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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

シナリオ書き

未来のライター達

差別

シナリオ・センター代表の小林です。テニスの全米オープンは、錦織圭選手の1年ブぶりの雄姿を見せてもらいたかったのにコロナで欠場になり、残念でした。
大坂なおみ選手もセレーナウイリアムスも準決勝までいったので、決勝で再びセレーナと対決というドラマチックな展開になるのかと想像していたら、残念ながらセレーナ選手、アザレンカ選手に敗れて、決勝進出ならず。決勝は大阪なおみ選手とビクトリア・アザレンカ選手の戦いになります。
それはそれで楽しみなのですが、大坂なおみ選手は、人種差別反対を表明して、毎試合ごと差別のために亡くなった黒人の方々の名前入りのマスクをしています。
彼女は、「名前が違うマスクを決勝まで用に7枚用意したけれど、何枚見てもらえるか・・・」と試合前に話していましたが、嬉しいことに全マスクを見ることができます。さすがですね。

スポーツ選手や芸能人が、政治的な発言や行動を起こすと、ひどく批判される方々がいます。
なおみ選手が「アスリートの前に私は黒人です」と応えたように、スポーツ選手も芸能人も単にそれが仕事なだけで、人間としてはみな同じです。
政治的な発言とよくいわれますが、政治は社会と直結しているのですから、社会の一員の私たちが発言することが、政治に繋がることはまったくおかしなことではありません。
誰なら、この発言をしてもいいのかと決められたとしたら、それこそ人間差別です。
人はみな違います。異なるなる意見や考え、行動を排除することなく、お互いに受け止めてコミュニケーションをとるというのが人間の本来の在り方ではないかと私は思っています。
ドラマは、人間の葛藤・相克・対立を描きます。
お互いの考えをしっかり知ることで対立が明確になります。
この技術を日常生活にも活かして、人はみな違うからこそ面白いのだと楽しめる世の中であってほしいと思います。
大坂なおみ選手、頑張れ!応援しています。

適性

7月シナリオ8週間講座の修了式でした。
通学とオンラインの併用で行われた講座で、1/3が通学、2/3がオンラインという受講構成でしたが、最後まで皆さんしっかりと学んでくださいました。

必ずといっていいほど「シナリオライターになれるだろうか・・・」というご質問をいただくのですが、お答えはいつもできません。
残念ながら、神様でもない私には、他人の未来を推し量ることはできません。
でも、いえることが2つあります。
一つは、描き続けること。プロへの王道はそれしかないと思います。

もう一つは、創設者の新井一がよく言っていたことです。
「思いやりがなければシナリオ書きになれない」
誰でもシナリオライターになれると常に標榜している新井一が、「なれない条件」をだしたことに当時私はびっくりしました。
「なぜなら、シナリオというのは、スクリーンなり舞台の上で、二人以上の人物がセリフのやり取りをして芝居をするのがすべてだからです。
作者一人でA君になったり、B子になったりして想像しながら。それを原稿用紙の上に定着させる仕事をします。
こういうことを言ったら、相手はどう思うだろう。例えば「バカ!」と言ったら相手はどう思うだろう。
「何偉そうに言ってんだ」と思うか、「しまったなぁ」と思うか、その反応がドラマになるのです。その繰り返しです。
シナリオばかりではありません。
企画を立てるときに、そのことはよくわかります。企画で一番いけないのは「ひとりよがり」といわれています。
自分だけが「うん、これはいいぞ」と悦に入って、その材料を読者なり観客なりがどう考えるか、等とは頭の中にひとかけらもない人です。(略)
あなたの書いたシナリオがものになり、企画書が実現するためには「思いやり」の気持ちが必要です。
それがない人は「シナリオ書き」にはなれません。」(シナリオ虎の巻から)
これは作家の感性について述べているのですが、相手の気持ちが読めない人、自分だけの世界に閉じこもるひとりよがりの人、自分の書いた作品に思いやりのない人は向かないということです。
でも、こんな人、「シナリオ書き」だけでなく、人間としてもだめだと思いますが。(笑)

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