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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

日々の暮らし

犬小屋アットホーム(U-NEXT)

やめて。

シナリオ・センター代表の小林です。昨日の東京は夏日、今日はさほどでもなく秋が来たなぁって感じでしょうか。
この気候の変化で体調を崩す人も多く、コロナだって終焉したわけでもないのに、旅行支援だ、入国制限大幅緩和だと大丈夫なのかと思います。
この国のお上は、このようにきちんと対策ができているから大丈夫という根拠を示したことがありません。
ただ、旅行支援だ、入国大幅緩和だと目先のもうけをいうばかり。何かあった時はどうするのか、知らんぷりの半兵衛さんを貫くのです。
そういえば困った方への給付金はどうなったのでしょうか?静岡などの災害地域へのお見舞いや支援はどうなっているのでしょうか。
マスコミも、GOTOで失敗したにも関わらず医療崩壊には目をつぶり、静岡などの大型災害もコロナでの病院対応ももうニュースにしなくなってしまった。観光の話ばかり。

そういえばマイナンバーカードを義務化するなど、またまた無謀なことを強引にやろうとしているようですね。
基本的にもので釣ることに対しては信用していません、私は。
だって、ポイントだとか特典だとかで釣らなければならない商品はろくでもないと相場が決まっています。
舘ひろしさんやビッグダディにいくらいわれても、こればっかりはねぇ。(笑)
リスクは言わないし、ポイントの2万円だって税金ではないですか。
お上に健康から預金迄握られたら、今のロシアみたいなことになった時、貧乏で健康な人をピックアップして戦地に送るのは必須だと思いません?
健康診断から日頃の診察状況まで見られ、通帳の中までみられた挙句、健康に太鼓判押されて、これしか稼ぎがなく税金も大して払ってないなら、その分戦ってもらおうとかゼッタイ言いそう。
ホントに私たちが「それはダメ!」と声をあげないと、どこまでもお上の好き勝手にされそうです。

犬小屋アットホーム

予告編ご覧いただいたでしょうか。出身ライター大山淳子さんの新刊「犬小屋アットホーム!」(U-NEXT刊)、拝読しました。
私が解説を書かせていただいた「通夜女」(徳間文庫刊)とはまた違った心温まるお話し、なにせタイトルも「犬小屋アットホーム」ですからね。
大山淳子さんは、最初の本が「猫弁」ですし、「雪猫」「猫は抱くもの」とか断然猫派だと思っていたら、犬も大好きなんだそうです。
ま、私も犬派だけれど猫も好きだし、勝手に決めつけちゃいけませんね。

ちょっと問題のある老いた人たちが住んでいる「ホーム・ニーシャシャン」、入居条件はただひとつ、犬とペアになること。
それも、保護犬も保護犬、保護からもはみ出したドリームボックスに送られそうなワンちゃんたち。
飼い主を亡くし、孤独なジャーマンシェパードサクラと出所したてのすっかり現在から取り残された元ヤクザ正丸。
余命宣告を受けた子供の頃から病気で成長ができなかった七村には、生ごみ処理にされそうな放置されて歩くこともままならないマルチーズのチェルシー。
闇闘犬チャンピオンとして、常に殴られ闘争心だけをつけられたピットブルのアキラと詐欺師でろくでもない生活をしてきた菊江。
盲導犬になれなかったラブラドールノワールと盲目の老女とし子、清掃をやっている元ピアニスト英理人とピアノ調律師の犬だった柴犬の弦など等。
犬とペアで暮らすホームを作ったマダム音、その支配人横須賀はじめ、住人たちだけでなく、そこには働く人々も何とも言えない一癖もふた癖もあり、つらい過去を持っています。

それぞれの背景・事情の出し方が本当に胸に刺さるのです。
だから、「それじゃあ仕方ないよね、よく頑張ったね」って背中をさすってあげたい、頭を撫ぜてあげたくなるのです。
無言の犬たちと接して、立ち直ったり、勇気づけられたりしながら、ともに生きる意味を模索していく過程が、圧巻です。犬とのペアだけでなく周りの人々とともに。
背景・事情の出し方こそが、大山淳子のシナリオ力なのだとしみじみと伝わってきます。うまい!
大山さんのすごさは、犬と人間の絶妙な組み合わせ方。
どちらも過去に傷を負っているふたり(一人と1頭ではなく)が支え合うのですけれど、その支え合い方がなんといえばいいのでしょうか、お互いの傷をなめ合うのではなく、孤独を埋め合うのではなく、ふたりがお互いをリスペクトして高め合うというのか、生きる力を持つことができる、犬と人間の垣根を超えた、これはまさに友情、いや愛情物語なんです。

誰もがこの本を読まれたら思うことでしょう。このホームで過ごしたい!!犬と暮らしたい!!
ホームの名前「ニーシャシャン」はフランス語で犬小屋。
子供の頃から犬とともに犬小屋で過ごしてきた私にとって胎内回帰のようなホーム。
こんなホーム、本当に大山さん!作って!!(笑)
猫派も歓迎ですから。

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