき出版)
談慶師匠、還暦になられたそうです。人生一巡されたのですね。
この一巡って、案外誰もが来し方を考えるきっかけというかチャンスになっています。
私も還暦になった時に家族離れ宣言をして、今まで私がやってきた家事を分担しました。自分自身、家庭を維持するために、「妻はかくあるべき、母はかくあるべき」という概念にとらわれて過ごしてきたことへの反省です。とはいえ、仕事は変わらないので、忙しさが激変したわけではありませんが、夕食を作るために急いで帰るとかということがなくなって、心のゆとりはできました。今は、しっかりと家族で家事を回しています。

談慶師匠のいう「割り勘」思考というのは、還暦になったからお互いにお金を出し合おうという話ではありません。
今までの人生経験をもとに、いかに上手に持ちつ持たれつの関係を築くかということです。
一人で抱え込まず、誰かと分かち合い、支え合うことで生存し、発展し、人生を豊かにしてきたのだと談慶師匠は書いています。
最近の風潮の「自己責任」や「個人完結」の空気は、太古から続く人間の本質的なあり方と逆行していて、知らず知らずのうちに私たちから心のゆとりや他者との暖かいつながりを奪い、窮屈感を生み出しているではと。
本当にそうですね。
人生100年時代、元気に楽しく生きていきたいです。
「これから、どう生きるといいか」というそんな知恵が面白おかしく、すーっと身体に入っていくように書かれています。
還暦にはまだ遠い方も、年末に読んでおくと来春のバネになるかと思います。人の知恵も上手にもらいましょう。

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ