「バラエティ番組を作りたいけどどうしたらいいか」というお悩みを解決
==「YouTubeで配信するバラエティ番組を作りたい!でもどこから手を付けたらいいか分からない……」とお悩みの方、今回ご紹介する方法を使ってください==
ダイキン工業さんでは、消費者をYouTubeでつなげ、エアコンをつくる以外の価値を直接提供することを目標に、色々な企画・制作を行っています。そのひとつが「夢の産地直送プロジェクト」。
これは「コロナ禍で夢を潰えた人々の夢をかなえる」ことを目標として始まった企画で、今回は、同志社大学のサークルである「学生テレビ局」のメンバーの夢をかなえます。
その夢とは、「最高のバラエティ番組を制作してみたい!」というもの。
そこで、まずは自分たちが作りたいバラエティ番組の企画・構成をするために、新井が講師を担当させていただき、「脚本・企画セミナー」をZOOMで実施しました。
バラエティ番組を作るために、今回やってもらったことはこの3つ。
①方向性を決める
②起承転結の「転」「結」を設定
③「起」「承」を設定
では、どんなふうにやっていったのか、ご紹介。
①方向性を決める
〇新井
皆さんが作りたいバラエティ番組のイメージはできていますか?
〇Yさん
ひとりひとり、なんとなくイメージはある感じですが、ジャンルもバラバラ。予定としては全員で1つのものを作っていきたいのですが……。
〇新井
皆さんで「こんな方向性の番組を作る」という共通認識をもてたらいいですよね。
そのためにまず、そもそも世の中にはどんなバラエティ番組があるのか、整理してみましょう。
使うのはこちらの“軸”。ここに皆さんが知っているバラエティ番組をマッピングしてください。
皆さんにはJamboard アプリを使ってもらい、画面上に付箋を貼っていってもらいます。
次々に色々な番組が分類されていきます。
〇新井
いいですね~。こうやって見てみると、それぞれの番組の「特性」が分かってきますよね。『Qさま!!』なら、クイズ番組だから教養とトークが多いのでコッチか、とかね。ひとくちにバラエティといってもマッピングしてみると違いが分かりますよね。
皆さん、画面上で頷いてくれています。
〇新井
次はYouTubeの動画番組もやってみましょう。
〇新井
こうしてみると、さっきのバラエティ番組のとはちょっと違いますよね。
バラエティ番組とYouTubeの違いがなんとなく分かるのでは?
〇皆さん
YouTubeはトークが多いかな
〇新井
そうですよね、それから放送・配信する時間帯や、視聴者層も違いますよね。
「うん うん」と皆さん。
〇新井
自分がやりたいなと思っている番組は、どこらへんをイメージしているのか、“方向性”を見つけてもらいたかったので、まずはマッピングをやってもらいました。
このマッピングをみて、自分はどこを目指して作っていくのか、誰に向けてやりたいのか、と自分の考えを整理していくと、「〇〇みたいな番組のイメージでいこう」というふうに“道しるべ”を作ることができます。
では次は、このイメージをより具体的にしていきますよ!
②「転」と「結」を設定
*
〇新井
番組を企画するときに大切なのが、「構成=起・承・転・結」を設定すること。これは面白いものを作る大前提です。
最初に考えるのは「転」と「結」。これは“ニコイチ”で考えてください。
「転」は、こちらが伝えたいテーマ。
「結」は、テーマの定着と余韻。例えば、「愛って大切ね。こういう恋愛してみたいな」みたいに、観終わった後にどう感じてほしいのか、を考えます。
では今度は、起承転結のJamboardに、自分が作りたい番組の「テーマ」と「余韻」を付箋で貼ってください。
皆さん、次々と自分のJamboardに「転(テーマ)」「結(余韻)」を設定していきます。
何人かに発表してもらうと――
〇Nさん
テーマ:知らない街で魅力を見つけることの楽しさ
余韻:「旅をしたい!美味しいものを食べたい!なんだかほっこりする!」
〇新井
いいですね!
でも、余韻をなるべく一言で言えるようにすると、企画全体がブレないですよ。
〇Hさん
テーマ:運動の楽しさ
余韻:「運動不足を改善しよう!」
〇新井
「改善しよう」というのがいいですね!
例えば、余韻を「ヨガで運動不足を改善しよう」というふうに、「どんな運動か」を具体的に決めると、誰に見てもらいたいのかというターゲットも具体的になりますよ。
〇YOさん
テーマ:アホらしさ
余韻:「自分の悩みなんてどうでもいい!」
〇新井
おもしろい!あとは、「承」のところをどう考えていくか、が大事になっていきますよ。
では、この「承」はどう設定するか。「起」とともに考えていきましょう!
③「起」と「承」を設定
*
〇新井
「起」はアンチテーゼ。テーマの逆です。
YouTube動画の「起」でよくあるのが、
・「あるある」から始まるタイプ=「こんなことありますよね?」と視聴者に呼びかける
・「謎」から始まるタイプ=視聴者に「なんだろう?」と思わせる
どちらも、「ちょっと観てみたいな」と思わせる入り方です。
それから、「承」は、全体の6割~7割を占める部分で、簡単にいうと「障害」。
つまり、困らせてください。そうすると、視聴者は「どうなっちゃうの?」と気になって、それが盛り上がりに繋がります。
新井の説明の後、先ほどのJamboardに「起(アンチテーゼ)」「承(障害)」を付箋で貼ってもらいます。例えば、テーマが「散策の楽しさ」で、余韻を「どこかに出かけてみよう!」と設定したYさんの場合は――
〇Yさん
アンチテーゼ:メンバーを早朝に呼び出す。眠たいし、動きたくない。でも企画なので歩き始める。
障害:
・食べ歩きをして、その中の1つのごはんにびっくりする。
・みんな笑いだす
・疲れたと言い始める人が出る
・ごはんを食べて機嫌を直す
・誰かと誰かが喧嘩する
・その喧嘩がだんだん面白くなってくる
〇新井
すごい!短い時間で結構具体的に設定できましたね。構成の考え方としてはグッドです!
このセミナーが始まったときに比べて、どうですか?
〇Yさん
自分が作りたい番組がどんな感じか、イメージできてきました!
〇新井
今日、皆さんにやっていただいた作業は「箱書き(※)」といいます。
これをブラッシュアップして、構成台本(脚本)にしていく。
こんなふうに箱書きの精度を高めていくと、構成台本も作ることができて、結果、撮影するときも現場で迷ったり、伝えたいことがブレたりしないで済みますよ!
YouTube動画を作る/まとめ
いかがでしたか?YouTube動画の作り方が分からなかった方は、どこから手を付けたらいいかが分かったのでは?
以下に手順をまとめます。YouTube動画を作るときは、
・作りたいバラエティ番組はどういう方向性のものにしたいのか
・どういうテーマと余韻にしたいのか
・どういうアンチテーゼ(「あるある型」or「謎型」)にするか
・どんな障害が出演者に起きれば、視聴者は面白いと感じてくれるか。
――を考える。
ぜひ参考にしていただき、視聴者を夢中にさせる面白い動画を作ってみてください!
※「箱書き」や「起承転結」については、こちらの記事もどうぞ。
・「シナリオを書く前に ハコ書を作る」
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