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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

感動とは

ジュンク堂書店にて 坂口理子さんと

ちょっと嬉しい

シナリオ・センター代表の小林です。今日は中秋の名月。昨日はとてもきれいな14夜の月が見えました。今日は曇り空の東京ですが見えるでしょうか。
中秋の名月は必ずしも満月ではないんだそうですね。今年は満月、外国ではハーベストムーンだそうで、秋の収穫に感謝を捧げるのだそうです。今年はいつまでも暑く、中秋という感じはしませんが、季節は確実に移り替わっているようです。

腹立たしいことが多い昨今、久々に司法も捨てたもんじゃない、ちゃんとした裁判官はいらっしゃるのだと嬉しくなりました。
メチル水銀を含む水が流された不知火海沿岸で暮らしていたのに、水俣病被害者救済法の救済を受けられなかったとして訴えていた128人の原告全員を水俣病と認め、原因企業チッソ、熊本県、国に賠償命令をくだしました。
1956年、私が子供の頃に公式確認されたのに、70年近くなってやっとです。
天国で石牟礼道子さんもちょっとだけホッとされたかもしれません。

水俣病の被害者は、水俣病の定義を「メチル水銀が流された不知火海の魚をたくさん食べ、水俣病特有の症状がみられる人」とシンプルに考えているのに、国は、「複数の症状の組み合わせ」とか「水銀汚染を証明する昔の毛髪やへその緒が必要」とかうじゃうじゃ言っているのです。
まだまだ各地で裁判はあるので心配ですが、この判決を基にして欲しいです。

被害者を救済することこそ国の役目ではないでしょうか。
国というのは、なんなのでしょう。国は国民のためにあるのではないのですか。
わずかな賠償金で身体が元に戻るわけもないけれど、そのつらさを少しでも理解したい、緩和したいという気持ちはないのでしょうか。
騙しているとか、金欲しさとか、最近、SNSなどに見受けられる悪意の目はこうしたお上の姿勢が影響しているような気がします。
戦争を喚起するように兵器ばかり購入しないで、国民のつらさに寄り添って、国民のためになる税金の使い方をほしいです。

コンクールチェック

昨日、池袋のジュンク堂書店での「シナリオ・センター式 物語のつくり方」の刊行記念イベントは、盛況のうちに終わりました。ありがとうございました。
創作の楽しさを一人でも多くの方に味わってもらいたい、そして、今こそ表現することの大切さ、伝えることの必要性を感じてもらいたいと思っています。

ちょうどコンクール応募原稿を書かれていらっしゃる方が多いかと思います。
ストリーではなくシーンを描くこと、これこそがドラマですし、コンクール突破の力だと思います。
昨日も坂口さんとの対談でシーンの大切さを話していましたが、殆どの方はどうしてもストーリーを追うことに目がいってしまいます。
ストーリー通りに登場人物が動くと予定調和といわれて終わってしまいます。

「泣けるストーリー」とか、「ストーリー」と言うじゃないといわれるかもしれません。
でも、多くの人にわかりやすいから「ストーリー」といっているだけで、意味は違うんです。
観客、視聴者、読者が感動するのは、ストーリーの流れに乗って、目にするシーンに感動する、涙するのです。
私は小さい時からよく両親にお芝居や映画に連れて行ってもらいました。
たまーにディズニー映画でしたが、殆どが大人のものばかりでした。
芝居で言ったら、「欲望という名の電車」「酒とバラの日々」「ビルマの竪琴」「破戒」「不如帰」「鶴八鶴次郎」等々、新劇、新国劇、新派をよく見せられました。
そうそうこの間、大竹しのぶさんで観劇した「女の一生」も杉村春子さんで。
で、覚えているのは、あるシーンだけなんです。だって、小学生ですから人生を語られても、男と女を語られても、まったくわかりませんもの(笑)
ですが、今だに目に焼き付いているのは、場面(シーン)なんですね。
人は素晴らしいシーンがあると、そこだけが脳に焼き付くのではないかと思います。

そのシーンを魅力的に描く肝は、キャラクターです。
「シナリオ・センター式 物語のつくり方」では、面白いシーンを描く3条件は、①人間が描けているか②次のシーンが見たくなるか③画になるかと書いてあります。
あなたが応募するコンクール作品をもう一度チェックしてみてはいかがでしょう。

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