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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

新しい朝

あさ酒(祥伝社刊)

声をあげる

シナリオ・センター代表の小林です。今週来週とひたすら忘年会が続き、師走を感じる瞬間です。
13日はシナリオS1グランプリの授賞式を行います。
受賞者の方々は、この授賞式をステップに来年の飛躍を誓われることでしょう。授賞式後、最終審査委員長の浅田講師のコンクール対策講座も行われますので、まだ受賞されてない方はこの対策講座を足掛かりに来年ポーンと飛んでくださることを信じて、お祝いしたいと思っています。
是非、ご参加くださいね。

7日から始まっているのですが13日まで日大芸術学部・映画学科の学生たちが、渋谷のユーロスペースで映画祭を行っています。この映画祭は14回目、毎年時代を反映したテーマを設定しています。
今年は「声をあげる」をテーマにしています。
「私たちを含む大半が『自分の問題ではない』と目をそらしていた。
現実へ向き合わないことへの危機感が企画の出発点になった」
今回のテーマが決まった背景を語っていましたが、若い方々が「声をあげる」ことの大切さに気が付いてくれたのはなにより。
学生の皆さんは1カ月かけて100本ほどの映画から、ジェノサイドや女性、公害病、近年の社会運動などドキュメンタリー9本、劇映画6本の15本を選び、「映画史に残る名作より『声をあげる』ことを感じられる映画を選んだ」そうです。
♯MeTooの発端となった事件を描いた「SHE SAID その名を暴け」やインドの女性ジャーナリストがスマホを駆使して不正を追及する「燃え上がる女性記者たち」など。
毎日2本ずつ、監督や関係者によるトークイベントもあるようです。
https://www.nichigei-eigasai.com/

彼らは、「何を」「なぜ」「何が彼らを動かしているか」とデモをしている人に対しても足を止めて、考えるようになったと言います。
若者が、これをきっかけに自分たちで考え、声をあげなくては世の中をダメなるのだということを感じてくれたら、嬉しいです。
ちなみにシナリオ・センターは、副社長はじめ社員の半分が日芸出身、日芸閥です。(笑)

あさ酒

出身作家原田ひ香さんの新刊「あさ酒」(祥伝社刊)がでました。
これはランチ酒シリーズの4弾目になるのでしょうか。ランチではなく朝になりましたが。(笑)
ランチ酒の主人公、「中野お助け本舗」の見守り屋大森祥子から、あさ酒は祥子に助けられた水沢恵麻が主人公です。
もちろん、ランチ酒の登場人物は出てくるのですが、ランチ酒シリーズを知らない恵麻ちゃんには初めての人ばかり。(笑)
その人間関係が程よくうまく出て、より濃密な人間ドラマが生まれています。朝なのに濃い、さすが原田さん。

26歳の恵麻は、5年付き合った恋人に突然婚約破棄され、住まいを追われ、コロナで職も失うという散々な目に。
そんな彼女を救ったのが見守り屋の祥子。シェアハウスに住まわせてもらい、夜から朝までの「見守り屋」の見習いをはじめます。
ワケアリのお客様の話しは、彼氏も職場も失った失意のどん底の恵麻にとって、よきにつけ悪しきにつけ様々な影響を与え、新たな一歩を踏み出すきっかけに。
でも、祥子に教わったのは仕事だけでなく、仕事終わりの「あさ酒」。
すっかり目覚めてしまった恵麻、モーニングとともに飲んだり、24時間営業の店だったり、見守り場所によって素敵なあさ酒を楽しみます。

ワケアリのお客様の人生ドラマ+夜勤明けの美味しい食事とお酒、このコラボのうまいこと。
心の痛みとや安らぎがあさ酒ととても気持ちよく繋がっているのです。
モーニング×黒ビール、生ハム×赤ワイン、焼き鯖定食×日本酒など等11種も。
私が一番食べに行きたいと思ったのは、渋谷のルース焼きそば。ワケアリのお客様のお話しも濃厚で、めちゃ美味しいそうなんです。
相変わらずグルメな原田ひ香さんの人にやさしい美味しい小説に、今回も舌鼓を打ちつつ、大満足・・お腹いっぱい堪能しました。
是非、皆さんも美味しく読んでください。

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