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ト書も語る。

シナリオ・センターのシナリオ作家養成講座 授業風景

118期シナリオ作家養成講座、

今回の講義は前回に引き続きト書について、『ト書の技術(2)』でした。

 

土曜の夜は、ゲリラ豪雨でしたね。

講座の終わりがけに突如・・・だったので、みなさん無事にご帰宅されたかなぁと心配しておりました。

隅田川の花火大会も中止になってしまい、浴衣を着た女性たちも大変だったと聞きます。

夏はこれからが本番です。

いつ何が起こるかわかりません。大丈夫だと思っていても、嵐の前の静けさということもありますので、どうぞお気をつけください。

 

まさに27日は、嵐の前の静けさ、『豪雨が降る前の不穏な空気が、あたりを立ち込める』感じ、ありましたよね。これをみなさんだったらシナリオにどんな形で表現するのでしょうか。

 

これをそのままト書きに書いたとしても、これは映像にはなりません。

シナリオは映像表現なので、原則、目に見える、映るものを書いていきます。

では、どうやってシナリオに落とし込むか。

人物に言わせるのも一つ手ですね。

 

「今日は危険よ。天気予報でも土砂降りだ、って言ってたんだから傘を持っていって。いや、傘も風に飛ばされちゃうかもしれないからカッパのほうがいいかもしれない。うん、カッパにした方がいいわよ。あら、もうなんだかこわい。不穏な空気が立ち込めてる……」

 

確かに何か『不穏な空気』が立ち込めてくるような感じが伝わってきます。

でもセリフは嘘つき。という言葉もあります。

人が喋ったことが必ずしも本当のこととして伝わるとはかぎりません。

 

他にも表現する方法あります。

それは映像表現、つまりト書に目を向けるということです。

 

空には灰色の雲が立ち込める。

雲間にピカッと光る雷。雷鳴が響き渡る。

木に止まっていた鳥の大群が、一斉に飛び立つ。

群れを成して飛んでいく鳥。

一粒の雨が、歩いていた田中のメガネに落ちる。

田中、立ち止まり、手を広げて空を見上げる。

空に響き渡る雷鳴。聞こえてくる女性の悲鳴。

歩き出す田中。歩を早め、次第に駆け足になる。

 

セリフが無くても、

『豪雨が降る前の不穏な空気が、あたりを立ち込める』様子は、

伝えることができる。

これぞ、映像表現です。

 

118期シナリオ作家養成講座チューターの田中でした。

 

 

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