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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

人として

「仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな書店で学んだ」(ポプラ社刊)

風よ吹け!

シナリオ・センター代表の小林です。持続化給付金、家賃支援給付が延長になったそうです。当初は今日で打ち切りだったのですが、野党に押されたらしいです。
ま、なにはともあれ、とりあえず、よかった。
何の手当もしないで罰則ばかり考えているお上と与党の感覚はまったくわかりません。
どう考えたって、従うわけはないですよね。
それにしても、国民主権、基本的人権を無視し、憲法破り、国会を軽視し、選挙違反に、虚偽説明等など平気でしている人たちが罰せられないのに、?って思います。
お店も会社も、手厚い保護をしてくれれば、危険を冒して頑張ることなど誰だってしやしない、死活問題だから、無理しても、法を犯してまでもやらざるを得ない。
あえて、法を犯させるような状況を作っているくせに、どうしようというのでしょうか。
子ども食堂やひとり親支援をしているのですが、寄付増額のお願いが来ました。困っている方がどんどん増えてきている状況なのです。
お上はわかっているのかな。知らないとしたら上に立つ人間としておかしいし、知っていて手当をしていないのなら最低です。
まずは手厚い公助を、心からお願いしたい。

風の時代の始まりらしい今、大風が吹いて、こういう阿保なことしか考えられない輩をぜーんぶ吹き飛ばして、一掃してくれないかな。
え?誰一人残らないって。(笑)

仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな書店で学んだ

物事をどのように捉えて対策を練るか、発想を広げるかは、案外人間の大きさにかかってくるのかもしれませんが、何もわからない人でも、器の大きな人間と接することで、大きく変わっていくものです。
コピーライターでビジネス書を数多く書かれている出身ライターの川上徹也さんが、初めてビジネス書ではなく小説を書かれました。
小説と言っても実在する書店をモデルにしたノンフィクション&ノベルという新しいジャンルです。

「仕事で大切なことは尼崎の小さな本屋で学んだ」(ポプラ社刊)
東京生まれ、東京育ちで、中学からエレスカレーターで東京の私立大学を卒業した大森理香。
目標もなくなんとなく出版取り次ぎ会社に入った主人公理香は、関西弁が大嫌いで、べたべたした人間関係が苦手なのに、なぜか大阪支社の営業に配属されてしまう。
本もさほど読まない理香は、縁もゆかりもない大阪で研修を受けても大きな失敗をしてしまう。
自分のふがいなさと仕事の理不尽さに涙する理香を、上司は尼崎の小さな書店に連れて行く。
そこでひとりの書店のオバチャンに出会い、それをきっかけに理香の人生への考え方、仕事への向き合い方が変わっていく。
本もろくに好きではないのに出版取次会社に入った、何もできない新入社員の成長物語です。

もちろん、川上さんの得意中の得意はビジネスのノウハウ。なので、ただの小説では終わりません。
実際に「本屋さんで本当にあった心温まる物語」(あさ出版刊)のために川上さん自身がお会いして取材された尼崎の小林書店のオバチャンをモデルに、実際のエピソードを使ってお書きになったお話なので、ビジネスノウハウも満載です。
主人公や周りの人々、お話はフクションですが、小林書店の小林由美子さんとご主人の昌弘さんは、実在の方で、小林さんの一人語りの部分は、ご本人から直接お聞きしたエピソードなのです。
他人(ひと)の話しを聞いて、そこから得ていくものの大きさを主人公の理香が体現していく姿に、フィクションでありながらとても勉強になります。
発想というものは、頭の中だけでうかんでくるのではないのだということがよくわかります。
他人とのコミュニケーション、縁(えにし)の大切さが実感できるお話しです。

この小説の中で、ほとんど本を読んでこなかった理香が、小林のオバチャンにお勧めの本をききます。オバチャンのお勧めは「百年文庫」(ポプラ社刊)
理香は、一冊ずつ読破していきます。そのたびに、ちょっとずつ成長していきます。
この本は実際にあります。国内外の名短編を漢字一文字でテーマを決めて、1冊に3部の作品が掲載されているという画期的な本。
なにを読んでいいかわからない、誰の作品がいいのかわからない、そんな方が読み始めるのにはとてもラクチンで、好き嫌いも選びやすい文庫です。全100巻あります。
コロナ禍で時間もあるし、せっかくだから読書しようという方にお勧めです。

余談ですが、この本の執筆協力されている内平未央さんは、センター出身のシナリオライターですが、川上さんとはセンターの創立パーティーで出会ったのがご縁だそうです。
そのとき、内平さんが大手出版取次会社にいらしたことをお聞きして、お声をかけられ、お手伝いしていただいたとか。
いいご縁のきっかけをいただいたと川上さんに感謝され、50周年記念パーティーは、コロナでできなかったけれど、とっても嬉しい気持ちになりました。
本との出会いも、人と人の結びつきも、どこで生まれるかわかりませんが、一期一会を大事にしていくことが、人としても創作者としても大きくなるための糧かと思います。

明後日17日日曜日13:30から142期シナリオ作家養成講座の説明会があります。通学もオンラインでも参加ができます。
コロナの重苦しい気分を吹き飛ばし、新しい表現方法を、楽しい創作人生を探ってみてはいかがでしょう。
お持ちしています。

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