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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

なにごとも

双蝶々曲輪日記 引窓 吉右衛門丈の濡れ髪長五郎

女性

シナリオ・センター代表の小林です。台風12号が接近とのこと、備えには十分注意しなければいけませんが、どのように台風は動いていくのか、大きな被害にならないよう祈るばかりです。
アメリカのTIME誌の「世界で最も影響力のある100人」に、2年続いて、大坂なおみ選手が選ばれました。
今回はマスクを使って、世界中に「Black Lives Matter」を訴えました。人種差別への抗議を世界中に訴えたのです。
もうひとり、性暴力を受けたジャーナリストの伊藤詩織さんが、「性被害を勇敢に告発したことで、日本中の女性に、#MeToo、フラワーデモを抗議する力を与えた」と選ばれました。
若い女性がふたり、果敢に社会の変革にコマを進める原動力になったことは本当に素晴らしいことだと思います。
22歳の大坂選手が世界中に発信する大きな人種差別への抗議、伊藤詩織さんが自らの傷をさらして、性暴力への大きな波にした勇気を、世界の人々が絶賛しているのに、彼女たちを揶揄したり、批判する人々の心のなさ、日本の前時代的な考えの多さに腹立つばかりです。
男社会を変革しない限り、発想を転換しない限り、なにひとつ解決しないのです。
男性が女性を貶めない、優秀さを認める、性別、人種差別をしない、子どもを産むのは女性ですが、男女が当たり前に育児と仕事が両立できる環境づくりが基本です。
イクメンなんて言葉があるうちは、何も解決できないし、頭も心も変わらないということです。
安い給料で結婚できない、生活できない人に一時的にお金をあげたところでなんの解決策にもならないことを、誰もわからないのでしょうか、お上は。

双蝶々曲輪物語 引窓

久し振りに歌舞伎座へ行ってきました。
3月に行うはずだった吉右衛門丈の「秀山祭」をはじめ歌舞伎はコロナで休演になり、ようやく今までの昼の部・夜の部というくくりを変えて、8月から一部から四部に分けて、一部ずつ分けての公演となりました。

昨日、私が堪能したのは、第三部「双蝶々曲輪日記 引窓」。
吉右衛門の濡れ髪長五郎と菊之助の与兵衛、雀右衛門の女房お早、東蔵の母お幸の素晴らしい配役に1時間ちょっと酔いしれました。
お話は、訳あって人を殺めてしまった相撲取りの長五郎は、幼いころから離れていた実母のお幸に暇乞いをしたく訪れたのですが、なんとその日お幸の育ての息子与兵衛は代官となり、長五郎を捕らえなくてはならないことに。
歌舞伎は、長編の中の一つを演じることが多く、八段目にあたるのが引窓。明かりを取るために設けられた引窓が、小道具として何回も有効に使われます。
長五郎を隠すために引窓を閉める。逃がそうとする与兵衛の恩情に応えるために、捕まろうとして、引窓の綱で縛ることを頼む長五郎、引窓の綱を切る与兵衛、引窓から差し込む月光を日光に見立て、逃がす与兵衛・・・。
まさに、小道具「引窓」で長五郎の、与兵衛の、母の、与兵衛の妻の心を見事に描くのです。
歌舞伎は小道具を結構物語のキーポイントに使うことが多いので、一度どんな演目でもよいのでご覧になってはいかがでしょう。
歌舞伎は、今までは昼の部だと11時過ぎから4時あたりまで、夜の部は4時過ぎから9時近くという感じで、長い。(笑)
でも、今はコロナ禍で、一部ずつですから、一演目一時間ちょっとという感じで、時間も、また料金も手軽ですので行きやすいかと思います。
今まで足を踏み入れたことのない方もこの機会に。
ソーシャルディスタンスで席も1席おきに開けていますし、花道とも3席分距離をとっていますので、安心です。
大向こうからの声がない、ポツンポツンのお席は悲しいですけれど、今こそ歌舞伎を見たことのない方には、チャンスだと思います。
なんでもポジティブに考えて、利用しましょう。

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